表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
15/106

error code.12

「何してるんだ‼︎死ぬぞ‼︎」


バンダナ男が忠告するが、一切聞こうとしないユースティスがそこにいた。


そして、遂に三人の前に無人が姿を現し、攻撃をしようとしていた。


ゆっくりと時間が流れる感覚に襲われ、バンダナ男は覚悟を決めた。


もう駄目だと思い、思わず目を瞑りそうになった。

視界がブラックアウトしていく。


その時ーーー


「ふん……」


鼻を鳴らしたユースティスに、バンダナ男は閉じかけていた目をこじ開けてその様子を伺った。


無人から放たれた鋭く伸びた爪がユースティスに向かってくる。


常人では捉え切ることすら不可能な早さの攻撃。


だが、ユースティスは臆することなくその攻撃を一瞥すると、


「エラーコード」


アルマリアと同様の言葉をボソリと呟いた。


すると、ユースティスの裾から漆黒に塗りたくられた黒色のカードが出てくる。


「私怨」


続いて詠唱を唱えると、黒色のカードが淡い青色の光りを伴いながら輝きを放つ。


カードが姿を変えて黒色に彩られた色彩の剣がユースティスの手に握られていた。


剣を前に掲げると、徐に向かってくる攻撃を斬り捨てた。


無人の攻撃を防いだユースティスは澄ました顔でアリアを見る。


その憎たらしい顔に、アリアの隣にいたアルマリアは憤慨しながら彼女に続いて、無人との距離を一気に詰め唱える。


「私怨……バースト」


銃口を無人に向けて一気に引き金を引く。

そして、無人にトドメを刺した。


粉砕していく無人を見つめながら、アルマリアは銃の弾を替えて戻ってくる。


「全く……、攻撃を防いだぐらいでいい気分にならないでください」

「ふっ、すまないな。つい己の力を見てもらいたくてな」

「くだらない……」

「ほう?もう一編言ってみろ」


そう言う彼の手には真剣が握られていた。

不気味に光る剣を前に、全く物怖じしないアルマリア。


その二人に挟まれたアリアは、少し目を細めて言った。


「まだ終わってないよ二人共……」


呆れ混じりに吐いた言葉が二人の耳に届く。

これがアリアの最大の武器、


最強の矛ーーーアルマリア。

最強の盾ーーーユースティス。


二人の武器。

それと、


「ミスコード‼」


アリアは詠唱すると、服の裾の隙間から真っ赤に燃えた赤色のカードが飛び出した。


「私怨‼」


続いて発した言葉に呼応して、赤色のカードが光を放ち、形を変えていく。


光の収束と共に、アリアの手には銃剣が握り締められていた。


三人の姿を見たバンダナ男が驚いたように声を上げた。


「お前ら……、コード持ちだったのか。それも、戦争の受け継ぎってやつか」


バンダナ男が喋りながらアリアに近付いてくる。

まだ無人がいるというのに。


彼は呑気に話しながらこちらに向かってくる。


「俺も昔は戦争に参加しようとしたさ、まぁ子供だったから無理だったがな」


だが、アリアの懸念はバンダナ男が見事に粉砕した。

懐に入り込んだバンダナ男が無人に一撃を与える。


それだけで無人は粉々に消し飛んだ。


いつの間にか残っていた無人はあっという間にいなくなり、バンダナ男は戦闘を終えていた。


「貴方……なかなかやるのね」

「それは俺のことかい?冗談はよせよ。おたくらの方がよっぽどやるぜ。特にあんた。子供かと思ったがーーー立派な力持ってるじゃねーか」


バンダナ男が力一杯アリアの背中を叩いてくる。

流石男性と言うべきか。


背中がヒリヒリして痛い……。


愛想笑いを浮かべたアリアが、ふと気付いたように言った。


「あははは……、そう言えば、貴方のお名前聞いてなかったわね」

「ん?俺か?俺の名前はサンドルス・ロンドだ」

「そう。じゃあ……、ロンド。貴方はどうしてここに?」

「いきなり名前呼びかよ……。まぁ、いいけどよ。俺はこの道を抜けようとしたんだ。俺は元料理長でよ……、トゥディって言えば分かるか?」


その単語に聞き覚えがあったユースティスが、顔を歪め反応した。


「トゥディと言えば……」

「有名な名なの?」

「最近出来たばかりの料理店だ。その味は絶品で三ツ星は硬いと言われてたが、突如店を畳んだらしい。何でも、従業員全員が辞めたと聞いている」

「料理長の俺が辞めれば皆辞めてったさ」

「成る程な。だか、いかんせん分からんな……。何故輝かしい未来を捨てて、死と隣り合わせの危険が伴う無人を倒そうとしてるんだ?」


確かにユースティスの疑問も最もである。


料理長という立派な職があるならば、こんな辺境の地にいなかっただろうに。


ましてや死と隣り合わせにも近しいこの世界で、あえてこの道を選んだことを気にするのも当然だ。


ユースティスの鋭く睨んだ目が飛んできたが、対してロンドは何か思い当たるのか突如顔色を暗くして答えた。


「家族をやられたんだ。この世でたった一人の妻をな、夫の俺が妻の仇を取らないでどうするんだって話だ。今は妻から託された娘と二人で暮らしてる。娘は母親が死んだことを知らねぇ……、仇を討ってから報告するつもりさ」


ロンドの顔を見た三人は息を呑む。

彼にも思うところがあってこの場にいるのだと。


それぞれの思いが交錯する。


皆が何か悲しい事情を持っている。

それがこの世界だ。


「……貴方にも貴方の意思があってここにいるってことね」

「そういうことだ。お前らは何でここにいる?」


ロンドは疑問の目を向けて聞いてくる。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