番外編オリジョン、結婚する
俺は今日結婚する。
18歳の頃から結婚を促されていたが、前世の記憶で20歳過ぎてから結婚と刷り込まれていたので、20歳になってしまった。
婚約者のリンには待たせてしまい、申し訳なく思っていた。
が、どうしても20歳にならなければという気持ちが先に立ってしまったのだ。
女性の20歳は少し行き遅れ感が漂う。
肩身の狭い思いをさせてしまっただろうと思う。
が、リンは文句の一つも言わず、俺の好きにさせてくれた。
出来た女である。
『リン、結婚指輪受け取ってくれる?』
『オリジョン、私たちのお揃いなの?
嬉しい!』
この結婚指輪も、前世の記憶だ。
この世界には結婚指輪の風習は無いみたいだった。
左手を出してもらい、薬指にはめる。
うん、ぴったりだな。
『きれい。
繊細な模様が入ってるね。』
王都で腕の良い職人を見つけ出し、ハートのマークを透かし彫りにしてもらったのだ。
中々良いお値段だったが、納得のいく出来上がりになって大満足だった。
『結婚、随分と待たせてしまって悪かったね。』
『うん、大丈夫だったよ。
オリジョンの事信じてたから。』
ここ数年で美しく育ったリン。
本当に俺の妻にしてしまっても良いのかと迷ったが、愛しい思いがつのり、結婚の日となった。
『リン、結婚してくれてありがとう。
二人で幸せになろう。』
『オリジョン、嬉しい。
やっと家族だね。
子供、何人位できるかな?』
『うん、神様が授けてくれるだけだね。
リンと二人だけの生活だとしても俺は幸せ。』
子供が授からない夫婦だっているのだ。
あまりプレッシャーをかけちゃいけないよな?
『ね、リン。
抱き締めても良いかい?
キスしても良いかい?』
『オリジョンのバカ。
そんな事聞かないで。
私はもう、オリジョンのものだよ?』
う~ん、そんな事言われたら我慢出来ない。
夜にはちょっと早いけど、寝室にこもっても良いかな?
初夜の事は前世の記憶にはないけれど、雄としての本能が叫んでいる。
さあ、美しい妻の手を取り、寝室にこもろう。
リン、愛しているよ。
名実共に夫婦となろう。
オリジョンの兄のアルデールは結婚指輪をひと目見て、金儲けのチャンスだと感じた。
兄により【O・Rリング】として世間に広めブームを起こしたのは又、別のお話。
そして【O・R】が【オリジヨン・リン】だったと知るのも又、別のお話である。
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あとがき
アルファポリス様にてお気にいり100越え感謝の番外編書きました!
オリジョンの人生も、皆様の人生も山あり谷ありですが、幸せでありますように。
読んでいただき、ありがとうございました♪




