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獄門ループ ―家族が消えた日―  作者: ダダ太郎


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107/125

義父の問題

「……そうだね」


和政も腕を組み、

眉をひそめたまま頷く。


「今は、とりあえず

様子を見るしかなさそうだ」


それから、

和政の表情は

ゆっくりと曇っていった。


「……それよりさ。

郁美ちゃんの義父の問題も、

ある……よね」


その一言で、

場の空気が一段重くなる。


「俺たちが出られるってことは……

あいつも、外に出られるってことだもんな……」


誰も、

それ以上踏み込もうとはしなかった。


達也の父について、

あえて口に出さなくても――

あの状況から想像できる結末は、

全員が同じものを

思い描いていたからだ。


「うん……

あの様子だと、

出てきたらまた何をするか

わからないよね……」


「ああ……」


短く返事をしたあと、

沈黙が落ちる。


その沈黙を破ったのは、

桜だった。


「でも……

外の世界なら、

証拠も残るし。

警察だっているわ」


感情を抑えた、

冷静な声。


「だから、

そんなに下手なことは……

出来ないんじゃないかしら」


「……そうだな」


達也は頷きつつも、

すぐに言葉を続けた。


「でも、

用心はしたほうがいい。

家の外では、

絶対に一人で

行動しないようにしよう」


一瞬、言葉を選び――


「特に桜。

お前は女なんだから、

本当に気をつけてくれ」


少し強い口調になったのは、

それだけ本気だったからだ。


「……うん。

わかったわ」


桜は小さく頷いた。


その仕草が、

妙に頼りなく見えて、


達也は胸の奥に、

言いようのない不安を抱えたまま、

拳を握りしめた。

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