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リバティアスダイヴ ~カレナとナレカの仮想世界 カレナはナレカの世界を救うためゲームを作る~  作者: リバティ
第2章 ティアジピター編 ~ナレカとカレナの世界への侵略者~
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第99話 カレナとナレカとスカラベ


◇東京◇


 国際展示場

魔蟲は全て消滅し、辺りに静寂が戻った。

ベラカスが消滅したことで暴徒は皆眠っている。


「取りあえずは終わったかな」


私はVRゴーグルを脱いで辺りを見渡した。


「ああ、一応外に出ちまった奴がいないか見てくるぜ」


銀次と瑞希はゲームエリアの外を見に行った。


「おや、君、申し訳ないけどゲームは中断してるんだ。

ここは関係者以外は立入禁ーー、うわっ」


ヒュン! ドカッ!


奥から道楽社長の声が聞こえてきたと思ったら、社長が吹っ飛んできた。


「社長!」


私は社長の元に駆け寄った。背中を強く打った様だ立ち上がれないようだ。


「カレナチーフ……気をつけるんだ……」


気を付ける? 何を?

その時、私の背後に人影が迫って来ていた。

そしてーー


ガン!


気付いた時には遅く、目の前に人間の拳があった。


「うぎゃっ!」


私は変な声を上げてその場に倒れ込んでしまった。鼻血が出ているようだ。

やってしまった。完全に油断してた。


「クッヒヒヒ、お前が! お前が!」


目の前にVRゴーグルを被った小太りの男が立っていた。

男は何度か私に向かって拳を振り下ろしている。


「カレナー、こっちは大丈夫……あ!? 何してるお前!」


「何でまだ暴徒がいるんだ? 全く世話の焼ける!」


戻ってきた銀次と瑞希は武器を持って男に向かっていく。


キィィィン!

ドゴォォッ!ガン!


男は左手で私の髪を掴んだまま。首を傾けて瑞希の攻撃を交わして、VRゴーグルの破壊を免れ、さらに右手で刀を素手で掴んだ。

さらに背後から迫った銀次を思いっきり蹴っ飛ばした。

とても常人に出来る芸当ではない。


「ぐっ!」


吹っ飛んだ銀次は壁に派手に激突して座り込んでいる。


「な、何!?」


「ず、図に乗るなよ小娘が」


瑞希は銀次に気を取られて油断してしまった。

男は掴んでいた剣を折って銀次と同じく思いっきり蹴っ飛ばした。


バキィィィィン!

ドゴォォッ!ガシャン!


男に蹴っ飛ばされた瑞希は椅子が並んでるところに突っ込んでいった。


「くっそっ」


瑞希もすぐに立てそうにない。

男は私の髪を掴んで無理矢理立たせた。


「ベラカス、全部倒したと思ったんだけどね」


「そうだよ、ベラカスは倒された。だけど、僕のスカラベは進化したんだ!」


そうか、どうやらコイツがスカラベを作った犯人か。

ベラカスに乗っ取られてたけど、倒されたから自我を取り戻したか。

あのVRゴーグルの中にスカラベのバックアップがあった様だ。


「このゲームは面白いことが起こると、前から噂になっていたからね……

僕のスカラベの餌場にしようと、思ったんだ。そしたらベラカスだよ。

本当に、面白いことが、起こったんだ!」


男は興奮しながら当時の状況を説明している。


「でもベラカスは倒されたんだ。それはいい、それはいいけど!

リバティ!リバティ! あれは、スカラベを消そうとしてる。それはダメだっ!」


ドゴッ! ドゴッ!


男は何度か私のお腹をパンチした。私は涙目で男を睨み返す。

ふと、男の後ろに人影があった。


「おえっ……遅えんだよ!」


「な、な、何だと? 何を言って――」


ドゴーーン!


背後にいた人影、ナァカが男の股間を思いっきり蹴り上げた。

前にも見たことあるシーンだ。


「ひぎぃぃっ、貴様ぁっ!」


バキン!


