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30話 橋の錬成

 工事の影響で食べ物が採れなくなり困っているという山の少女。

 それなら工事の影響が無い隣の山まで、橋を架けれないかと提案する。


「なるほどね、橋はいいアイデアかもしれないわね」


「うむ、さっそく作るか」


 僕のアイデアにグリンダさん、オリビアさんも賛成してくれる。


「ちょ、ちょっと待て! 確かに橋があれば便利じゃが……そんなの簡単にできる訳ないじゃろ!?」

 幅数十メートルはある大きな川だ。当然、橋なんて簡単には出来ない。


「フフフ!」

 しかし、僕は余裕の笑みで返す。


 ◇


 少女の名前はアコン。幼いころから野犬に育てられ自分のことを山の姫だと思っているようだ。

 アコンの縄を解き、自己紹介をすませる僕ら三人。オリハルコンのダンジョンを目指していることも伝える。


「ふむ……お前が橋を魔法で作るのか……? とてもすごい魔法使いには見えんがな……」

 僕を怪しい目で睨むアコン。


「ま、まあ僕も橋は作ったことないけど。とりあえずアコンも橋の錬成に使う木を集めてくれるかな?」


「ふん、人使いが荒いな。私は山の姫じゃぞ」

 文句を言いながらも木を集めるアコン。食糧問題は山に暮らす彼女は舘にとって死活問題だ。


 オリビアさんが剣、僕らは魔法でで次々と木を切る。「なんか……細い木ばかりだな? こんな木で橋の材料になるのか?」

 オリビアさんは僕に聞く。僕も少し不安に思っていたところだった。


「うーん、橋を錬成するとなるともっと大量の木が必要ですよね……」

 四人で木を集めるも、なかなか橋を作るほどの木は集まらない。


「あ! そうじゃ!」

 何かを思いつくアコン。


「いま、この山の工事で切り倒してる木は使えないのか?」


「あー! なるほど」

 山の工事で切られた大量の丸太を思い出す。


「確かにあの木を使えば橋の錬成の材料は足りそうだな。でも……勝手に使っていいのかな?」

 僕はグリンダさんとオリビアさんをチラッと見る。


「いいんじゃないかしら? むしろ捨てる手間が省けるってもんじゃないの?」


「うむ、それにこの山の工事は王宮が請け負ってるはずだ。姫様の婚約者のペルーサならそれくらい構わないだろ」


 こうして僕らはこの山で切られた丸太の並ぶ工事現場へ向かう。


 ◇


「うわー、たくさんありますね……」

 工事現場には大量の丸太が並べられている。


「おおっ! いい丸太じゃないか! うむ、硬いし太い! やはり太さが大切だよな、太さが!」

 オリビアさんは丸太を触りながら喜んでいる。もちろん、橋づくりにピッタリという意味だが……


「オ、オリビア……アンタね。ちょっといい方には気を付けなさいよ!?」


「ん? なんでだ?」

 顔を赤らめるグリンダさん。オリビアさんは意味が分からずキョトンとしている……


「それにしても……これを運ぶのか……大変だな」

 目の前に並ぶ数百本の立派な丸太の山を見る。


「あら? 泣き言なんて情けないわね、オリビア」


「おいおい、この大量の丸太を運ぶんだぞ!?」


「ふふふ……」

 グリンダさんは杖を取り出す。僕にせがんだ伝説の木、ハイペリオンで出来た最高級の杖だ。


 ――召喚魔法――


 グリンダさんはゴーレムを召喚した。

「さあゴーレムちゃん! この丸太を運びなさい!」

 命じられたゴーレムは丸太を軽々と持ち上げ、川辺まで運ぶ。


「……なるほど! 召喚魔法にそんな使い方もあるんですね!」


「そうよ! いい杖のおかげかゴーレムも命令をしっかり聞いてくれるわね」


「す、すごい……これが魔法か……」

 初めて見る魔法に驚くアコン。


「ふふ、野生児には刺激が強すぎたかしら?」

 久々の召喚魔法がバッチリきまり、浮かれるグリンダさんだった。


 ◇


 ゴーレムのおかげであっという間に丸太を運び終えることができた。

「お疲れ様ゴーレムちゃん。さて、あとは頼むわよペルーサくん!」


「はい!」


 材料は揃った。いよいよ橋の錬成だ。

 大丈夫! 錬成魔法はしっかり勉強してきた。できるはずだ。

 僕は並べられた丸太に手をかざす。しっかりと出来上がりをイメージして……っと。


 ――錬成魔法――


 積み上げられた丸太が光に包まれる。


『ガガガ』


 丸太が橋に姿を変え始める。

 丸太の山から手足のように橋が伸びていく。


「す、すごい……信じられんのじゃ」

 アコンは目を丸くする。


「……できるとは思ってたけど……これがペルーサくんの魔力なのね……すごいわ」


「ふう……こんなもんですかね?」

 数分後、山と山を繋ぐ、立派な橋が架かった。錬成魔法は成功したようだ。


「すごいぞペルーサ!」


「いえいえ、そんな」

 珍しくオリビアさんに褒められ照れる僕。


「すごい! すごい! 助かったぞ! これで私たちは食べ物に困らないぞ!」

 アコンは飛び跳ねて大喜びする。その姿は子供そのものだ。


「よかった。もう畑を荒らしちゃだめだよ?」


「ああ! 約束じゃ!」


「お疲れ様ペルーサくん、これぞレベル100!って感じの素晴らしい魔法よ」

 よかった! 村もアコン達も救うとことができてホッとした。


 ◇


「3人とも感謝するぞ!」


「いえいえ」

 喜ぶアコン。こうしてみると可愛い少女だ。


「よし! 決めたぞ!」


「ん? どうしたのアコン?」


「私も山の姫としてお前たちの旅について行ってやろう! 恩返しじゃ!」


「えぇーー!?」

お読みいただきありがとうございます。

おかげさまで30話まで書くことができました。

今後もお読みいただければ幸いです。

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よろしくお願いいたします。

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