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ヘッドコーチ  作者: 神楽
琉球シーサーズ編
22/28

助け人

夜、宿舎に戻ったロメロは柚垣を屋上に誘った。



「サイキン、ニホンゴ、ウマクナッタ、ダロ?」


「そうだな、ロメロは頑張ったよ……」




「キョウ、ドウシタ?メズラシク、アツクナッテ」




「……勝ちたかったんだよ。どうしても……」


「ソウカ、ボクモ、カチタカッタ」






「大月監督が来てから、シーサーズは変わったよ。今はすごく楽しいんだ」


「タノシイ?」


「高いレベルでバスケ出来てることが、すごい楽しい……」


「サンネンマエトハ、チガウ」


「あぁ、あの頃は、まだまだ子供だったな、おれ……」




「カコハ、イラナイ……」



「ミライダケ、ミレバイインダヨ……」







「モウ、ハナスコト、ナイヤ!」


「おいおい、まだ3分くらいしか話してないぞ。誘ったのはロメロだろ」


「ワカッテル……」


「分ってる?」




「ユズ、モウ、ワカッテル……」





「あぁ、なんとなくな……」






「マタ、アシタ。グッバイ!」


「おう、じゃな!」


ロメロは屋上を去って行った。

10分くらい、沖縄の星空を見つめた柚垣も屋上を去った。









ロメロと同様に外久保は閨を宿舎の近くのベンチに呼び出した。


「竜太郎、今日、1人で随分と暴れてくれたな」


「違いますよ。あれは本当にわざとじゃないんですよ……」


「わかってるよ、昔から竜太郎を知ってるんだ。お前がどんな奴かはだいたいわかってる」






「すいません……」



「謝るな……」





「お前を責めるつもりはないからな……」




「あんな大勢の客の中、あんなに凄い緊張感の中、冷静になれなんて方が無理だよ」


「でも、一輝さんは余裕な感じに見えましたけど!」





「心臓はドキドキ、手は汗だらけ、逃げ出したいくらいだったよ」


「本当ですか!」


「うん。昔のオレもお前とは少し系統は違うけど、自分の力が出し切れずにいたよ」


「系統って?」


「お前は目立ちたがり屋。オレはプレッシャーにめっぽう弱かったんだよ」






「オレを助けてくれたのは大月監督だ」


「大月監督ですか?なんの変哲もない人ですけどね……」





「あの人は人の心がわかる……」


「心ですか?」


「なんだかわかんないけど、今は大月監督への感謝の気持ちでいっぱいだよ……」






「今はまだわからないかもしれないけど、シーサーズで大月監督の下でやれたことが、今後のバスケ人生で大きな宝になると思うよ」


「そうですかね……」








「柚さんに謝れ」

「だから、それはわざとやったわけじゃないし……」

「なんて言わないよ」



「からかわないでくださいよ!」






「謝れなんて言わないけどさ、明日はもう少し、オレを見ろよ」


「一輝さんを?」


「お前のことはオレがよく知ってる。もっとオレに頼れよ!」







「オレはお前の先輩なんだからな!」


「……、はい!」




「じゃ、今日は寝るわ。おやすみ」


「お疲れ様です!」



そう言うと外久保は帰った。

閨は夜空の星を眺め、少しすると部屋に帰った。


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