第16話 魔法少女の回復力
肋骨の骨折が治った。正直ドン引きしている。まさか本当に3日で治るなんて思わなかった。
「ようやく治ったみたいだね。おめでとう。」
「おめでとうございますマスター。」
「ん。ありがと。...行ってくる。」
「行ってらっしゃい。」
「行ってらっしゃいませ。」
2人?に見送られながら家を出る。今日は土曜日。あの5人組に埋め合わせがしたいと言われた為である。
ガラス張りの綺麗なエレベーターに乗り、ぼーっと景色を見ながら着くのを待つ。
マンションの入口付近で管理人さんに会ったので挨拶をし、外にでる。
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──
「あ!ねむちゃん!!」
「...よう倉野...。」
「おはようございます倉野さん。」
「お、おはよぅ...。」
「おはようねむさん。」
「...ん。おはよう。」
「それじゃあ行こっか!」
そうして6人でのお出かけが始まった。
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「ねむちゃん今日も可愛いね!」
「...そう。」
「うん!皆ねむちゃんの事見てるよ!」
「...そうだな。皆倉野の事見てると思う...。」
「ん。」
いつもより元気がないが顔を赤くしている橘さんを横目に歩いていく。照れちゃって...やっぱり揶揄いがいがあって可愛いな。
「...どうしたの?陽花ちゃん?元気ないよ?」
「え!!い、いや...なんでもない!」
「...?」
「菜々は何か知ってる?」
「ぅえ!?にゃ!何も!!」
「ふーん?怪しいねぇ??」
「ねむちゃんは知ってる?あの日会ったらしいから。」
「...ちょっと揶揄っただけ。ね?ひ・ば・なちゃん?」
「〜〜っ!!!」
「ひ、ばな...ちゃん...!?さ、先を、越された...!!」
「?」
何が先を越されたのかが分からないけど、橘さんの顔がより一層赤くなったから悪戯は成功した。
「まさか陽花ちゃん呼びとはね...。」
「ちょっとキュンってなった...。」
「ね!ねむさん!私達も下で呼んでよ!!」
「......分かった。由利香さん。」
「むー...。ちゃん付けか呼び捨てじゃだめ?」
「......やだ。」
「か〜わ〜い〜い〜〜!!!」
「っ!?やめっ!?んんー!!!」
「「「「!?!?」」」」
5人の中で1番背が高く、私と同じ高さの由利香さんの大きい胸に抱きとめられ、息苦しくなる。
「くっ!!また先を越された...!!」
「ちょ!?由利香ぁぁあ!?!?」
「何してんの!?離れなさいよ!?!?」
「は、はわわ...。」
「むぅー!!!!」
「はぁ...。可愛いわ...。」
──────
───
「「「「「......。」」」」」
「〜♪︎」
どうしてこうなった。
どうして私は...。
どうして...。
「なんでまだ抱きついてんのよ!!」
「由利香、それは流石に...な?」
「可愛いって言うのは同意するけど流石に...。」
「そ、そうだよぅ...ここお店だよぉ...?」
「えぇー?いいじゃん!」
「......。」
私たちは暫く歩き続けた後、昼食の時間になったので手頃な店に入った。
そして、今、6人がけの席で隣に座る由利香さんに抱き締められている。
由利香さんの顔はツヤツヤしてるのに対し、私は抵抗を諦め、無表情になった。だってなんかこの人力強いんだもん...。
「ねむちゃんもなんか言ってよ!?」
「......。」
「ほら良いってさ!ん〜♪︎」
「「「「「......。」」」」」
何が彼女をここまで駆り立てたのだろうか。私には分からない。
「ご、ごめんねねむちゃん...。埋め合わせのはずなのに...。」
「...別にいい。」
「ほら!良いってさ!!」
「そういう事じゃねぇよ!!」
「あたっ!!」
「ったく!どうしたんだよ急に!」
「...いや、なんか1回すると歯止めが効かなくてね...。」
「我慢しろよ!」
「私だって...ねむちゃんに抱きつきたいのに...。」
「「「「「...。」」」」」
「あっ...違っ!違わないけど違うの!!」
「...ほら。」
「「「「「え?」」」」」
「...おいで?」
「ねむ、ちゃん...?...。」
──ギュッ...
「はわっ...。気持ちぃ...。」
抱きつきたいと言っていたから抱きしめてみる。その反応が面白くてつい頭を撫でると蕩けた顔になった。...私はあの由利香さんから離れたかっただけだったなんだけどね...。




