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まずは、エリンとセバスとマーサにご披露。

受けた。大変受けた。

水飴も好評だったし、型抜きも楽しんでもらったし、干し肉は絶賛だった。

そして紙芝居。6話完結を繰り返した。つ、疲れた。でも喜んでもらって良かった。


休みの日、寄付金も持って、孤児院に行ってみる。

孤児院の院長先生にまず寄付金を渡して、紙芝居を実演したい。そしてできれば、紙芝居は今後孤児院の孤児たちにやってもらって、集めたお金は全部孤児院の売り上げにしても良いとお話してみた。


院長先生は紙芝居とは何かよくがわからないけど、とりあえず実演を許可してくださった。

孤児には最初胡散臭い目で遠巻きにされたけど、例のマジックバッグの寄付者であると先生が話をしてくださり、あれでご飯がましになったと皆から喜ばれた。つかみはOK。


そして実演。

興奮のるつぼと化した。

大絶賛。

「もっかいみたい。もっかい。」

「みずあめ、もっとほしい。」

「かたぬきも、もっとやりたい。」

「干し肉もっとくれ!」

「かみしばい、おもちろい。また、みたい。」

「くらうど しゅごい。」

みんなに取り囲まれて続きをせがまれた。

で、6話全部頑張ってみた。1話は10分ぐらい。ちゃんとどの話も1話で話がわかるようには作っているが6話で完結するようにしている。受けて良かった。

水飴のお替りは許可した。配るのは年長組の子に頼んだ。

干し肉も山ほど積んでみた。お腹が痛くなるまで食べるがよい。


興奮がおさまってきたので、年長組の子らに聞いてみた。

これを孤児院の前で街の人相手にやってみないかと。


紙芝居の方法は、拍子木で人を集めて、水飴1本を10リル(日本円で約100円)で売る。

水飴買わずに見ても良い。その代わり、水飴買った人は終わってから抽選会に参加できる。

抽選箱に食べ終わった割りばしを入れたら当たりが出たら箱が光る。

光った人は干し肉が3個もらえる。また、型抜きは1個1リルで、綺麗に抜けたら干し肉が1個もらえる。


水飴も干し肉もわたしが準備するから、孤児がするのは、紙芝居を芝居気たっぷりに読むことと、水飴や型抜きを売ること、抽選会をすること当たった人に干し肉を配ることだと説明。

お金は全部孤児院のものだと話すと目が輝いてきている。

回収した割りばしはそれ専用のマジックバッグに入れてね。


院長先生も紙芝居ってこんなに驚きの連続なものだったんですね。と絶賛してくださって、興奮したまま孤児が実演するのを許可してくれた。


実演するのは年長組のマアルとヨカナンの男の子と世話焼きのアイラが手をあげてくれた。

男の子二人はわたしが実演したとおり、抑揚をつけてドラマチックに演じるように指導。ガンバレ。アイラには水飴と干し肉と型抜き等が入ったマジックバッグを渡す。もう一人か二人ぐらい売り子のお手伝いはいるかな。アイラが仲の良い子を誘ってみると言っていた。


孤児たちが街での実演をご披露する前に、商業組合の方とモーリさんご家族を招待した。

レシピや紙芝居そのものを登録したり、街で実演しても良いか顔役さんであるモーリさんの許可が必要だったのと、娯楽がほとんどない世界に、どう反応されるのかもう少しモニターが欲しかったのもある。


マアルとヨカナンは孤児院で結構練習をしたと言っている。孤児たちに毎日やってとせがまれたらしい。随分うまくなったと院長先生のお褒めの言葉を聞いた。

アイラたちも孤児相手に練習してスムーズにやり取りができるようになったらしい。これは安心できそうだ。型抜きが綺麗に抜けているかの判断は院長先生がしてくださるそうだ。


今日は本番さながらの練習なので、商業組合の方とモーリさんご家族からお金をもらうことにした。

うん、やってみてわかる。お釣りの準備がいるね。後でまた用意しよう。

型抜きは一人一人に説明していくと時間がかかるから、最初に全員に説明しよう。

今回干し肉は味見して欲しかったので、水飴と一緒に配る。


そして実演。

そして大絶賛。

「この水飴は甘くて美味しい。砂糖を使っているのですか?」

「いえ、麦芽ともち米です。」

「な、なんと!砂糖をつかっていないのにこの甘さ!!」

「この干し肉は今までの干し肉とはぜんぜん違う。まったく違う。何故だ。」

「わたしが究極の干し肉が欲しくて頑張りました。そのレシピは登録します。」

「紙芝居というのは素晴らしい。紙芝居に出てきた四人組は実際に存在しているのか。」

「この紙芝居の中だけの人です。」

「エリクサーは本当に作れるのか。」

「この材料が全部そろえば、宮廷錬金術師なら作れると思いますよ。」

「「「「「それにしても紙芝居面白かった!!!」」」」

「クラウドの活躍が一番素晴らしい。」

「いえ、精霊弓使いのイリスが美しいのにカッコいいのが、興奮しました。」

「いやいや、わたしは平原に無数の雷を落としたシャノーンが一番ですな。」

「いやいやいや。わたしは目立たぬところで罠を見つけマジックバッグを見つけ皆を安全なところへ導くガイアスの働きを賞賛します。」


という感じのテンション高めの商業組合の方々の質疑応答も終わったころ、モーリさんは干し肉を真剣に味わって食べているし、サーラは興奮してもう一回みたいと跳ねているし、サマンサ先生は目を閉じてしっかり水飴を味わっておられる。


今回初めて会うことになった、カーラお姉さんとユーリお兄さん。16歳と15歳だと紹介してもらった。

カーラお姉さんはモーリさんとサマンサ先生のいいとこ取りをしましたっていう感じの美人さんで、エリンのワンピースに釘付けだった。エリン渾身の作で、前ごろにはタックを入れて、白いレースの飾り襟も可愛くつけたものね。エリンに同じようなものを作ってくれないかとか詰め寄っていた。

ユーリお兄さんはサマンサ先生にそっくりで普段は目を閉じられているのかと思う感じだけど、型抜きにはまったのか、カッと目を開き何枚も挑戦していた。


商業組合の人は今回の試演をとても喜んでくださり早々に登録してくださるみたいだ。

モーリさんもこれは絶対お金になると呟きながら街での実演を許可してくれた。

そしてモーリさんのところの料理人さんや錬金術師がレシピどおり作れるようになるまで、干し肉と水飴と醤油をモーリ商会にも売って欲しいとお願いされた。


うん、紙芝居が受け入れられて良かった。干し肉と水飴は孤児院に渡したのと同じぐらいそれぞれ1000個とつぼ100個を、つけ汁のための醤油もツボに入れ、それぞれのレシピもモーリ商会に納品することにした。


孤児院でも水飴を作ったり安いお肉で同じような干し肉が作れるか試してみようと話をしていた、貪欲な孤児たちに祝福を!孤児院にはレシピも醤油もただであげるからね。ガンバレ。


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