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エリンが元気になってから、一緒にご飯を作ることにした。
調味料や器具は揃っている。エリンはまだ消化にいいものがいい。
シチューでも作ろか。材料はエリンに聞いて、こっちの世界の名前を聞いて呼び出した。
名前を知っていると誤差がほとんどない。エリンにとって馴染のある材料が出せた。
2人でとろとろに作ったシチューは美味しかった。
昼からは、エリンの替えの服が必要だねということで、二人で手芸をすることにした。
淑女らしいドレスはどうかと聞いてみたけど(ドレスは作るの大変だなっとちょっと思ったけど)、普段着のワンピースとシュミーズとおパンツ様の替えだけでいいそうだ。
ワンピースは恥ずかしそうにピンク色が欲しいとうつむきながら言うのが可愛い。
そうだよね。もう3年も可愛いから離れていたんだものね。好きなものを着てもいいんだよ。
わたしは青系が好きなので、呼び寄せしてきた布はそっちが多かったので、エリン用に桜色や桃色、ちょっとはっきりしたピンクなど呼び寄せる。
こっちの世界の布だけど、お貴族様がいるのか、色はどうにか希望通り出てきた。良し。
刺繍糸も呼び出す。
「出でよ。オリムパス434色に似たもの全種類」
全部は無理っぽかったみたいだけど、こっちの世界の技術力で作れる分、25色ぐらいは出てきた。
後は追々錬金術で作ろう。とりあえず今のところはこれでOK。
淡いピンクのワンピースに、可愛い小鳥の刺繍を入れたり、裾にフリルをつけてみたりエリンの可愛いを表現してみた。
なかなかいい感じにできたので複製魔法で何枚か予備を作っておいた。おパンツ様は日本の型のものは、エリンには恥ずかしくて履けないそうで、こっちの世界の最初に呼び出した長トランクス型のものに可愛いお花の刺繍を入れることにした。
長トランクスもどき、それでいいんだ。裾を少しふんわりさせてフリルを入れたらましになるだろうか。エリンに聞いて改良していこう。
エリンは思っていた以上に器用だと思う。
10歳でここまでできたら凄いと思う。刺繍も上手い。そう褒めるとてれてれしているのが可愛い。
「お母様が亡くなってから、わたしを褒めて下さる方はいなかったので嬉しいです。」
「エリン、これからはわたしが一緒にいて、いつでも褒めてあげるからね。」
「・・・マヤ、ありがとうございます。」
いいのよ。エリン。わたしのためでもあるんだもの。2人で幸せになろう。