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「美味しい……ッ‼︎」


口に広がるお肉の風味が下を刺激していく。


かつて食べたどの肉よりも歯応えがしっかりしていて、その上肉の優しい舌触りが程よくいい。


「疲れている時に食べるお肉は美味しいですね」

「うん‼︎」


美味しそうに頬張るアリアと熱い肉にかぶり付くアルマリアの二人が黙々と食べていく。


砂によって体力を奪われ、無人との急な戦闘にも耐えてきた体にも疲労が見え始めていた。


腕を上げれば重く、足を前に出せば出し忍んでしまう体は、美味しく仕上がった肉の力により復活することとなる。


口に入れたお肉が食道を通り、胃袋に到着する。


頬張ったお肉があっという間に無くなり、アリアとアルマリアの胃袋を満たした。


満腹感に膨れた二人が、余韻に浸っているとーーー


「お前ら……こんなところで何してんだ?」


不意に男の声が聞こえてきて二人は声のする方を見た。


そこにはロンドの姿があった。


「ロンド……貴方こそどうして?」

「お前らな……、勝手にはぐれといてその台詞はどうなのよ?」

「……あぁ、気が付かなかったですね」

「オオィ⁉︎」


ユースティスが一人で先走ってアリアと別れる前ーーー


最初こそ四人でいたアリア達。


その中にいたロンドだったが、群衆に身を削られ体力を削がれ、挙げ句の果て飲み込まれていった。


彼は前を行く三人に必死に食らいついていたが、追随を許さない街の人達を相手に遂に限界を迎え、三人を見逃してしまったのだ。


そうして一人取り残されたロンドは、三人が消えていった方角に歩き続けていった。


見失った場所を手当たり次第探りながら、逸れた三人を見つけようとしていた。


しかし、何処を見ても彼らの姿は無く、諦めたロンドは仕方なく辺りをふらつくことにした。


アリア達を探していくついでに街の道路沿いを出店によっていく。


ふと目についたのは、宝石店だった。

そこの宝石店は種類が豊富だった。


煌びやかな装飾品の中に光り輝く宝石達。

艶やかに彩られた店が何とも目に止まった。


魅力的な店を前にしてロンドは中へと入っていく。


中に入れば、光に覆い尽くされた店内が広がっていた。


「いらっしゃい……」


驚きに目を当てていると、か細い男の声が耳に聞こえてきた。


声に反応して見れば、そこにいたのは白髪に染まった髪。


その頭には深緑色に染まった帽子が乗っていた。


彼は帽子を深く被り、奇妙な雰囲気を纏った男は射貫かんとする瞳でこちらを見てくる。


雰囲気に飲み込まれそうになるのを抑えて、ロンドは彼を見据える。


ただならぬ雰囲気を醸し出す彼に、数秒視線を合わせた後店内を見て回った。


目に入り込んでくる赤、青に緑や黒といった色鮮やかな染色品が目白押しく並んでいた。


どの宝石達も美しく光り輝いており、目を奪われた。


かつてこれほどに美しく輝きを放っていた宝石を見たことがあっただろうかと。


記憶の断片を探るように手探りに戻ってみるが、やはりその記憶はないと断定出来た。


しばらく宝石に見惚れていると、不意に老人が立ち上がる。


その姿に目を移した瞬間ーーー

視界の端に映った宝石に目をやった。


「……あ、これ」


その宝石が目に入った瞬間、思わず声が漏れる。

それは、かつて一度だけ……。


一度だけ見たことがあった。

視界に映った黄色に光った宝石。


その宝石は……、彼女と共に過ごしていた時にしていた宝石に類似していた。


懐かしい。

そう胸の中に込み上げてきた。


宝石にはネックレスが付いており、首に掛けられる仕様になっていた。


それを見て思う。

きっと妻が見れば喜ぶだろうなと。


「お客さん……偉く気に入ってるように見えますね」


そう胸に思っていると、心中を察したのか。

いつの間にか背後に立っていた店主が声を掛けてくる。


「え……、あ、あぁ……」


白髪の老人はこちらを見て言った。


「その宝石は、他の店にはない貴重な代物でしてね。お客さんの目に止まったということは、何か縁を感じたんじゃないかなと」


店主が視界に映り込む黄色の宝石を見つめる。


「良かったら買って行きますか?丁度最後の一つでしてね……」


そう言って帽子のつばが下に向き顔が見えなくなった状態の店主を見て、ロンドは言った。


「最後の一つか……、進められたなら買うしかないな」


ロンドはふと笑って答えた。


自分が気に入ったのもあるが、それ以上に何か縁を感じた。


この縁が確かなものなのか分からない。


だが、不思議と惹かれた宝石を手に取り、ロンドはその宝石を買うことにした。

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