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ゲー4(元)  作者: 鬼雨
目指すは再開、出会いは豪快
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復帰、再沈

前回のあらすじ

雪混じりの横トルネード




リョウの容体は結構深刻だった。

体中の魔力を使い果たしたため、生命維持が危ういところだった。

この世界での魔力は血液と同じくらい重要だ。

もっとも、完全に切れることはまずないらしい。

普通は切れる前に体が持たず、倒れるものなのだとか。

処置が間に合い、今は寝ている。

その間に事の次第を説明しなきゃならないのだが、随分と面倒な役回りだ。

というかオレールには悪いことをした。

あとで謝っておこう。


ぼーっとする。

目が覚めるとエルフの里のベッドで寝ていた。

体が全く動かない。

かろうじて腕や足がやや動くだけで、体が起こせない。

何があったんだっけか…

黒魔石撃ち込まれて意識がなくなって…

うっ、頭がガンガンする。

助かったのか?

少なくとも体の形に異常はない。

あの後どうなったんだ?

気になることが多すぎる。

そうこうしているうちに扉が開いて、コリンナが入ってきた。が、おれが起きてることに驚き、みんなを呼びに行った。

すぐ後、みんな勢揃いで部屋に入ってきた。

「おいリョウ、大丈夫か?」

「体が動かない以外はな…」

そういうと、エヴ達がほっと胸を撫で下ろす。

そこからは質問。というか尋問の嵐だった。

全て答え終わる頃には夜になっていた。

その頃には体も起こせるようになり、最終的には歩けるまでは行ったが、まだ足元がおぼつかない。

その日はまた死ぬように寝込んだ。


結局リョウがヨームにならず、生還した理由は分からずだった。1日経って、ある程度回復したが、まだフラフラしている。

ディアナが体の隅々までチェックしたが、異常なしだそうだ。

現状、それが一番怖い。

このまま何もなければいいが、潜伏期間とかがあったらたまったもんじゃない。

次リョウが人狼になったら、止められる自信はない。

おそらく俺が死ぬ。

リョウにぞっこんの女子勢が何か集まってる話し合っているが、間違いなくリョウとってロクでもないことだと思う。


目覚めて2日目

ある程度動けるようになり、軽くなら出歩けるようにはなったが、まだダルい。

とっとと寝ようと思い、寝床につく。

しかし、その晩、ディアナが訪ねてきた。

「寝かせろ。以上。」

「話くらい聞いてくださいよ!」

「やだ。絶対いらんことだもん。」

少しそこで口論が続く。

しかし、痺れを切らしたディアナが俺をベッドに押し倒す。

しかし、その表情に笑みはなく、むしろ悲しそうな顔をしている。

「なんだよ…」

「いい加減にしてください…」

俺を見下すディアナは今にも泣きそうだ。

「どれだけ心配かけたら気がすむんですか…私たちがどれだけリョウタロウさんのことを思っているか…」

「なら俺のことを諦めれば…」

そこまで言ったところで、ディアナの手が俺の頰を叩く。

「そんなこと出来る訳無いじゃないですか!」

涙をこぼしながら、必死に訴えてくる。

「もう…遅いんですよ…私達は…」

ポロポロと俺の服に涙が一滴ずつ落ちてくる。

「みんなそうですよ…はじめはそんなことよりつもりじゃなかった…でも、一緒にいる間に楽しくて…気づけばリョウタロウさんのことばかり考えて…でもあなたは私達に見向きもしないで…それで振り返ってもらおうと色々して…ショウさんから事情を聞いて、支えてあげようと頑張って…でもあなたは相変わらず無茶するし…」

