表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
獄門ループ ―家族が消えた日―  作者: ダダ太郎


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

117/121

暴力?

「え……?」


受話器の向こうから、

桜の息を呑む気配が伝わってきた。


「おい! 何言ってんだよ!」


俺は慌てて、

携帯を取り返そうと手を伸ばす。


だが郁美は、

それを見越していたかのように身を翻し、


「キャー!」


甲高い笑い声を上げて、

リビングの奥へ逃げていく。


子どもみたいな動き。


けれど、その笑顔には――

冗談では済まされない、

粘ついた執着が張り付いているようだった。


胸の奥が、

嫌な音を立てて軋んだ。


「おい、待てって!」


郁美を追ってリビングに駆け込むと、

彼女はいつの間にかソファに腰を落とし、

携帯を胸元で抱え込んでいた。


まるで大事な宝物でも守るかのように。


「……返してほしい?」


わざとらしく小首をかしげ、

試すような目でこちらを見る。


「当たり前だろ。返せよ!」


声を荒げる俺に、

郁美はくすりと笑った。


「じゃあさ――

もう一回、ここでキスしてくれたら

返してあげる」


「何言ってんだよ。

ふざけるな、返せ!」


俺は苛立ちのまま、

彼女の手に伸ばす。


携帯を掴もうとした、

その瞬間――


「きゃああああああっ!!」


耳をつんざくような悲鳴が、

リビングに響き渡った。


あまりの大声に、

俺は思わず手を止めてしまう。


郁美は震えるふりをして、

潤んだ目で俺を見上げた。


「……達也くんも……

義父みたいに、暴力ふるうの?」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