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プレイ時間:34時間〜

プレイ時間:34時間〜



 結局、その日はアカリアに二度目の攻撃を当てることはできなかった。

 アカリアが言うにはパーティが新人を鍛える方法で、高レベルのプレイヤーと戦わせるという手法があって、例えばレベル100くらいのプレイヤーに一発でも当てれば、レベル1からいきなり5くらいには上がるらしい。

 ただし、運営が人工知能を使って監視しているから、手抜きをして攻撃を当てても無効らしい。

「僕もだいぶやらされたけど、うんざりしたよ」

 本当にうんざりした口調でそういったアカリアが印象深い。

 翌日の夜、僕はアカリアと訓練施設で待ち合わせして、中に入ると格闘の訓練を始めた。

 昨日のログアウトの直前に、テクニックを見せてくれると提案してくれたのだ。

 訓練施設で向かい合い、お互いに武器は槍だけ。柄は短く、投槍にもなりそうだ。

「三つの動きを組み合わせるんだ。攻撃してきて」

 言われるままに僕は突きを繰り出した。

 アカリアのアバターが槍でそれを弾き、接近、肩から僕のアバターにぶつかり、宙に浮いたところを槍で突く。

 僕は防御できずにダメージを負って、しかし立ち上がる。

「防御、踏み込み、かち上げ、突き、の四つで今の動きができる。今はだいぶ遅くやったけど、TWCはもっと早い動きにも対応するよ。もう一回攻撃して」

 なんか、自分のアバターが無駄に傷つけらえる気がしたけど、仕方ない。

 僕は槍を繰り出す操作をした。

 槍が突き出され、先ほどと同じ動きをアカリアがやるけど、一つ一つが重なるようにぎゅっと間を短くし、攻撃の直後には僕は弾き飛ばされていた。

「僕に当てられるか、やってみて」

 ちょっと反発心を感じながら、アカリアが突きを繰り出すのを待ち構える。

 待ち構えるけど、動きが段違いに早い!

 僕のアバターが受けることもできずに繰り返し跳ね飛ばされ、結局、最初の防御することができるようになるまで、10分は必要だった。

 しかも防御が目的ではなく、反撃が目的なのだ。

 槍の柄を使った防御の後、踏み込み、かち上げ、突き。

 かち上げは僕も習得したばかりのモーションだけど、アカリアはなかなか使わせてくれない。

 僕が防御から踏み込み、と進んだときには、アカリアが後退しているのだ。

 自然、かち上げが空振りになり、アバターが泳ぐ。

「そう簡単に当てさせるものですか」

 さすがに頭にきて、僕は必死に攻撃し、しかしアカリアは逃げ続けた。

 からかわれているのかな。



(続く)

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