王の間
前回のお話:なんとか敵地へ潜入することに成功した山門たち。ロボットの目をかいくぐり、敵の本丸の城までたどり着いた。だが、ロボットがびっしり警備しており内部に侵入することが難しい。そんなとき、今まで機能を停止していたロボット”アイズ”が動き出し、抜け道を教えてくれるという。山門たちは、抜け道がある場所まで移動することにした。
抜け道は、暗くジメジメしていた。
フロースの火炎魔法を使い、松明を作って抜け道を進んでいた。
元々、地下を利用したアトラクションになっていたようで、そのコースの一部から掘り進めている形跡がある。
「すこし雑ではあるが、きちんとトンネルになってる...」
「ホントね、ところどころ補強がしてあって...崩れないようになっているわ」
「おい!クソロボット!ホントにトンネルを作った人物については知らないんだろうな!」
「ホントウニ シラナイ」
「アト クチノキキカタニハ キヲツケルンダナ サル」
「なんだと!?今ここで鉄くずにしてやってもいいんだぜ」
「おちつけ蓮!!ここでこいつを壊したら、計画が台無しだ!」
「ッチ!!」
1時間ぐらい経っただろうか、少し光がさす場所に着いた。
「コノウエガ シロノナイブニ ツナガッテイル」
「城の内部のどの辺に繋がってるんだ?」
「サァ」
「アバウトだなぁ...」
光がさす場所から、のぞいてみると、少し開けた場所になっていた。
ただ、どこかは分からない。
「...俺が見てくる...」
「蓮!?大丈夫か?敵地のど真ん中だぞ?」
「こういう隠密な行動には慣れてる。ダメそうなら直ぐに帰ってくるよ。」
「...分かった。無茶はするなよ!!」
そういうと、蓮は光がさす隙間から抜けて出て行った。
「おいアイズ、お前なにを考えてるんだ?」
「ナニガダ?」
「何故急に喋り出した?何をたくらんでいる?」
「ソレハ コタエラレナイ ガ オレハ キサマラニ チェンスヲ アタエテイルノダ」
「はぁ?どういうことだ?」
「イマニワカル」
「ホントよくわからないヤツね!」
「じゃぁ、別の質問だ、城内の偵察兵はどのぐらいいるんだ」
「ジョウナイニハ ソコマデ ロボットハ タイキシテイナイ」
「ユダサマハ ジョウナイニ アマリ ロボットヲ イレタガラナイノダ」
「本当!?それで、襲撃にあったらどうするの?」
「キサマラ チキュウジンノ サルニ ヤラレルヨウナ オカタデハナイ」
「相当腕に自信があるようだな...」
そうやって話しているうちに蓮が偵察から帰ってきた。
「蓮!どうだった?」
「あぁ、ここを抜けた所には敵兵はいなかったぜ。出たところは食材の貯蔵庫みたいだ、
そこから、キッチンへ抜けれるが、そこには給仕ロボットのような、みたことないヤツが数体いた。」
「ユダサマヲ オセワスル ロボットダ」
「セントウ ヨウデハ ナイ」
「そうか、アイズが言っている通り警備はそこまで厳しくはなさそうだな。
アイズ、そのユダは何処にいるんだ?」
「ユダサマハ サイジョウカイノ オウノマニ イル」
「王の間?」
「ワレワレハ ソウヨンデイル」
「とりあえず、最上階だな!」
そう言って、俺たちは隙間から城内へ侵入した。
食材の貯蔵庫には、沢山の食材が置いてあった。
恐らく、各地から食材を持ってきてここへ保管しているんだろう。
キッチンをのぞいてみると、確かに給仕用のロボットが3体ぐらいいて、料理を作っていた。
「どうする...?」
「下がって...私たちに任せて!!」
そういうと、蓮、真琴、大吾の三人が電子銃を構えてロボットに発砲した。
ロボットは着弾し、マヒしているように見えた。
「これは...」
「電子銃には、以前の銃にも利用してたショートさせる機能をつけてる。
早く、コアを抜き取るぞ!」
そういって、手早くロボットのコアをぬきとった。
「それにしても、美味しそうな料理ね!1体くらい残しといて、私たちに作ってくれるように改造できないの!?」
「分かるけども!そういう話は勝ってからにしようぜ...」
「はぁーい...」
「城内ってこうなってたんだな...」
「私も知らなかったけど、最上階にはVIPが泊まれる用のスウィートルームが付いているってウワサよ」
「そうなのか!?ユダはそこにいる可能性がたかいな...」
そんな会話をしながら、
俺たちは、ロボットを倒しながら何とか最上階に繋がる扉の前までたどり着いた。
「ここの先が、お前らのボスのいる場所なんだな?」
「アア ソウダ」
「よし!!はいるぞ!!」
扉を開けたその先に...ユダはいなかった。
周りを見てみるとよくわからない機械が沢山設置してあった。
何かを映し出しているモニター
よくわからない管が沢山ついてある機械
この地球が映し出されているホログラムもあった。
「あぁ!!!」
「どうした!?真琴!?」
「これ!!これを見て!!」
真琴の目線の先には、モニターがあった。
そのモニターには、何かしらの装置に入れられている人間の姿が映っていた。
人間たちは意識がない...
その装置がいくつも設置してあった。
「こ.....これは.....」
「おそらく拉致した人間たちだ..これをみていると、今のところは無事のようだな...」
「どこだ!?この場所はどこにある!!!」
「蓮!!落ち着いて!!」
「おい!!クソロボット!!この場所は何処にあるんだ!?」
「ソノ シツモンニハ コタエラレナイ」
「てめぇえええええ!!!」
飛びかかろうとする蓮を俺たちは必死に抑えた。
「妹が!!!妹がそこにいるんだ!!!さっさとおしえろぉおお!!!」
「サァ ソンナ ユウチョウニ シテイル ヨユウハアルカナ」
「な!? どういうことだ!?」
「ソレハ....」
ドガァアアアン!!
いきなり扉が爆発した。
煙がたつ部屋..
白い煙がはれてきたそこには、宇宙人・ユダの姿があった。
「おまえらぁ...ここまでくるとはなぁ...」
「お...おまえがユダ!?」
「ユダサマ!!」
アイズは飛び出してユダのもとへすり寄っていった。
「ユダサマ ワタシガ コノサルタチヲ ココニ ヨビマシタ」
「アノ ケイカクヲ ジャマサレナイタメニ ワタシガ ヤリマシタ」
「コノ サルタチハ フクロノ ネズミデス」
「あぁ....AS-1S...やるじゃねぇか」
「アリガトウゴザイマス!!」
グシャ!!
その瞬間、ユダが発した異能の力でアイズはぺしゃんこになった。
「余計なまねを....すんじゃねぇ....機械風情がよぉ...」
な...何て野郎だ...
この男に、”情”というものはないらしい...
「さぁ...”死ぬ”覚悟はできたかぁ...」
ユダが発する威嚇は、魔王のそれを越えていた。
俺たちの運命の戦いが始まろうとしていた。
雨が凄いですね。本業の仕事で日本中を飛び回っていますが、どこもかしこも雨です。皆さんも災害などには注意して下さい。
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