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町に出かけました

次は何時になるか不明です、それでもいいよと思われるかたは読んでくださると嬉しいです。

久し振りに町に行くことに決めた。ナシはじゃまなので置いて行く事にした。後ろを着いてくるやっぱり鬱陶しい何故だ!どうしてこうなった?大男は要らない。私は一人を満喫したい!


「着いてくるな!じゃまだ!」


「ああ、そうだな。」


「大人しくしてればいい、家にいろ!」


「そんな気分じゃない。」


「……」


面倒臭い男だ!はあ、好きにするがいい私には関係ない。考えるだけ損だ!無駄な言い合いをした。随分長く町へは行ってないが珍しい物でもあると気分も違うだろな。


「おじさん、何かいい物ある?」


「ああ、一杯あるぞ、例の国の潰れた貴族の品が安く入って来てる。」


「……」


「ナシ!じゃま!おじさん見せて!」


「ゆっくり、見ていいぞ。」


「…これはまさか」


「ナシ?見覚えあるんだ。」


「おじさん、それいくら?」


「10グランだいるか?」


「うん、貰うよ。」



あれからナシは静かになった、いいことだ人の過去を詮索する趣味はない。過去はあくまでその人の物でしかない、どう扱うかは自分次第で決めるのも自分自信だ、その権利を別の人間に委ねれば不幸になる。そんな事は無いと言う人間も居るが責任逃れでしか無い。

まあ、人に決めて貰うのは楽だがな。考える必要がない利点もあるが。ただし、後悔しなければの話しだが。



「ナシ、これ上げるよ。捨てるのも、持って要るのも自由だ。」


「…どうしてこれを」


「気まぐれだな?」


「…ありがとう」


ナシが誰に言うでもなく語り始めた、あれは元婚約者の物だと自分が贈った物である事を私は聞いた。だが、それもナシ自身事で私には関係無い事だ。感傷も想いも自分で昇華するしかない、心を溶かすまで涙が流れ泣くとも胸の中には何時迄も雨が降り続けるのだから。


誰の中にも涙は眠っている、悪人であっても善人であってもだ。嫌でも、この理不尽な世界で生きるために。


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