第20話 初めての休日練習
さて、初めての休日練習です。私たちは学校指定のジャージに着替え、屋上に出てきました。
屋上といっても、建物の一番上にある様なものではなくて。校舎の二階に出られる場所があるのです。
少し汚いですけど、昨日ササッと掃除したから大丈夫。それに、毎日掃除していたら綺麗になりますよね。
とりあえず私たちは二人一組になり、柔軟や腹筋などの基礎練習を始めました。学年を混ぜた方がいいのではないかという瑠奈ちゃんの提案により、私は悠里ちゃんと組みました。
他の組は
・瑠奈ちゃんと花蓮ちゃん
・颯姫ちゃんとチセちゃん
・実莉ちゃんと真奈ちゃん
という感じ。あみだくじで決めたにしては綺麗に分かれました。
柔軟などを終えたあとは、校庭を使って走り込み。これ、なかなか大変で……終わったあとには、私と実莉ちゃん、チセちゃんと真奈ちゃん、花蓮ちゃんの五人は座り込んでしまいました。
「体力おばけの瑠奈と水泳やってる颯姫はともかく、悠里ちゃんはすごいわね。なにかスポーツでもやってた?」
疲れきった顔でそう問う実莉ちゃんに対し、悠里ちゃんは首を横に振って答えました。
「えと、悠里、中学は吹奏楽部だったから、走り込みとか、体力作りとかはやり慣れてて……」
なるほど……体力面に自信があるのはいいことですね。歌いながら踊る体力だって、今から培うのと、もとから持っているのでは大きく違いますからね。
「そういえばさー、今日体験入部してくれる殊乃ちゃんは陸部なんだよね?そしたら体力面は心配ないよね!」
瑠奈ちゃんが元気に言います。実莉ちゃんの言う『体力おばけ』もなんだかわかるなぁ……なんて。
それは置いておいて。
「そうですよ。殊乃さんは陸部のエースですから。中学時代から陸部のエースでしたよ」
とチセちゃん。あれ……?
「チセちゃん、殊乃ちゃんと同じ中学だったの?」
私が聞くと、「あ、はい、そうです」とチセちゃん。そうだったんですね、詳しいわけです。
「いやー、それにしても楽しみだね。そのまま入ってくれたらいいんだけど」
颯姫ちゃんの言葉に、「そうだね」と花蓮ちゃん。まあ、それは本人が決めることですから、今ここで話していてもどうにもならないんですけどね。
「よっし、次の練習行くよ!休憩してる暇はないぞ〜!!」
瑠奈ちゃんの言葉で、私たちはまた練習を再開しました。
練習と休憩を繰り返すこと四時間。お昼ご飯にしようということで、私たちは瑠奈ちゃんのクラスの教室でお弁当を広げていました。
「いやー、疲れたね〜」
「そうだね……あ、そうだ!今の間に決めておきたいことがあるんだけど、いい?」
颯姫ちゃんが気の抜けた声を出すと、瑠奈ちゃんが元気よく言いました。
「決めておきたいこと?」
花蓮ちゃんが食べる手を止めて言うと、瑠奈ちゃんは「そう!」と話しだしました。
「役割分担と、メンバーカラー、チーム名!」
役割分担……は作詞作曲などの担当を決めることでしょうか。私、特に何もできることがない気がします……
「でね!作詞は私がやろうと思ってて、作曲は悠里ちゃんにしてもらいたいと思ってるんだ。もちろん、他の人もやっていいんだけどね。あ、悠里ちゃん、いい?」
そっか、悠里ちゃんは音楽経験者。作曲にはうってつけです。作詞は瑠奈ちゃんがやるんですね。
「いい、ですけど……瑠奈さんは何か作詞にまつわる活動をされていたのですか?」
「瑠奈はね、中学時代文芸部に所属していたの。あと、ネットでケータイ小説を書いていたりもしたわ」
悠里ちゃんの問いに実莉ちゃんが応えると。
「その話はダメー!!!」
瑠奈ちゃんが大きく手を振り、実莉ちゃんの話を止めたのでした。
人見知りの悠里ちゃんや花蓮ちゃんも馴染めてきて、あまり団体行動が好きでないチセちゃんも楽しそうにしている。このグループはいい仲間が揃っているんだな、と私は一人笑顔になりました。




