19話
それにしても特別報酬で魔獣肉が10個…
ホーンラビットを倒したときもいくつか手に入れていたのでレアなアイテムじゃなさそうだけどな。
ステータスも上げておこう。
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名前:燈黒 翔琉 レベル:20
職業:忍
HP:700 MP:300
筋力:50 防御力:1
速度:34 知能:2
感覚:20 運:1
スキルポイント:0
<スキル>
隠密 煙幕 風 空蝉 まきびし
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特別報酬やスキルのことを考えていると響華が近付いてきた。
「見て!特別報酬ってやつで魔法使いっぽい杖もらった!」
「おぉ!よかったじゃないか」
「翔琉も杖もらったの?」
「俺は魔獣肉10個だ」
「ドンマイっ!」
しばいていいかな?許されるよな?
響華は杖を手に入れて喜んでいる。
ここは安全だからいいけど、少し怖いな。
「あまり浮かれんなよ?」
「わかってるわかってる」
「本当か?」
「モンスターが近くにいるときは翔琉の雰囲気が変わるからね。それで判断してる」
目に見えてわかるぐらい変わってるのか。
ちゃんと判断してるならいいのか?
「俺が気付かないときもあるからに気を抜くなよ」
「はいはーい」
「本気で言ってるんだぞ」
「わかってるって。うるさいな」
ギャルって感じで怖いな〜。
学校の先生達はよく根気強く注意するな…。
3階に上がると血の匂いが強くなった。
逃げれなかった人達が多いんだろう。
モンスターはホーンラビットではなく、ロックタートルという岩の塊を乗せた亀型モンスターだった。
攻撃方法は岩を飛ばすこと。弾速は遅いので躱すことは簡単だ。
問題なのは硬いこと。硬すぎて斬ることができないし、響華の水刃も効かないので、俺が殴って粉々にするしか倒す方法がなかった。
「一撃って…あなたゴリラなの?」
「気弱な人間です〜」
「どこが気弱なのよ…はぁ、あなたネットでなんて呼ばれてるか知ってる?」
「最強の厨二病とかだろ?」
「救世主様だってさ。ふふっ」
「うわ…嫌すぎる」
「いいじゃん。頼りにしてるよ、救世主様!」
「バカにしてんだろ…」
嫌だ…聖人のオタクよりも嫌だ…
まさかこれから救世主様って呼ばれるのか?厨二病って言われるのも嫌だけど救世主様も嫌だ。
「げ、元気だしなよ!皆が翔琉のことを頼りにしてるってことなんだから」
「ソウデスネ」
「あらら…」
はやく俺以外にもボスを倒せる人が出てきてくれたらいいのに。
そうすればその人が救世主って呼ばれるかもしれない!
それまでは我慢しよう。
「お腹すいたし疲れた〜!」
この場所にきてから4時間ぐらい経過した。
もう晩御飯の時間だしな。
休憩するついでにご飯も食べよう。
「少し戻って休憩するか」
「やった!」
カメラマンの人達も疲れた顔をしてるしな。
無理に行っても事故が起きるかもしれない。
グリズリーナイトを倒した場所まで戻って休憩をすることにした。
リュックに入れていたおにぎりを食べる。
他にも缶詰など色々持ってきたからまだまだある。
戦うときはリュックを置いていたのでぐちゃぐちゃになってることもなかった。
「ねぇ、私にもくれない?」
「好きなの食べていいよ」
「ありがと!」
手ぶらだったし、何も持ってきていないんだろうなとは思ってたけどやっぱりか。
俺が食べ物を持ってきていなかったらどうするつもりだったんだ?
ぐぅ〜
カメラマン達の方からお腹が鳴った音が聞こえる。
羨ましそうにこちらを見てるのが見なくてもわかる。
「そんなに食べたいなら言えばいいだろ?好きなだけ食べていいし、飲み物もとってくれ」
「いいんですか?ありがとうございます!」
「あ、ありがとうございます!」
勝てる気がしない相手がいたら時間をかけてレベルを上げようと思っていたから食料などはたくさんあるが、4人で食べるならすぐなくなりそうだな…
それにしてもこんな環境でよく食べれるな。
ずっと仕事のせいでご飯を食べてなかったのか?
この建物は飲食店はあるが、6階だけ。
明日のうちに6階までいけるならもちそうだけど心配だな。
「優しいじゃん、さすが救世主様」
「それやめろ。柄じゃなさすぎる」
楽しそうに笑ってるけどさ。
響華にどうしてついてきたのか聞きたいけど、楽しそうなときに聞にくいんだよな。
こんな場所に入りたいなんて訳ありしかなさそうだしな。
今のうちにスキル石を使ってみるか。
「なにそれ?」
「レベルが20になったときにもらったんだ」
「へぇ〜、どんな効果があるの?」
「スキルを2つの中から選べるらしい」
「いいな〜」
興味なさそうだな。
さっさと使ってしまおう。
【スキル石を使用しますか?】
はい。
【スキル石を使用しました】
【スキル:瞬歩】
【スキル:水】
【どちらかをお選びください】
悩む!
瞬歩は移動系のスキルだろ?
水はなにかわからないが、風はとても汎用的で便利だから水も便利なんじゃないか?
えー、悩む。
移動系か…風で身体能力を上げたら速くなるし、今回は水にしようかな。
【スキル:水を獲得しました】
「水よ」
手のひらに水の球体を出した。
「それが新しいスキル?」
「そうなんだけど、どう使えばいいのかわからないんだよな」
「飛ばしてみたら?」
「やってみるか」
ばしゃん…
「なにこれ」
「もっと真面目に使いなさいよ…。私の水刃みたいに飛ばせないの?」
「やってみよう」
水の形を円盤状に変えて投げてみた。
ばしゃん…
「だから真面目にやってよ」
「難しいんだよ!」
「回転させたりできないの?」
「なるほど」
水を変形させ回転させるが、これじゃただ回ってるだけだな。
「風よ」
「おー、いいじゃん」
円盤状にした水を風で高速回転させることができた。
「そのまま飛ばしてみてよ」
「やってみよう」
風も使って目の前の壁に向かって飛ばしてみた。
ドガァァァンッ!
「わたししーらないっ」
「おい!飛ばしてみてって言ったのあんただろ!」
「やったのは翔琉だもーん」
どうせまた、ばしゃん…ってなると思ったのに!結構な威力になったぞ!?
俺の唯一の遠距離攻撃である火と風を纏わせたナイフと比べると威力は低そうだけど。
攻撃よりも防御の方が使えるんじゃないか?
水は様々な形に変形させられるし、かなり大きくすることもできる。
攻撃で使うならこれで窒息死させた方が強そうだし。
「ちょ、なにしてんの!?」
頭を水で包んでみたが息をすることができる。
窒息死は無理そうだな。
その後いろいろ試したが防御用に使うのが一番使えそうだった。
「守れるからいーじゃん」
「まぁそうだな…躱せない攻撃とかもあるもんな…」
「そうそう。私は水刃しかスキルがないから羨ましいよ」
どうして俺は慰めてもらってるんだ…
「あのぅ」
「なんだ?」
「さきほどの水を出していただけませんか?指を切ってしまって…」
「なにで切ったんだよ」
「缶詰で…」
ドジっ子か。あーあ、けっこう深く切ってんなぁ。痛そう。
球体状の水を出してやると、すみません。と謝りながら指を洗いはじめた。
「あ、あれ?」
「どうした、なにかあったか?」
「あの!指が!指が!」
「指?」
リポーターの人にさっき切った場所を見せてもらうと、深く切ったはずの傷が綺麗になくなっていた。




