野盗、ローラ一派
『獣たちの怨嗟の魔境』で一晩明かし、『仄暗い野盗たちの楽園』への帰路、
龍人と旭は槍を持つ魔獣 黒き闇のラビットを複数討伐する。
「ふーとりあえずここの敵は片付いた~」
「一昨日あれだけ倒したのにもうこんなに復活してるんだねぇ、
攻撃力もそれなりに高いし、狩場にできればいいんだけど」
「まぁ効率的にはあまり変わらんし、
野盗達と野良の俺らとのバランスは今のところ平穏だからなぁ、言ってもしょうがない」
「まぁそうなんだけど」
「「「!?」」」
龍人、旭、ジョージはそれぞれのタイミングで気配を感じる、
「誰だっ」
「……」
龍人の問いかけに対する答え、沈黙、龍人と旭とジョージ以外、視認は出来ない、
だが、旭もジョージですら何かを感じた。答えは誰かいる。それ以外無い。
「アヒルのジョージですら気づいたんだ、
ジャパニーズ忍びじゃねーんだろ、いい加減出てこい」
ようやく出てきた三人、
龍人より僅かに大きい筋肉隆々の大型クラブを持つ巨漢の男、
細身だが177cmほどの刀虎徹を持つ男、
かなり長い後ろ髪、
巻き巻きのロールの赤髪が特徴的な
旭と見た目も身長も同い年のくらいの少女、長槍を持つ、
「なんか用かよ、野盗の生者だよな、おたくらのボスには許可取ってるぜ」
その龍人の言葉を意に介さず『ふふん』と赤髪の少女は話し始める。
「そんなことは関係ありませんの、わたしたちは脳筋を倒し、
野盗の組織で上に行き、やがては今の王を継ぐ、最有力候補になりたいだけですの」
赤髪の少女はそう言い放ちながら最後その長いまきまきロールの左側を左手で払った、
「野心は結構だが、俺にそこまでの価値はねーぞ、過大評価がすぎるんじゃねーか?」
「それこそ過小評価ですわ、万の時を超えるとも言われている、
この地獄、テラ・グラウンド最強の脳筋」
「あなたには十分わたしたちの立場を上げる価値のある素材ですわ」
「それで、この世界にトータル千年に、
いや500年に届いてるかどうかもわからん3人で俺と、
旭をどうにか出来るとでも?」
「……」
赤髪の女性は固まる、後ろの二人も固まる、
「おまえ、馬鹿だな」
「あなた一人ならわたしたちが徒党を組めば足し算ではなく掛け算になるのです、
噂で聞いた名前だと旭さんと言いましたかしら、
ここはとりあえず手を出さず見守っていただけるかしら」
「あなたの名前は? 私はあなたの言うとおり旭、朝凪 旭、」
「わたくしはローラ・マルドゥクス、いずれ野盗の王になる女生者よ」
「ローラさん私は手出さないから、さっさと始めて」
あっけらかんと旭はその3対1を許可する。
「え、あ」
あまりの決断の速さとドライとも取れるその対応に
ローラ・マルドゥクス呆気にとられる、
「ほらジョージ巻き込まれちゃうよ」
「ああすまない」
旭は隅に移動し地面にわざわざ腰を下ろし、ジョージを抱いて観戦モードになる。
「そっちの二人、一応名前聞いておこうか」
「アイン・クロコダイル」
「石動 十兵衛」
アイン・クロコダイル、
色素の薄いやや黒い緑の髪の色、モヒカン、
そしてそのモヒカンの後ろは長く紐で縛っている、
身長は龍人と同程度、もしくは若干低い、
目の色は青、肌はやや濃い、
褐色とまでは言わない3人の中で一番濃い肌色、
両の手に白い包帯、黒の半袖の服、
左胸を保護する濃い灰色の胸当て、左肩に肩甲冑、
生者のベルトは右の腰部分から左下に、
その下に腰甲冑、更にその下には灰色の赤い紐で結んでいるズボン、
足甲冑は膝ガード付き、
巨大なクラブ、灰色の鉄でできた『グランドクラブ』を装備する。
石動十兵衛、
スラッとした細見、髪の色は黒、
前髪が二本が両目の中心を超え鼻が始まり3分の1程度までの長さ、
左右に分かたれたもう二本の前髪は緩やかに外に向かって顎先ほどの長さで、
後ろ髪は肩の始まりから25cmほど、
色あせた緑がかかった薄茶色の眼光鋭い瞳、口もとはへの字、
目尻と鼻の始まりの中間から左右の顎にむかって筋が入っている顔立ち、
やや濃い目の灰色の半袖の羽織のようなもの、
黒い帯でそれは腰当たりで結ばれている、
その下には黒の長袖のハイネック、
左の心臓付近から右下までカバーする胸当て、
生者のベルトは右から左にやや斜めに着用されている。
白いズボン、茶色の和風足甲冑、足の部分はわらじのようになっている、
