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探偵は喋らない  作者: 犬犬太


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2

翔は下宿をしている古本屋へと戻ると護衛とストーカー探しのための準備を始めた。ほとんど受けた事の無い種類の依頼であるため、不備が無いように記憶を辿りつつ必要な物を用意していく。ところが、気移りのしやすい翔は、何かを用意しようと立ち上がるも違う物にすぐに気が行ってしまう。それはそれで準備に関係のある物だったりするので、一概に悪いとも言えないのだが。そんなこんなで、用意された物たちは車やリュックサックに詰め込まれ、明日に備えられた。オレ、うさぎも、忘れないようにリュックサックの上へと置かれた。



朝、桔梗さんが大学へ出掛ける予定の時間に間に合う様に準備をし、部屋の窓から車を眺める。これからしばらくはこの車を桔梗さんのマンションのすぐ側のコインパーキングに置いて、そこをメインの拠点とすることになる。俺はふっ、と息を吐き、気合を入れると大家さん特製のお弁当を片手に車へと向かう。

これから、俺とストーカーの静かな戦いが始まるのだ。


予定していた時間より少し早くコインパーキングへ到着した。桔梗さんの出発までまだ時間がある。その間、彼女のストーカーがどこかにいないかと、双眼鏡などを使い辺りをチェックする。とりあえずここから今は見当らない。そうこうしているうちに彼女が部屋から出てくるのが見える。俺は護衛のため、車を降りて少し離れた場所から彼女の後を付いていく。それこそ、ストーカーの様に後を付けていくのだ。警察に見つかれば職務質問待った無しである。そして、ストーカーにも見付かってはいけない。見付かってしまえばストーカーがどう出てくるか、何が起こるか分からないからだ。

駅までの道を歩いていると、彼女が急に俺の方に振り返った。もしかして、ストーカーが近くにいるのだろうか。俺はあらかじめ聞いていた彼女のアドレスにメッセージを送る。

-近くにストーカーはいますか?-

するとすぐに彼女からストーカーらしき人間は見当らないとの返事が返ってきて、俺はほっとする。しかし、それなら彼女はなぜ振り向いたのだろうか。俺は振り向いた訳を問うメッセージを送り返す。すると、またすぐにメッセージは返ってくる。

-あなたが守ってくれているのを確認しました-

念の為、この間とは少し違う女装をして護衛をしてはいるが、なるべくならストーカーに俺の存在を気付かせたく無い。だから彼女にもあまり俺を気にして欲しくは無い。と言うか、気にされると困ってしまう。

-俺のことは気にしないで、なるべく普段通りにしてください-

俺はそう返信すると携帯電話をポケットへと仕舞い込んだ。

駅に着くと、彼女は迷い無く目当てのホームへと歩いて行く。俺は彼女を見失わないように人混みをかき分けて歩いて行く。こういう時、身長が高い人は羨ましいとつくづく思う。彼女の後を付けながら、彼女の周囲へも注意を払う。こういう人混みでストーカーからの接触に会ってしまうと俺も対応までにタイムラグが出来てしまう。つかず離れずで彼女の後を追いかけ何とかホームへ辿り着く。彼女はすんなりと女性専用車両に乗り込む。それを確認して俺はなるべく彼女の姿を確認出来る場所へポジションを取りながら、隣の車両へと乗り込んだ。

目的の駅に到着すると、多くの人達が下車をする。若者が多い事から、普通に考えて大半の目的地は桔梗さんと同じく大学のキャンパスだろう。降りた駅から目的地までの道は徒歩で十分ほど。周りが学生ばかりと言えど、誰がストーカーか分からない限り彼女から目を決して離すことは出来ない。

駅から出ると、彼女は駅のすぐ側にあるコンビニに入っていく。俺は少し離れた場所で、携帯を確認する振りをしながらコンビニの中を見張る。彼女がそこでいくつかの買い物をしていると、一人の女性が接近して来たので、俺は何があってもすぐに行動に移せるよう、様子を窺いながらコンビニの側へと移動した。怪しくない程度に、店内の彼女に近づいた女性を目で追いかける。お互いに親しげな様子で話しながら店内を回っている事から、友人、もしくは知人、どちらにせよ桔梗さんが警戒していないのだからある程度大丈夫だろうと、とりあえず彼女に関わる人間関係を把握するために携帯電話で知人女性の写真を一枚だけこっそりと写した。

コンビニから二人揃って出てくると、大学の方へと並んで歩いて行く。その後ろ姿に、こっそりと安堵の溜息を吐く。とりあえず友人が側にいる方が、彼女一人の単独行動よりはストーカーの魔の手も及びにくいだろう。

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