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診断結果

挿絵(By みてみん)



 報告、『診断結果』 それは既に行われていた。



  〈限りなりブラックに近いブラックです、

   いえ、限りないはいらないくらいのブラックだと思います。

   いや、これも違うかな……間違いなくブラックです〉



 旭は嘘がないように、

 言葉を発言するたびに自身の勘と折り合いをつけて診断結果をジャックに告げた。



  〈…そうか…ありがとう、旭、

   正直に話すのは君も辛いだろうに、〉



  〈いえ、私はべつに…、

   オブラートに包んだほうがいいのかなぁとは想ったんですけど、

   でもここは、地獄だから…〉



  〈いや、その判断に間違いはないよ、ありがとう〉



 ジャックは旭に、その的確さに、残酷さに、感謝を重ねる。

 信用たり得すぎて頼もしさすら感じている。


 

 健康診断の結果は100パーセントの黒、



 診断者 朝凪 旭、脳筋の相棒、



 若干3ヶ月弱だが最強の脳筋の隣に居続ける彼女を疑う余地はない。

  


  〈…龍人、すまないが最後まで頼まれてくれないか?〉



  〈なんだ? とりあえず『聞くだけ』なら、いいぞ〉

  


  〈雪原の向こう側は、今はBOSSが強くなりすぎていてね、

   妻と二人でようやくある程度余裕で倒せるレベルの敵になっているんだ。

   もちろん一人でも倒せはする、挑戦し倒したこともある、

   だが一度だけだ。妻とも一度だけ、

   一人で戦った時もかなりギリギリで

   妻が遮断の指輪で見守って居てくれる安心感があってようやくだ。

   だからどちらにせよ妻が通常なら、の話なんだ、〉



  〈そうなのか? 最近あっち側には行ってないからな、初耳だ、

   あんたも相当やるのは感じでわかるからな、

   そうか…ほとんど攻略者が居ないからアニマを溜め込んで進化したってところか〉



  〈ああ、ここ20年位の話だよ、まぁともかくそれはそれだ。

   雪原の先の先の先、

   そこにいる、『魔女 フレデリカ・アラーノ』は知っているだろ?〉

  


  〈ああ、〉



  〈昔尋ねた時に、彼女が研究している物の中に、

   記憶の流失を抑える研究もあったんだ、

   あれからそれなりの年数が経っている、

   今なら成功して完成品があるんじゃないかと思うんだ、〉



  〈それを、取りに行って欲しい、か、〉



  〈そうだ、頼めるか?〉



  〈いいぜ、どうせ行くつもりだった、あんたは 奥さんのそばに居てやれよ〉



  〈すまない、恩に着る、〉



  〈恩なんて売る気はない、ライバルだろ、俺らは。『転生』を目指す、〉



  〈…そうだな、ありがとう、龍人〉








「痛っ痛っなにこれっ顔痛っ寒っ寒いっていうか痛いっ」



「どうだ、これが雪原ステージ『忘却の雪原』だ、楽しいだろっ」



「なにっ? 龍人なんか言ったっ? 今の聞こえなかったんだけどっ」



「楽しいだろッッ」



「こんなの楽しいかぁぁぁッッッ」



「喜べっ一番吹雪がキツイ時期に当たったみたいだなっ、

 運がいいぞッッ旭ッッ、痛っいてぇッッ、

 昼過ぎはこんなんじゃなかったのにッッやっぱ頭おかしいぞこのステージッッ」



「敵来たっ、本気でこの状況でやるのあんたッッ考え直しなさいよッッ」



「亡者になに言っても無駄だろうがッッやるぞっっ

 前に二体、後ろに二体だッッやれるなッッ」



「やれるわよッッ」



「私は、朝凪 旭だからッッ」



「ッッッッ」



「(足がっ取られるっわかっちゃいたけどっっ)」



「(足も、手もかじかむ、これも人の『所作』ッッ)」



「(でもっ 『所作』は継続すべき物と、状況によって取り払わないと行けないものがあるッ、)」



「(地面の雪は土、吹雪は、無いっっ私は負けないッッ)」



「シッッ」



 決意そこそこに旭は掛け声ともに亡者たちを狩る、

 雪原の亡者は始まりの狩人と亡者の森の亡者より軽快、強さは段違い、

 そしてこの環境である。

 素人がここに来たのならあっという間に忘却するほどの絶望的環境下である。

 故に忘却の雪原、一部を覗いて誰も来ない、そして自殺の名所でもある。



 この世界はゲームではない、地獄、

 しかし『システム』は確かに存在する、

 腕を切られてもちぎれることはない、

 どんな脳筋に強打で殴られても顎が砕け、砕けたままになることもない、

 暑さは感じ、痛みもある、寒さも感じる、

 しかしその人の強烈までなイメージは多少の間具現化する、

 かつて、理道正知がそうだったように、その逆もしかり、

 『思い込む』、『所作』の逆、

 『意志』による『想定』により、完全ではないにしろ、

 幾分雪も暑さも、足を鈍くする降り積もっている雪を思い込みによって、

 ある程度個人差はあれど軽減することは可能なのである、



「ッッッッどうっ」



 見事な立ち回りで2人の亡者を討ち果たす、



「…(…驚いたな、もう『領域』の前段階の手前くらいまで

 使えるようになってきてる、本当に、なんなんだこいつは)」



「ふぅぅぅ一応やれたみたいね、龍人どうだった?」



「ああ、大したもんだ、だが、『領域』の前段階は時には害にもなる、

 領域に完全に入れれば地面を気にしないで構わなくなるが、

 領域に近付こうとしすぎて足を取られてやられちゃ本末転倒だからな、

 まぁわかってると思うが。

 口うるさいとは思うだろうが俺は基本『自分の世界の住人』には大分お節介だ、許せ」



「もっと褒めてもいいよ 龍人、私の驚異的な成長っぷりをっ」



「はいはい、いくぞ、聞こえづらいし、疲れるし、日が変わっちまう」



 龍人は歩み始める、この豪雪の中を、旭を置き去りにするかのように、



「あっちょっと待ちなさいよっ龍人~」



 もはや聞こえないが旭は元気にそう言いながら龍人の足跡の奇跡をついて行った。




過ごしやす季節になってきましたが、

すぐに終わったりしませんよね?(フラグ)

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