足甲冑から伸びる紐は黒、鼻緒は赤色。
靴下は足袋、
装備は刀、虎徹、
ローラ・マルドゥクス、
赤髪、前髪は均等に9つほどに分かれ、
それとは別に両サイド生えるから胸の上辺りまである髪、
後ろは説明したとおり巻き巻きロール、
太ももの裏くらいまである長い髪である。
瞳の色は緑、気の強い性格そのままに若干つり目、
上の服装はオブリークネック、
右肩から左の脇の下まで大胆にカットされたデザインの黒に近い色の服、
その上に濃い灰色の肋骨まで覆うような胸のラインはきちっとしている胸甲冑、
左肩に肩甲冑、生者のベルトは右から左下へ斜めで装備されている。
腰甲冑も装備、その下は若干朱の入った黒いタイツ、
足甲冑は右側だけ膝までガードがあるアシンメトリーの足甲冑を装備している。
槍は長槍、
『三槍』十文字槍のような形だがそれは派手無く装飾のようなもので
そこにダメージ判定はない、
スタンダードな槍とも言える、
銀色の穂と、手で持つ部分の太刀打ちや、
その他の部分は茶色の武器である。
龍人は『闇の衣の柱石』を使用する、
本来はけしかけてきた野盗3人が使うべきだが、
龍人は省略する、不敵な笑みを浮かべて、黒い闇の衣を纏い言う、
「脳筋、吾妻龍人だ、きな」
「「「ごくっ」」」
その迫力に、その姿に生唾を飲む3人。
「ッッアイン、十兵衛、わたくしが弓で牽制します、二人掛かりでやっておしまいッッ」
「おうっ」
「承知っ」
ローラ・マルドゥクス装備を弓に変更する、
それは大型の弓『クラドボルニカ』、高速の威力のある弓、
射程有効距離はあまり長くはないが、
短距離ならばかなりの速度で対象を襲う弓の中でもかなりの威力で援護できる弓である。
「シッッ」
「もらった」
「覚悟っ」
アイン・クロコダイルは大型クラブ『グランドクラブ』で、
石動十兵衛は刀『虎徹』で、龍人に襲いかかる、
「ッッッ(やれやれ)」
龍人は一斉に襲いかかる弓とクラブと刀の攻撃を
大剣ヴォルファングでただ円を描くように薙ぎ払う、
「なッッ」
「にっ」
「いぃぃッッ」
アインと十兵衛は吹き飛ぶ、矢を放ったローラの所まで、
「一応躾けとくか、オシッコ漏らすなよ?」
それは、脳筋を、筋力を活かした、独自モーション攻撃、
吾妻龍人得意のヴォルファング片手持ち連撃、
まずは立ち上がったばかりの石動十兵衛、
「ッッッ(な、なんだ、なんだ、これはっ)」
「踊れ」
虚と実を混ぜた高速の連撃、それは石動十兵衛を絶命寸前まで追いやる、
しかし殺しはしない、
「貴様ぁッッ」
仲間のピンチにさすがに動き始めるアイン・クロコダイル、
「! ちょっと待てよっ今スタミナ枯渇寸前おじさんなんだよッ」
アイン・クロコダイルの大型クラブの攻撃を龍人は後方に下がることで躱す、
「ちぃッッ」
「だいたいそんな大型クラブじゃ、当たらんぜアイン」
「黙れぇぇぇぇッッ吾妻龍人ぉぉッッ」
「まぁ推して知れや」
「オオォォォッッッ」
声を上げて襲いかかるアイン、しかし、彼は思い返す、
「(!? なんだこれは、始めてBOSSと戦った時のような、
いや、そうじゃない、それ以上の規格外の何か)」
「シッッ」
「ッッッ(これが最強の脳筋ッ)」
ヴォルファングの高速連続攻撃、
それがアイン・クロコダイルを襲う。
石動十兵衛と同じように絶命寸前まで追いやられる。吹き飛び、戦意は喪失する。
「さて、あとはお嬢さんか、」
「まぁ何事も社会勉強だ、行くぞっ」
龍人は距離を詰める、ゆっくりと歩を進める、
ローラ・マルドゥクスは大型の弓『クラドボルニカ』で大きな矢を放つ、
しかし、それはことごとく弾かれる、ことごとく軽く回避行動を取るまでもなく躱される。
「ヒッ」
「いくぜ?」
大剣ヴォルファングの高速連撃、それは全て虚構、フェイント、
しかしそれを見たローラ・マルドゥクスは戦意喪失し、その場に倒れこむ。
「ッッッッッッッ」
「おしっこ漏らさないだけ立派だな、ローラお嬢ちゃん」
「はぁッはぁッはぁッなんですのッあれはッ」
ローラにその龍人の言葉は聞こえているのかわからないが、
今ローラ自身が体感したものはなんだったのかまだ理解が追いついていない様子である、
「これに懲りたら着実にやるこったな、行くぞ旭、ジョージ」
龍人は『闇の衣の柱石』を使い解除する。




