表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
獄門ループ ―家族が消えた日―  作者: ダダ太郎


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

127/136

祖母

「今、ご親族の方に連絡を取らせていただいています」


年に一度、顔を合わせるかどうか。

正直、距離はあった。


それでも、今の俺にとって頼れる大人は、

祖母しかいなかった。


しばらくして、扉がノックされる。


「達也くん、祖母の方が到着されました」


廊下に出ると、そこに祖母が立っていた。


小柄で、背中が少し丸くなっている。

それでも目だけは、昔と変わらず強かった。


「……大変だったね」


その一言で、

胸の奥に溜まっていたものが一気に崩れそうになった。


祖母はすぐに警官と話を始め、

必要な手続きを一つひとつ確認していく。


行方不明届の正式な提出、

今後の捜索の流れ、

家の管理のこと、

学校への連絡。


俺はただ横で聞いているだけだった。


理解はしているはずなのに、

どこか他人事のようだった。


やがて、事情聴取は一通り終わった。


「今日は一度、ご家族の方と帰宅してください」

「今後、進展があり次第、こちらから連絡します」


その言葉が、妙に現実的で、重かった。


署の外に出ると、

空はもう完全に昼の色になっていた。


祖母は俺の肩に手を置き、静かに言った。


「しばらくは、私がそばにいるからね」


その時、少し遅れて、

郁美が警官に付き添われて出てきた。


視線が合う。


郁美は何も言わず、

ただ小さく、にこりと笑顔を見せた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