47話 藤野 玄人、本当の世界を知っていきます。②
「いだいいだいいだいいだいいだい〜〜!!!ごめんなさい話してねえお願い頭潰れちゃう大丈夫だから私たちもちゃんとサポートするからぁ!お願いいだいやめてぇっ!」
サポートしてくれるようなので、話してやる。
「あだっ!」
またしりもちをついたみたいだ。頭をさすりながら、「うぅ〜」と唸っている女神様。威厳ゼロだなぁ……っと、そういえば。
「最後に一つだけ聞きたいんだけどさ。俺たちがあったばかりの時に、大げさな反応してただろ?あれはなんでなんだ?」
キャルロットやジャックの方を見て聞くと、二人は息を揃えて「ええっとー……」と、目をそらした。
「目をそらすな」
俺がそう言うと、二人は引きつった笑顔を浮かべながらこっちを向いた。
「で、なんであんな反応を?」
「や、やー……それは、その……」
二人が言い淀んでいると、ダークネスウルフが代わりに、と言った風に口を開いた。
「じゃあ、僕から。めがみんから聞いたんだけど、地球の人たちは転生したら自分が強いと思いがちなんだって」
はい、その通りです。よくわかってらっしゃる。
……さらっと流れたのであんまり気にしないが、めがみんとは、女神様のことだろう。
「だったらそう思わせとけば、もし試してることに気づかれなくてもいろいろ都合がいいかなーってこと。なにも知らせず戦争にぶちこいだいいだいいだいいだいいだい!」
「なにも知らせずに戦争にぶちこむってか?」
「そうです言いましたごめんなさい僕が悪いです反省してます離して離して離してぇ!」
反省しているようなので、離してやる。
「はは……満足したか?藤野 玄人」
フェルンが、苦笑いしながら聞いてきた。
「ああ。まあ、大体は」
この言い方だと頭潰そうとしてることについて満足したみたいになるけど、違う。聞きたいことは大体聞けたってことだ。
「ふむ、そうか。なら……」
フェルンが少し険しい表情になった。嫌な予感しかしないので、今すぐここから逃げ出したい。
「魔王や他の国に対抗するために、特訓を始めようか。一週間あることだし」
まじか……
「とはいえ、いきなり始めるのも違うと思うのでな」
そう言うと、フェルンは表情を緩め、狼に変身した。
「幻覚魔法のかかっていない世界を見てみたく無いか?」
確かに、それは見てみたい。
「どうだ?なにか、変化はあったか?」
フェルンに幻覚魔法を解いてもらい、辺りを見渡す。
「いや、特には」
「そうか、良かった。もし何かあったら女神様に殺されてしまうからな」
え、なに?女神様ってそんなに怖いの?ポンコツっぽいのに?
そう思いながら女神様の方を見ると、鬼の形相でこっちを見ていた。笑顔だけど、怖い。
「玄人くーん?頭の中で考えてること、ぜーんぶわかるからねー?」
「すんません」
「あ、なによその適当な謝りかたー!」
女神様が二の腕辺りをポコポコと殴ってくる。全く痛く無い。
ここらでちゃんと謝っとくか。
「ご、ごめんなさいって」
「むー……わかったのなら、よろしい」
「じゃあ、外に出ましょ!」
俺と女神様のやり取りが終わったのを見たキャルロットが、俺の手を引っ張ってくる。
「あ、おう」
「きっとびっくりしちゃうんじゃ無いかしら!私は玄人が何を見ていたかわからないけど、全然違うと思うわ!」
そうなのか、楽しみだ。
廊下を走り、階段を降り、また廊下を走る。そして、再び重そうな扉の前まで来た。
「心の準備はいい?」
キャルロットがそう聞いてくる。
「ああ。もちろん」
本当の世界とはいえ、そこまで高度に発達してるわけじゃ無いだろ、びっくりするなんて無い、と思う……これ、フラグか?
「じゃ、いくわよっ!」
門番が扉を開ける。その先に待っていた光景は。
「……は?」
高層ビルが立ち並ぶ、大都会だった。
はい。フラグ回収ですね。
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