06 某月某日 倉田さんの口の中に白濁液をぶちまける
今はバスに揺られていた。
クラス合宿で、林間学校に向かっているところだ。
ところで、林間の部分で男子の劣情を煽っていると思います。
同音異義語!
まぁ、十代の男子高校生なんて辞典で興奮できるぐらいには劣情をもてあましているわけですよ。
特定の単語にマーカーをつけるようなことをしているわけですよ。
電子辞書の場合も履歴を知られるわけにはいかないことになっているのですよ。
さて、僕は倉田さんに舐められていた。
そう、舐められていた。
拙い舌使いが、右から左へとぐるぐる円を描くように動き、時々歯が甘く当たる。
溶けるように漏れ出した汁を舌が舐め取っていき、倉田さんは美味しそうに飲み干していく。
唾液が先走った汁に混ざっていく。
舌が躊躇無く僕の先端で汁を混ぜていく。
あ、ああ。
そんなに舐められたらで、出ちゃう、出ちゃうよ。
倉田さんの僕を握る手も強くなる。
あー。
あ。
あぁ。
ふぅ。
出ちゃった。
白濁液が、倉田さんの口の中に充満していく。
それを美味しそうに飲み干していく。
もうね、たまらないね。
と思っていたら。
「有樹、私にも頂戴」
「いいよ」
と今度は北野さんが僕を舐め始めた。
その舌使いは恐ろしいほどにいやらしく、汁という汁を根こそぎ奪っていくかのようだ。
っていうか、北野さん目は血走っている。
なんとなく息も荒い。
己、変態女め、こんな間接キスで欲情しているな!?
あぁ、でも、荒々しい舌使いは恐ろしく気持ちよく、汁がどんどん溢れていく。
体温が、汁が、舌が、ヌメリと感じられていき、溢れることを止められない。
で、出る!?
僕は再び口の中に溢れんばかりに出した。
北野さんもおいしそうにいやらしくごっくんしていく。
うう、倉田さんに吸われたいのに、邪魔をしおって。
でも、気持ちよかった……はっ!?
何か気配、いや、視線を感じた。
視線の元は、佐々木君か!?
佐々木君は恨めしそうに北野さんを見つめていて、どういうわけか北野さんは勝ち誇ったような顔を佐々木君に見せる。
これは、もしかして、佐々木君の恋心を北野さんは察しているのだろうか。
いや、しかしだ。
お前ら二人とも女じゃないか。
佐々木君に関しては、どういう理由か不明だが男装して男子を装っているが、女だ。
少数性愛者の差別をなくしていこうという流れであるけれど、倉田さんがノーマルなら敵わない訳なんだけど。
いや、うん、きっと、ノーマルだと思う。
が、さて、さらに強い視線を感じた。
いや、これは、殺意!?
背が薄ら寒く感じつつも、そこを見ると三橋楓さんがとてつもなく不機嫌な顔で……あー、本体の顔面にアイアンクローをかけていた。
ちょっと、ほ、本体が!?
や、やめて、本体が死んだら、生き霊から浮遊霊にクラスチェンジしちゃうから!
僕は慌てて、チューペットの中から幽体離脱し、本体へと戻る。
あ、今までチューペットの容器に憑依してました。
「おおおお」
戻ったとたんに、顔面に激痛が!
「わ、われる。われちゃうから!」
と、アイアンクローを解除して貰う。
「己は何をしとるんじゃい」
最近になって転校してきた三橋楓さんが、ぶち切れ気味でした。
「いや、つい、暇で」
「悪霊より質が悪いと思わないのか?」
「あ、はい、すみません」
ぐ、まさか転校してくるとは。
三橋さんが転校してきてから、僕の憑依ライフは危機に瀕していた。
こうして憑依する度に、三橋さんが無防備な本体を攻撃してくるのだ。
別に、いいじゃないかと思うのだけど、どうしてこうも妨害してくるのだろうか。
は、まさか!?
そんな、そんなそぶりは無かったけど。
もしかしたら。
「三橋さん」
「何?」
「三橋さんも実は倉田さんのことが、ごふっ!」
腹部に重いストレートが入った。
痛いとかそんなんじゃ無い、思わず幽体離脱してしまうようなほどの。
「出てるわよ」
本当に口から幽体が出ていた。
なるほど、これが臨死体験。
さよなら、皆、楽しかったよ。
ふわふわと幽体が流れていき、幽体の頭を捕まれてそのまま口に押し込められた。
「さらっと、また憑依しに行っているんじゃない」
「ばれてた……」
僕は腹部を押さえながら、呟く。
「というか、何故殴ったのでしょうか?」
「知らないわよ」
知らないのに殴ったの?
