招待
「レワレ殿」
呼び止められた人物は、政庁の廊下で立ち止まっ振り返った。
「これはガシソ殿。イガチからお帰りになったのですか」
「はい」
「相変わらず、多忙ですな」
「それは、お互い様で」
「─ 確かに」
----------
「ところで」
ガシソは、レワレまで1歩半に近づく。
「今日の夕餉のご予定は?」
「まあ…ひとり寂しく、ですかな」
「それは、それは」
レワレの目を、ガシソは覗き込んだ。
「では、某の宅への招待でお受けくださいますかな?」
(おお。久しぶりに、ガシソ殿宅の料理師、シフエ殿の料理を味わえる!)
「某が、腕をふるいますぞ?」
(…は?!)
----------
「お、おお。思い出した」
レワレは、ガシソから外した視線を宙で彷徨わせる。
「ほ、本日は…拠無い所用があったのではないか……」
半歩下がって、遠ざかろとするレワレ。
その腕をガシソは掴んだ。
「前回は、誠に申し訳なかった。反省しております故」
「?」
「実は某、あれから研鑽をいたしましてな」
ガシソの手が、遠ざかりを諦めたレワレから離れる。
「本日 貴殿に振る舞う料理は、某宅のシフエから及第点を取ったものです」
「…あの料理師殿から?」
「はい」
(……なら………少なくとも、前回振る舞われた料理の様な惨状はありえないか)
「おお。そう言えば、あの件は後日でも構わないものであった気がする」
「某宅への招待、お受け下さいますかな?」
「では。」




