鍛冶屋の本気
一度目の強化成功から4日後、昼、
一度目の成功の後、4日程来ないでくれと念を押されていた龍人と旭が
『鍛冶屋』虎徹にやってきた。
「これが、最大まで強化した『果てなきオーラのロングソード』だ、
だが、俺とクスハじゃ装備してもいまだ説明文がでない、
ここで装備してみせてくれ」
鍛冶屋虎徹ではなくクスハが旭に『果てなきオーラのロングソード』を手渡す、
「はい、わかりました」
旭は受け取ると右手に即座に装備、『フレーバーテキスト』、
説明文を自身の視覚野に表示させる、
「なにか、わかったか?」
鍛冶屋虎徹が問う、
「…『これは使い手を選ぶ、そしてこれはアニマを使用し、
手持ちの結晶化されていないアニマか所有する結晶化してあるアニマか、
装備者自身の『人間性』と言う名のアニマを消費する代わりに
オーラ《生命力》を発生させ、
攻撃力とリーチを伸ばす果てなきオーラのロングソード』」
「なんだそりゃ、とんでもない武器じゃねぇかっ」
アニマを犠牲にする武器、そんなものは聞いたことがない、龍人は流石に声を荒げる、
「うん、試してみないとわからないけど、『やばい予感』がする」
旭もその使い方に、『最悪』の可能性、使い方によっては『最強』の剣に、
『最悪』と『最高』の可能性を『予感』する他ない、
「最大強化して何らかの条件を満たした者が装備しないとフレーバーテキストもでない、
機能しない装備か…、訳がわからねぇな」
「ともかくありがとう、虎徹さん、クスハ、」
旭はその仕事に満面の笑みで答える、『まけてくれるよね?』、
若干混じったその笑顔で答える、
「礼には及ばねぇよ旭、お代はキッチリ受け取るからな」
「え、あ、そうですよね、…あの…その…いかほどでしょうか…」
手と手を合わせ指も足もモジモジしながら上目目線で虎徹に伺う旭、
「なあに、旭の嬢ちゃん、おっぱい揉ませろとは言わねぇよ」
「ほっ」
その言葉にほっと胸をなでおろす旭、
しかし、次の瞬間旭だけでなく、その場にいた虎徹以外全員が驚愕する、
「龍人、俺と『立ち会え』、」
「「「!?」」」
「『カオスアニマ』を賭けて、」
その顔に、表情に、『冗談』など微塵もない、
ただそこには虎徹の、『鍛冶屋虎徹』の『本気』の顔があった。