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フリーターの俺に世界が救えると思いますか?  作者: 干物


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20/35

20話


「もしかしてこの水、傷を治せるのか?」

「わ、分からないですけど、水を使わせていただいたら指の傷が治りました」

「そうか」


治癒効果のあるスキルか、かなり使えるな。

スキルの効果がわかったのはいいけど、リポーターの人が俺に対してかなり怯えてるのが気になる。


「なぁ」

「ひぃっ…な、なんですか?」

「ちょっといじめないでよ。かわいそうじゃない」


あなた達、仲悪かったと思うんですけどいつのまに仲良くなったんですかね。


「いじめてない。話しかけただけだろ?」

「モンスターを一撃で倒したり、カメラを奪ったりしたでしょ?そんなことする人普通に怖いでしょ」

「響華もこの人になんか言ってただろ?それはいいのか?」

「女同士だからいいんです〜」


リポーターの人を抱きしめて頭を撫でているし、嫌がっていないな。

年齢も近そうだし仲がいいならいいか。


「そういえば名前聞いてなかったよね?なんていうの?」

「あ、すみません。鶴橋(つるはし) 日向(ひなた)です。改めてよろしくお願いします」

「カメラマンの人は?」


俺が聞くと小さい声で「ひぃっ…」って言っているのが聞こえた。

一番歳上のくせにどんだけビビってんだよ…。


渡辺(わたなべ) 和広(かずひろ)です。よろしくお願いします」

「日向ちゃんは響華って呼んでね〜!」

「はい!響華さん!」


懐いたな。一気に元気になったもんな。


「そろそろ行くか」

「えー。もう夜だし明日にしない?」

「どうせならベッドで寝たいだろ?4階までがんばれ」

「むー。じゃあ頑張る。日向ちゃんもベッドで寝たいよね?」

「え、えーと。…はい」

「休めるときに休んでおきたいからな。早く行こう」


それから3階のモンスターを倒していった。

俺はやっとレベルが1つ上がったが、響華はここにきて順調にレベルを上げて9レベルになっていた。


そして4階についた。

4階のモンスターはモモンキーという腕が長めの猿で、少し広めの空間で俺達のことを待ち伏せしていた。


「猿か。嫌だな」

「攻撃が当たらないんだけど!」

「炎刃は使うなよ。ベッドが燃える」

「わかってる!」


響華は新しく炎刃という水刃の炎バージョンのスキルを手に入れた。

だがベッドなど燃えやすいものがたくさんあるので使えない。


モモンキーは身体能力が高く、素早いので響華の水刃も当たらない。


「キキーッ!」

「日向ちゃん!危ない!」

「きゃぁぁぁぁぁ!」

「やっぱり自分で捕まえた方が手っ取り早いな」

「キェェェェェ!」


日向に襲いかかろうとしていたモモンキーの腕を掴んで握り潰し、頭を斬り飛ばした。


「ロックタートルと比べたら柔らかすぎるな」

「あ、ありがとうございます…」

「そのままそこにいろ。その方が守りやすい」

「やっぱ守ってんじゃん」

「なんか言ったか?」

「べっつにー?そんなことより他のモンスターもやっちゃってよ」

「わかってるよ」


モモンキー達は俺のことを見て警戒している。

1体も逃がしたくないな。

知性があるモンスターなんて相手にしたくない。


「まきびし」


モモンキー達の背後にまきびしをばら撒き、逃げにくくした。


「風よ」


風をだけに纏わせ機動力特化にする。


「逃げられると思うなよ?」


モモンキー達は怯え、逃げ出そうと走りだしたがまきびしを踏んだ痛みで動けなかったり、怯えたまま動かなかったり、動けないやつにぶつかって転んだりなどしている。


モモンキー達と鬼ごっこが始まった。


【レベルアップしました】


「翔琉…あんた完全に悪役だったよ?」

「救世主というよりも悪魔でしたね」

「あんたら言いたい放題だな…」


この階のモモンキーは全て倒した。

これでゆっくり休めるはずだ。


「だって笑顔で追いかけ回したり、火で痛めつけて倒したりしてたじゃん」

「あーした方が恐怖で動きが鈍るだろ?」

「ほんとにそれが理由?この階の人達が可哀想だったからじゃないの?」


死体が苦手なくせによく見てるな。


この階で死んでいる人達は様々な殺され方をしていた。

こいつらは多分、人間を遊び感覚で殺していたんだろう。


「うるさい。さっさと好みのベッドを探せ」

「あ、逃げた」


いちいちうるせー。

綺麗なベッドを探してゆっくり休もう。


ん?ベッドの下に誰かいる?


