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獄門ループ ―家族が消えた日―  作者: ダダ太郎


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これからのこと

祖母と共に帰宅すると、

家の中は相変わらず静まり返っていた。


それとなくリビングのテーブルを挟んで、

祖母と向かい合って座った。


「……これからのこと、ちゃんと話しておきましょう」


祖母はそう切り出し、

落ち着いた声で現実的な話を始めた。


家の名義、公共料金、保険、

そして――お金のこと。


けれど祖母は、手帳を取り出し、

淡々と説明した。


「あなたのお父さんとお母さん、

きちんと貯金はしてる。


しばらくの間は、

そのお金で十分やりくりできるわ」


俺は思わず息を吐いた。


「だから、金銭面のことは今は心配しなくていい。


学校も、この家も、

無理に変える必要はないわ。


お父さんもお母さんも、

まだ帰ってこないと決まったわけではないからね….」


祖母はそう言って、

俺の目をまっすぐ見た。


俺は静かに目線を落とす。


両親の真相を知っているのに、

黙っていないといけないのが苦しかった。


「ここには、そのまま住みなさい。


急に環境を変える方が、

心にもよくないから」


「……ありがとう、ばあちゃん」


そう言うと、祖母は小さく微笑んだ。


「今はね、踏ん張らなくていいの。


できることを、

できる順番でやればいいのよ」


静かなリビングに、

時計の針の音だけが響いていた。


「私も、週に1回は顔を出すようにするわ」


そう言われて、

俺は小さく頷いた。

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