プレイ時間:22時間〜
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訓練施設では、ちょっと拍子抜けしてしまった。
レベル3の訓練用モンスターを選択したのに、こちらの三段突きを受けると、それだけで相手が消滅してしまうのだ。
訓練施設のNPCアバターに、第二階層の訓練施設を使うことを勧められてしまった。
まだ第1層を離れづらいので、僕はそのままレベル3の訓練用モンスターを相手に、新しく習得したモーションを確認した。
プランツロードを倒した時に獲得したのは「突撃」、「サイドステップ」、「追撃」である。
突撃は大きく前進して、どうも突きの威力が上がるらしい。
サイドステップはそのまま、左右のどちらかに軽快に踏み込める。でもこれは、僕のアバターの鈍臭いことで相殺されそうだ。
追撃は不思議なモーションで、攻撃に攻撃を接続するモーションらしい。
追撃の使い方にはコツが必要そうだ。まず攻撃のモーションを使い、即座に追撃のモーションを使い、間を空けずにまた攻撃のモーションを使う。
ほとんど訓練用モンスターを無視して、僕は突きと突きの接続を確認し、モンスターが攻撃してくると、ちょっとサイドステップを試みたりした。
避けられる時と避けられない時がある。
タイミングもだけど、まだ横移動の間を計れない。
攻撃に関しては三十分ほどでおおよそはしっくりきて、訓練施設を出た。
向かった先は商店街の中でも武具店の並ぶ一角のデギオン武具店だけど、閉まっていた。
パーティを組んでいるのでログインしているか確かめることができた。先に調べればよかったな。デギオンは今はログインしていない。現実世界で何かをしているのかもしれない。
僕はふらふらと商店の間をいったりきたりして、ふと気づいた。
僕のレベルは7だ。つまり選べる武器の幅が広がった。
デギオンに作ってもらってもいいけど、今日の武器にちょっと困ってもいる。
円盤盾を破壊されてしまったので、防具を買う必要はあるのだ。鎧も、そろそろなめし革の鎧が限界だ。
商店の中でも、NPCの店を選んで、その上で、レベル5以上を扱う店に入ってみた。
店名は「ゴルドイーグル・ソード・アンド・シールド」となっている。すぐ下に「GESAS」とあるから、みんな、そう略するのかもしれない。
中に入るとNPCの中年男性が出現する。作業着のようなものを着ている。
店内は商店というよりは、工房という感じである。大型の機械や炉などが見えた。
「何をお求めだね、ハルハロンさん」
低い声で問いかけられるのと同時にウインドウが開き、商品を選べるようになる。
盾は……。
絞り込みをかけて、レベル7、片手、などとの条件を入れると、四つほどが残った。
一番安いのは、戦士の盾、か。耐久度は80、防御力は80だ。だいぶ固そうだな。
それを選択すると、中年男性が、胡乱げな顔になる。人間じみているけど、人間ではない。
「だいぶ重いですが、構わないかな、ハルハロンさん」
重い?
サブステータスをチェックするけど、ギリギリで持てそうだった。
ただし、武装にだいぶ数値を持っていかれて、装備できるアイテムは減る、か。
まぁ、いいか。どうせ一時的な武器で、デギオンに合うものを作ってもらう予定だし。
こうして僕は900ダラーで戦士の盾を買った。
鎧も鉄鎧を選んで、しかしその中でも軽装のものにした。こちらは700ダラー。
さて、これで少し、実戦経験を積むとしよう。
(続く)