「おい、なにしてんだ?」

「わっ…!お、お兄ちゃん、おサルさんたちは?」

「もういないぞ」

「ほんと?」

「全部倒した。だから出ておいで」

「う、うん」


5歳ぐらいの男の子が端の方にあったベッドの下に隠れていた。


「1人で隠れてたのか?」

「うん。パパとママに隠れてなさいって言われて隠れてたの」

「そうか…。もう大丈夫だからな。あっちにお姉ちゃん達もいるから一緒にご飯食べるか?」

「ご飯?食べたい!」


ずっと隠れていたんなら1日以上なにも食べてないだろうし、腹減ってるよな。


この子の親は…無事なわけないよな。


響華達を探していると、女性陣は2人で寝るらしく大きめのベッドのとこにいた。


「その子どうしたの?」

「ベッドの下に隠れてたから連れてきた。一緒にご飯でも食べてやってくれ」

「いいよ〜。おいで」

「ん?どうした?」


俺の服を掴んで離さないんだけど。


「お兄ちゃんも一緒に食べる?」

「俺はあっちで寝る」

「うぅ…」


どうして泣きそうな顔をするんだよ…。


「わかったよ。俺も食べるから泣くなよ」

「うん!」

「よかったね、懐かれてんじゃん」

「なんでなんだろうな…」


男の子にリュックの中身を見せて好きな物を選んでもらっている。


「名前はなんていうんだ?」

「ゆうと!」

「ゆうとか。明日になったら外まで連れて行ってやるからな。今日はご飯を食べたら寝よう」

「わかった!」


こんなに小さい頃に親がいなくなってしまってこれからどうするんだろうな。


ゆうとはたくさんご飯を食べたあとねむくなってしまったようで首をカクカクさせている。


「寝るか?」

「うん。お兄ちゃんと寝る」

「わかったよ。俺らは向こうで寝るからなんかあったら呼んでくれ」

「はーい」


ゆうとを抱きあげて綺麗なベッドに寝かせた。


「子供は寝るのがはやいな」


モンスター達に囲まれて今まで気が抜けなかったんだろうな。


「俺も寝るか」


ゆうとの隣のベッドに寝転んだ。

家のベッドよりも良いやつだ。ちょっと嬉しい。


レベルも上がったしステータスを上げておくか。


ーーーーーーーーーーーーーーーーー



名前:燈黒 翔琉 レベル:22


職業:忍


HP:750 MP:320


筋力:50 防御力:1


速度:40 知能:2


感覚:24 運:1


スキルポイント:0


<スキル>

隠密 煙幕 風 空蝉 まきびし 水



ーーーーーーーーーーーーーーーーー


速度が40になった。

感覚も上げていきたいな。


「あのー、すみません」

「渡辺さん?どうしたんだ?」

「俺も隣で寝ていいですか?1人だと心細くて…」

「それはいいけど…」

「ありがとうございます」


この階のモンスターは全て倒したからといって怖いものは怖いか。

それにリポーターの鶴橋だっけ?あの人は響華と寝てるしな。


上に行けば行くほど強い気配を感じる。

ゴブリンジェネラルと同じぐらい強そうだな。


寝れるとき寝よう。

ベッドも気持ちいいしぐっすり眠れそうだ。


目を瞑っているといつの間にか眠っていた。


……誰だ?人か?動いている気配がする。

気のせいか?念の為見に行くか。


気配がした方へ歩いていくと響華が上の階に続く階段を見ていた。


「なにしてんだ?」

「起こしちゃった?ごめんね」

「寝つきが悪くて目が覚めただけだ。そんなことより何してるんだ?上の階に家族がいるかもしれないのか?」


思いきって聞いてみることにした。

俺に頼んできた如月さんみたいにこの建物の中に家族が閉じ込められているかもしれない。


「弟がね、いるはずなんだ」

「上から人の気配がするな。それに結構強そうだから覚醒者の人に守られてるかもな」


モンスターのような汚い気配ではなく綺麗な感じがするから覚醒者だと思う。

ここまで強い人には会ったことがわからないからモンスターかもしれないけど。


「そっか。それならいいんだけどね」

「明日朝起きて、ゆうとを外に連れ出したらすぐに行こう」

「…そうだね」


なんとか響華をベッドの場所まで連れて行った。


「弟の名前、佑京(うきょう)って言うんだけどさ、もうすぐ誕生日で14歳になるんだよね」

「けっこう年齢が離れてるんだな」

「そうなの。3人姉弟で私が長女、佑京が末っ子なんだ。末っ子だからか可愛くってね、凄く甘やかしてたんだ」

「響華の弟なら生きてそうだけどな」

「なんで?」


口は笑っているが目は笑っていない。

この建物でたくさんの死体を見て、自分の弟だけが生きているなんてほとんどありえないから、悪い方向に考えていそうだな。


「タトゥーをしてる女の弟ってなんか強そうじゃん」

「適当かよ、死ね」

「まぁ大丈夫だって。生きてるよ」

「はぁ…あんたのこと、頼りになるし少しは良い男だって思ってたのに。適当すぎるでしょ…」

「俺に惚れそうだったのか?ははっ、見る目がないな」

「そこは見る目があるって言うとこじゃない?」

「俺みたいな人間と付き合っても良いことなんて1つもないからな。友達ならちょうどいいんじゃないか?」


あっそ。と言いながら寝転んでしまった。


「おやすみ」

「あぁ、おやすみ」


さてと、俺も寝るか。

でも寝れるかな?めちゃくちゃ目が覚めてしまった。


「…ねぇ」

「なんだ?」

「起きたらさ、連絡先教えてよ」

「今からでもいいけど」

「眠たいから」

「わかった。じゃあ明日な」


女子の連絡先が増えていく。

モテ期が到来したみたいだな。


スマホを見ると数時間前にみかからメッセージがきていた。


ーーーーーーーーーーーーーーーーー


みか:またモンスターと戦ってるし…


みか:戦闘狂すぎ


みか:ちゃんと生きて帰ってきてね


ーーーーーーーーーーーーーーーーー


わかったと返事を返しておいた。


それにしても可愛くて若い女の子達に好かれるのは嬉しいな。

フリーターになってから異性と絡むのはおば様ぐらいだったしな。


最後に女性と付き合ったのは3年前だ。

もう2度と恋人なんてできないと思ってたけど、もしかしたらまた俺に彼女ができてしまうのか?


そんなことを考えながら眠りについた。



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