復讐
「ガシソ殿も…」
レワレの口から、息が漏れる。
「今、この肉を食しましたな」
「はい」
「で、味はどうでした? <封禁>の術は成功ですかな?」
食事卓の皿の上の肉にガシソの視線が移動する。
「さあ、どうでしょうな。某には過去に食した経験がありません故」
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「…レワレ殿?」
突然、頭に浮かんだ引っかかりをガシソは言語化した。
「……先ほど貴公は………この味をずっと探していたとおっしゃった記憶があるのだが??」
頷いたレワレに、ガシソは言葉を続けた
「…………という事は……………以前???」
「食した事になるのでしょうな」
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「その昔、辺境のウキヘで歓待されたおり…」
口の中に一時溜めた言葉を、レワレが発する。
「振る舞われたのが、人肉だったようです」
「─」
「どうも、彼らの最大限の歓待とは、人の肉を振る舞うことだったらしいですな」
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「貴殿が特に何をしなくても──」
微妙に表情を引きつらせるガシソに、レワレは硬い笑顔を向けた。
「既に我は、<獄穴>に落ちる事を決定付けられていたらしい」
「…いずれにしても某は、悠久連れを確保できましたから」
「お互いに、これから末永い付き合いになる訳ですな」
「はい」
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(…まあ)
食後、ガシソとの会話が途切れた折。
レワレは、食事卓に出された茶に指を伸ばした。
(……本当は神など信じていない自分が向かう死後の世界は、<冥門>の先の<冥地>どころか、<獄穴>の底の<獄地>であるかどうかも怪しいのだがな)
同じ様に茶器を手で取った、食事卓の向こうの顔にレワレの視線が移動する。
(………ならば、ガシソ殿はひとりで落ちた<獄地>で、悠久の孤独とやらを味わう事になるのかな? それこそを、今回の件に対する我の復讐とするか)




