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第四十七章 一歩を踏む者


名は、まだ出さない。


彼は、二十代半ば。


書を学び、

議を聞き、

安政の処断を遠くから見てきた。


最初は、理解していた。


秩序は必要だ。


外は強い。


幕府は揺れている。


強さは、守りだ。


だが、三件目の処断の報で、

胸に引っかかるものが残った。


四件目で、

違和は消えなかった。


五件目で、

それは確信になった。


――止まらない。


彼は、怒ってはいない。


怒りは、すぐに燃え尽きる。


彼の中にあるのは、

方向への疑問だ。


強さが続く。


統一が続く。


だが、

問いは許されない。


問いを持つことが、

整理の対象になる。


それが、

彼の決意を固めた。


止める。


倒す、ではない。


秩序を壊す、でもない。


ただ、

流れを止める。


彼は、夜、雪を踏む。


白は静かだ。


雪は、すべてを覆う。


覆われた下に、

何があるのか。


強さか。

恐れか。

孤独か。


彼は知らない。


だが、

中央で燃える炎が、

遠くから見ると赤すぎる。


赤は、美しい。


だが、

過ぎれば、

眩しい。


眩しさは、

やがて拒絶になる。


彼は、江戸を思う。


遠い。


だが、

遠いからこそ、

歩く。


まだ刃は持たない。


だが、

言葉は固い。


止める。


その言葉は、

彼の内で、

刃に近づいている。

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