頭では分かっていた事実。

それと裏腹にそれを認めたくない心。

そうやってズルズルと引きずっていたが故に招いた現実。

仲間と別れる悲しみから、苦しみから、恐怖から逃げ続けてきた結果。

「あなたの命は…もうあなただけのものじゃないんですよ!」

胸ぐらを掴む手に一層力が込められる。

「もう…あなただけの…ものじゃ…」

昔からそうだった。

その場の感情で動いてしまう。

そしてその結果、その代償を払わなければならない。

今回もだ。

異世界への探究心に駆られ、仲間との現世では味わえない日常。

ここは俺にとっての桃源郷だった。

そしてその代償に、彼女たちを狂わせてしまった。

普通の男なら喜ぶだろう。

だが、俺はこの世界じゃ普通じゃない。

犯罪もなんの躊躇もなくするし、楽しそうという理由で戦いに身を投じ、平気で人をも殺せる。

ゲームのやりすぎだろう。そこらへんの感覚が鈍ってる。

育ってきた環境が、ショウたちと過ごしたちょっと変わった日々が、俺を曲げた。

彼女たちの好意は嬉しい。だが、怪我の苦しみを、犯罪や人殺しの対価を、彼女たちに背負わせたくはない。

なら、確かめよう。

俺はまだ万全ではない体を使い、ディアナを逆に押し倒す。この場で白黒つけるために。

「ならあらかじめ宣言しておく。俺はこれからも罪を犯すし、楽しそうなら戦うし、怪我もする。なんならミスして簡単におっ死ぬかもしれん。俺の楽しみの邪魔なら人も何人でも、何千人だろうが殺す。そんな血で汚れていく俺を、お前たちは最後までまだ愛せるか!?扉の外で聴いてるお前らもだ!」

さっきから気がついていた。

扉の外に残りの奴らがいることを。

すると、扉が開き、エヴ、コリンナ、カミラ、アンス、ルイシーナが入ってきた。

「どうなんだ?必要とならお前らも容赦なく殺すぞ?」

そう言って側にあった短い方の刀をディアナの喉元に突きつける。

もちろん殺す気は無いが、こっちは転生者、なにかのキッカケで現世に戻るなんてことになったらたまったもんじゃ無い。

しばらくの沈黙。

最初に口を開いたのはディアナだった。

「もちろんですよ。なんなら、来世まで付きまといますよ?」

その言葉にほかの全員も同意を示す。

その目に一切の曇りはない。

この時、やっとわかった。

自分がどれだけ面倒なやつらに目をつけられたのか。

俺は刀を置き、ベッドに横になる。

「好きにしろ。馬鹿野郎どもが…」

なぜか自然と、笑みがこぼれた。

意識なんてしてない。

無意識に、笑ってしまった。

みんな納得したのか、笑いながら続々と部屋を出て行く。すると、最後にルイシーナが振り返り、こう告げた。

「あぁ、そうだ。リョウタロウ、一つ忠告だ。発情したエルフはちょっとやそっとじゃ止まらない。昔から夜のエルフには近づくなと言われているくらいだ。まあ、クジで負けてしまってはなにもできないからな。頑張ってくれ。」

そう言って扉は閉ざされた。

俺が面食らっていると、後ろからとてつもない圧を感じた。

あー、これはあれだ。蛇に睨まれたカエルってやつだ。

俺が固まっていると、後ろから蛇が俺に絡みついてくる。

「ではぁ…合意も得たということで…」

振り返ると、温厚なエルフではなく、獰猛な獣がいた。

「シましょうか…」

「あのー怪我人…」

「シながら回復してあげますからぁ大丈夫ですよ?」

今の俺はまだ万全ではないため、逃げられない。

「お手柔らかに…」

「さぁ…どうでしょうか…ウフフ…」




ギャァァァァァァァァァァァァァァァ!




翌朝

「おーい、リョウ、いい加減起き…ってどうしたんだ!そんなにやせ細って!」

リョウの体は2、3割ほど細くなっているように見えた。

「白!肌白!おい!一体なにされたんだ!」

するとリョウは震える手を俺の肩に置き

「向こうの2人に、よろしく頼む…よ…(カクッ」

「リョウタロウゥゥゥ!」


その後、リョウタロウは丸一日目を覚まさなかった。

また、ディアナはこの日、部屋に禁固刑になった。

次回、帰宅?いいや、出発だね。

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