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俺のスキルが《冷蔵庫》なんだが。〜異世界転生したけど、スキル名が微妙です〜  作者: 村人B
三章 藤野 玄人、世界の真実を知りました。戦いたくはないです。
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49話 藤野 玄人、帰宅しました。

「お前ら、随分遅かったな」


 集合場所に着くと、なんだか不機嫌そうなジャックが歩いてきた。


「俺、一人で暇してたんだからな」


「はは、ごめんごめん……って、一人?」


 校長先生やフェルンもどこかへ行っていたのだろうか。今は目の前にいるけど。


「ああ、あの人らは喫茶でゆっくりしてた」


「ん?ジャックは行かなかったのか」


「ああ、ちょっと話があってな……」


 そう答えたのは、少し後ろにいた校長先生だった。


「うむ……それでは、そろそろ帰ろうか。以前見ていた世界と違うから道がわかりにくいだろうし、ゆっくり覚えながら帰ろう」




「あれ」


 学校について最初に気づいたのは、寮と校舎の外観は変わっていなかった事。


「なんで学校はそのままなんです?」


「ああ、この校舎は随分前に造られたものでな、イメージに合っていそうだしカモフラージュする必要はないだろう、という結論に至ったんだ」


 俺が校長先生に聞くと、彼女はそう答えた。


「つまり、手抜き……」


「そ、そんな事ないよ?」


 俺のつぶやきに対して、女神様が慌てて否定した。図星なんだろうな。


「ほ、ほら、見てみろ」


 その直後、フェルンが強引に話を変えようと、突然指差した。


「ん?」


 その方には、寮。こっちも、変わったところはない。


「これもな、藤野 玄人が困らんように変えずにおいたんだ。内装も以前の通りだぞ?」


「いや、これも手抜き……」


「ち、違うわっ!」


 まあ、本人達がそういうなら……そうなのか?


「で、ではな、今日はもう休むといい。明日からは特別メニューを用いて訓練を行うから、しっかり身体を休めておくように」


「え?訓練?」


 ……あぁ、戦うもんね、そうだね。


「わかりました」


「うむ」


 校長先生がそう返事をすると、フェルンや校長先生、ダークネスウルフは校舎の方へと歩いていった。


「じゃ、俺も帰るわ」


「私も」


 二人がそう言ったので、俺も帰ろうと思ったんだが。


「あ、そうだ。ジャックの部屋ってどこだ?」


「あれ?言ってなかったか?」


「いや……うーん……すまん、覚えてない」


「じゃあ、多分言ってなかったんだろうな。えーっと、俺の部屋は二階の左から二番目だな」


 えーっと……あ、あそこか。


「オッケーありがと」


「じゃ、今度こそ」


「おう、じゃあな」


「おやすみなさい」




「ふぃー」


 風呂から出て、ボフッとベッドに飛び込んだ。


「そういえば、お祈り……する必要ってあるのか?」


「あるよあるよ!」


「ゔぇっ!?」


 ベッドの横に光の渦が現れ、その中から女神様が出てきた。



「な、なにが……って、女神様ですか」


「な、なによー!なんでそんなにがっかりするのー!」


「いや、なんでも……で、なんでお祈りが必要なんですか?」


 彼女は床に座ると、「んーと」と言って話し始めた。


「まず、私達神族は魔力を使わないのよ……というより、使えないのよ」


「それは、なぜ?」


「だって、考えてみて?『神』が『魔』の力なんて使ったら矛盾もいいところだもの」


 あー、そう言われれば確かにそうだな。


「で、私達が使うのは神力っていう、魔力とは別の力」


 なんとなくわかってきた。


「つまり、神力を使うのに信仰心が必要、と」


「そそ、そういう事!」


「で、女神様はその力で主になにをしているんですか?」


 すると、女神様の背筋がピンと伸び、俺から目を逸らした。


「え、えぇっと……その、お菓子出したり、してます……」


「なーるほど……で、他には?」


「……ゲームの充電、とか……」


「とか?」


「ティッシュ、出したり……」


「たり?」


「ごめんなさい許してください」


 正直に謝ったから、許してやらんこともない。


「で、でもね?みんなを助けられる分の力は常に残ってるから!」


「じゃあ、お祈りいらないじゃないですか」


「いるっ!いるのっ!」


「はぁ〜……」


 流石ポンコツ……


「うう、ポンコツ思うなぁ!」


「……で、何の用事ですか?」


「そうだった、なにもせずに帰るところだった……」


 やっぱりポンコツだった。


「……はい、これ」


 ジト目で見られた後に渡されたのは、箱だった。ただし、真っ白。


「中身を見たらびっくりするよ!」


 なら、開けてみ……びっくり箱じゃないよな?


「大丈夫!おかしなものじゃないから!」


 恐る恐る開けてみると……


「うおおおお!やったー!スマホだー!」


 こうして、俺は約一ヶ月ぶりにスマホを手にしたのだった。

ここまで読んでいただきありがとうございます。

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