男はナァカに向かってパンチを食らわすが、たいして効いてない。

アンドロイドの体だからね。ナァカはチッ、チッ、と人差し指を立てている。


「悪いね。これ、丈夫なのよ」


ドゴォォッ! ガシャン!


ナァカは回し蹴りを男に食らわせて、吹っ飛ばした。


「ひゅーっ、ひゅーっ、凛堂カレナ、ナレカ・ドーリン……」


男は無理矢理立ち上がるが、フラフラしている。


「隙ありっ!」


バキッ、ガシャン!


瑞希は銀次が持ってきていた木刀でVRゴーグルを破壊した。

男は白目を向いて倒れ込んだ。


「うぇぇっ、疲れたー」


私はその場にへたり込んだ。酷い目にあった。


「アンタ、気をつけなよ。2回目じゃない」


「何だ?? あれはロボットじゃなかったのか?」


「まさか、リバティなのか?」


瑞希も銀次も流暢に言葉を話すナァカを見て驚いていた。


「ああ、そうか、これ見るの初めてなんだっけ?

ギンジ、アタシよ、ナレカ。実はナァカの体借りるの2回目なんだよね」


ナレカはナァカの姿で軽く手を振って答えた。


「うえっ!? ウソだろ? そんなこと出来るのかよ」


「遠隔操作してるだけだろ? 驚くことか?」


瑞希は銀次が何にそんな驚いてるか、よく分かってなかった。


「だってお前、別世界の……いや、まぁいいけどよ」


言葉を濁した銀次を瑞希は睨んでいた。

隠し事があるのに感づいたんだろう。


「いいじゃないですかぁ、リアルでナレカとお話しできるなんて思ってなかったしぃ」


「そうだよナレカ、東京観光しようよ! 案内してあげるよ!」


麻莉と星凪がナレカを連れまわそうとしている。

目の前にで怖いことあったのに本当に強メンタルだなこの子等。


「前回行けてないんだから、今度はちょっと見てみれば?

私はもう動けないからよろしく」


私は困ってるナレカに声をかけた。


「今からはさすがに無理だってば。向こうが落ち着くまでちょっと待ってよ」


ナレカはそう言ってリアルリバティアスに戻って行った。


「ふぅ、僕もいてこのザマとは情けない。銀次君、瑞希君、ありがとう。

君達を危険に晒してしまい、本当に申し訳ない。」


ようやく立ち上がった道楽社長は深々と頭を下げた。


「たかがゲームでこんな大事件になるとは思いませんでした」


瑞希は散らかったホールを見て呆然としている。


「ごめんね。ここまでの事件になったら、リバティアスダイヴはサービス終了せざるを得ない。

事件については僕の方から説明をする予定だよ」


「えー! 困りますぅ」


「そうだよー、揉み消しちゃいなよー」


麻莉と星凪が滅茶苦茶なことを言っている。さすがに社長も困っている。


「後始末をしないとですね。道楽社長、私の方で報告書をーー」


「君はまず休みたまえ。動けないだろう? それにこの場にふさわしい人達は既に呼んであるよ」


道楽社長はそう言うと、ホールの入り口に向かって数人の男女が歩いてきていた。


「到着が遅れてしまい申し訳ありません。

警視庁サイバーテロ対策課の華月神衣カゲツ・カムイです。

凛堂カレナさん、まずは身体検査をさせてください。お話は後日伺います」


マジモンの人達が来た。電話してた相手はこの人達か。

ん? 華月神衣さん、どこかで見たような。


「あれ? もしかして、カムイさん?」


「気ーづくの遅いね。取りあえずウチ等に任せときな。悪いようにはしないよ」


どうやらチャリティーソードのカムイさんだったようだ。

私は黙ってサイバーテロ対策課の指示に従った。

おかげで、事後処理はスムーズに進んだ。

最後まで読んでいただき、誠にありがとうございます。

面白いと思った方は、いいね、評価、ブクマ、感想、誤字ご指摘、何でも結構ですので、いただけますと幸いです。

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