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Track on Nightingale Note  作者: 四神 夏菊
CodeName『Silber Messer』
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朝方の不思議な出来事の後、ボクはセンシミントを用いて初歩港ちゃんと共にある場所へと向かいます。それはボク達の住むマンションからそう遠くは無い場所に位置する、ちょっと錆びれたフラワーガーデン『ファンケルハギール』 花々が美しくも人があまりやってこない、ボク達の様に密かに話し合う場を求める人達にはピッタリの場所なんです。

二階建てのガラス張りが特徴的なその場へとやってくると、ボク達は慣れた足取りで中へと入りました。

「皆さん、もう集まってるでしょうか?」

「ん~ ヒストリーは集まってると思うぅ。」

「じゃあ、ボクも集まってる方へ票を入れましょう。」

軽いやりとりをしながらボク達は移動していくと、庭園への道を歩きつつ、その足で『裏口』へ通ずる非常口への扉の元へ。ハンドルを回しながら中へと入ると、そこには先ほどまでの空間と違い、部屋の中で待機する存在の方々がいらっしゃたのです。

「イオルちゃん、いらっしゃい。」

「やっほぉ~」

「何やら便りを受け取ったが、案件か。」

「出来る事なら、協力するぜ。」

「ありがとうございます、皆さん。」

皆さんからの言葉を耳にしたボク返事をしつつ中へと入ると、定位置であるガーデンチェアに腰かけます。同じく初歩港ちゃんも近くのレンガへ腰を下ろすと、ボクは皆さんの眼を見てこう言いました。

「それでは、ボク達【ナイチンゲール隊】 緊急会議を開催します。」


「「よろしくお願いします。」」

皆さんの声を聴いて、僕達の活動が開始したのでした。



しかしその前に、大事な『構成員』の紹介をしておきましょう。


まずはこの物語を語り部であり、皆さんのリーダーではないアイドルのボク『イオル・ノティス』

そしてそんなボクと契約をした、初歩港ちゃんこと『ヒストリー・初歩港しょほみなとボース』

部屋に入ると同時にボクを出迎えてくれた、青き鷹鳥人『ライゼ・護授もりじゅスクアーツ』

そんなライゼさんに並んで座るのは、フワフワな尻尾が印象的な猫獣人『リミダム・由凪ゆうなぎティブレン』

若さが引き立つナイチンゲール隊の長に等しいのが、部屋の左側に座る狼犬ろうけん獣人『クレトムーン・繊月せんげつシグル』

彼の隣に座りながらも、ボクの話を聞く視線を外さない蒼き造形体ゼルレスト『ピニオ・ウォータ』


ナイチンゲール隊は以上の6人で構成され、現代都市を護る傭兵さん達とは違って『裏』でその物事を解決するのでした。




「今回皆さんをお呼びしたのは、ボクの所にコレが届いたためです。」

会議が始まると同時にボクはそう言うと、カバンの中に入れておいた例の手紙を取り出します。皆さんの視線が集まるのを感じながら中央のテーブルに置くと、全員で席を立ち置かれた代物を見始めました。

「……手紙だな、シンプルな。」

「中身はふみだけか、イオル。」

「恐らくそうだと思います。では、中を見ましょうか。」


「んじゃ、俺開けるぜイオルちゃん。」

「お願いします、ライゼさん。」

ボクの代わりにライゼさんが手紙を手にすると、中にトリックが無い事を確認しながら中身を出します。そこには封筒よりも褐色掛かった紙が、一枚だけ入っていたのです。

中身を見たライゼさんはそのまま紙を広げ、読み上げてくれました。



 -----------------------



 この手紙を受け取った方へ お願いします。


 俺の知り合いが突然目の前に発生した『渦』に巻き込まれて 行方不明になっちまった

 どうか 一緒に探して欲しい


 相手は『乳白色のフード』 と 『風変りの井出達』 をした男性。


 もしこの手紙が無事に誰かの手に渡ったのなら 同じ紙にその旨を書いて 同じものを使って送り返して欲しい。

 どうか俺達を 助けて欲しい



 -----------------------



手紙を読み終えたライゼさんは手紙を置くと、皆さんは少し考える様に仕草を各々で取った後、こう言いました。


「「依頼、だね(だな)(ですね)。」」

皆さんの声が一斉に揃うと、全員で軽く苦笑しました。


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