なにそれ、怖い。
三橋さんはなにやら、なんでこんなヤツにとぶつぶつ言っている。
うーむ、ノーマルなのかな?
未だに重い一撃の感触が残る腹部を押さえていると、バスはトンネルに入った。
やっぱり、トンネルに入ると暗いな。
やや長いトンネルを抜ければ目的地の宿までもうすぐらしいけど。
だが、このとき僕は、トンネルを抜けた先が剣と魔法の異世界であり、クラスメイト総勢三十人が一人一人が女神の祝福で特殊能力を使えるようになっていて、王様からどうか魔王を倒して欲しいと懇願されて旅立つことになり、途中の村でモンスターの夜襲を受けるも、クラスメイトの大門君の未来予知によって対策を打つことが出来て難を逃れ、さらに進んだ先に泉の女神がモンスターに拘束されているのも、大門君の時間停止の能力で奇襲を撃つことができて、僕たちは泉の女神の祝福を受けた武器を受け取ることになって、四天王の砦に向かい大群が押し寄せてくるも、大門君の忍術をつかった分身の術と高速移動の能力で包囲殲滅戦によって壊滅され、大門君の真名支配する能力で四天王から情報を引き出した挙げ句に、大門君の炎操作によるプラズマアタックで魂ごと焼却され、次に向かった世界最大の都市では、大門君の運命操作スキルによってカジノで大金を得ることに成功し、そのお金を元手に大門君の調理スキルによって数々の料理を編み出して世界に浸透させて、食の神とあがめられるほどになり、さらに大門君の錬金術と鍛冶能力で現代兵器を作り出して、さらに大門君の祝福の能力によって、現代兵器はさらに魔族キラーに進化し泉の女神から受け取った武器が産廃と化し、次なる目標はとある島であることが、大門君の情報収集スキルで判明し、船をどうするかと思っていたら、大門君が造船能力で戦艦大和を作りだし、さらに大門君の石油発掘と石油精製によって燃料を手に入れ、大門君の操縦能力によって戦艦で島に向かい、第二の四天王を大門君の超絶破断激によりげきはにせいこうする、さらに第三の魔王は空中要塞にいることがわかったため、大門君は兵器製造スキルによってA10を作り上げ、ドラゴンの大群を機関銃とミサイルで次から次に撃破していき、大門君の重力操作能力によって空中要塞をまるごと海に沈めることに成功し、最後の四天王が魔王とともにいることを調べて、溶岩の中にある魔王城に向かい、大門君の転移能力によって海の水を転移させて溶岩を冷やして魔王状に潜入を果たし、大門君の探査スキルによって隠し通路発見し、最後の四天王をスルーして魔王と対峙するも魔王は真っ黒なオーラに覆われ一切の攻撃が通じない、だがここでまさかの大門君の幽体離脱スキルと憑依スキルによって魔王にとりつき、究極破壊魔法を自らに撃たせることによって自爆による撃破に成功したのもつかの間、スルーされていた最後の四天王が実は大魔王であることが発覚、あわてて撃破しに行くも、そこには四天王と魔王の魂を吸収し、よりパワーアップした最後の四天王が待ち受けていて、最初に撃破しておかないといけないタイプの敵だと言うことが今更になって判明し衝撃をうけたが、大門君の時間操作能力によって四天王はパワーアップ前にまで巻き戻されて、最後には大門君のラーニングスキルによって習得した秘孔乱突きによって、内部から吹き飛んだ、これで無事に元の世界に戻れると思い、王様に報告をして祝勝会を開かれるも眠り薬が混入していてクラスメイト全員が牢屋に入れられる、実は王様が全ての元凶であり、魔王を倒した後となっては用済みの僕たちを始末するつもりであることが判明、大門君の記憶操作スキルによって兵士達を騙し脱獄に成功し、王様に問いただすために謁見室に向かうと、そこには王妃に心臓を差された王様が倒れており、王妃が復讐のために王妃になっていたことが判明し、さらに王妃の正体が女神であることまで判明するも、人間に害を与えた罪で女神は神の資格を失ってしまう、だが、僕たちは元女神を三十一人目のクラスメイトとして迎え入れることになって、無事に地球に戻ると時間が転移した直後のまま僕たちはクラス合宿を楽しむなんて知るよしも無かったのだった。