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獄門ループ ―家族が消えた日―  作者: P


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39/75

悪夢

「郁美。

あなた、二日前の夜に

怖い夢を見たって言ってたわよね」


桜が、

静かに切り出す。


「確か……

恐ろしい門に向かって、

ひとりで歩いていく夢だったって」


「本当か!?」


「……うん」


短い肯定のあと、

場に沈黙が落ちた。


「偶然にしては、

出来すぎてるわね……」


桜が、

ぽつりと呟く。


郁美は、

不安を隠しきれない表情で、

桜を見上げた。


「爺さんの話だと、

その夢を見るのは

獄門に行く四日前らしい」


俺は、

言葉を選びながら続ける。


「つまり……

あと二日後に、

何かが起こる可能性がある」


「え……

どうしよう、

桜ちゃん……」


郁美は、

不安そうな顔で、

桜の制服の裾を

ちょこんとつまんだ。


「大丈夫よ」


桜は、

迷いなく、

その手を握り返す。


「私がついてるから」


そのやり取りを見て、

俺は思い切って、

口を開いた。


「あのさ……

よければ、

俺たちに

お前らを守らせてくれないか?」


「水泳で鍛えてるから、

力には自信あるし、

もし郁美ちゃんが

正気を失って

獄門に行こうとしても、

止められると思うんだ」


「なに?

キザ也。」


「達也だ!」


「ふぅ……」


桜は、

小さく息を吐いてから、

少しだけ表情を緩めた。


「でも、

悪い提案じゃないわね。


私ひとりじゃ、

いざって時に

不安だもの」


「ちゃんと、

私の手となり足となり、

働きなさい。

あほ也」


「達也な」


俺は即座に突っ込みつつ、


「でも、

いつ獄門に導かれるか

わからない。


何か異変があったら、

すぐ連絡してくれ!」


「それなら、

グループLime

作った方がよさそうね」


桜が、

郁美に視線を向ける。


「郁美、

このエロ也に

Lime教えてもいい?」


郁美は、

少しだけ笑って、

こくんと頷いた。


その場で作られたグループには、

俺、

和政、

桜、

郁美の四人。


俺が和政に

事情を説明すると、

快く了承してくれた。

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