世界が終わった日 序章エピローグ 中編
文章が破綻していますが雰囲気で読んでいってください。
こんな都合のいいタイミングあるわけがない!というツッコミは一旦しまってください(泣)
「どういうことだ?」
眼の前にいる男の言っている意味が分からなかった。それはそうだ。いきなり「世界中の人間はこれからあなたの敵となります」って言われたら「何いってんだ」ってなる。
説明を求めると真剣な声音になった。
「おっと、それは今から説明するよ。……実は、今異世界から、地球に攻撃を仕掛けている連中がいる。その連中が使うのが……」
彼は一拍開ける。言うべきか言わざるべきか少しの間思案していたが、意を決したように口を開いた。
「洗脳魔術だ」
♢♦♢♦♢♦♢♦
「どういうこと?」
私は眼の前にいる堕天使が言っていることの意味を理解することが出来なかった。いきなり「邪神になれ」と言われても。という感じである。というかなりたいからなれるものなのか?
「邪神というのは、神の最上位、全能神と対となる存在。ですが全能神と邪神は同時に存在してはいけないのです。つまりあなたには現在の全能神であるイクシュトリートアを倒してもらう___いえ、殺して貰う必要があります」
鈴を転がすような美しい声が恐ろしいことを紡ぐ。そして全く会話が噛み合っていない。
「いや、無茶だ。私は戦闘をするタイプの女神じゃない。しかも、今の彼は多くの人や天使、上からすかれているし、政治も不満を買っているような人間じゃない。だから、殺す理由がない」
彼の政治は多くの人々を救っている。だから彼を殺すなんて、私には到底出来ない。
それに……親友である彼を___殺めるなんて
「そうですか。まあ、予想していましたが」
彼女の声は思わず身震いしてしまいそうなほど冷めていて、感情がなかった。先程までの感情はどこに言ったのだろうか
彼女の目は虚空を見ている。焦点が上手く合っていない。
「ジャッジメント……『リミテッダー』」
呟くようにポツリと言葉を紡ぐ。その瞬間に私に異常が出始めた。
耳鳴りがし始める。きーんという音は徐々に徐々に大きくなっていき……すべての音が聞こえなくなった。次に段々と視界がブラックアウトしていく。
「くっ……『ヴァイジテッド』!」
精神に干渉する魔法だと考えた私は瞬時に魔法を構築する。予想した通り精神干渉系の魔法だったようで、耳鳴りは徐々にやんでいく。
安心した刹那、また耳鳴りがなり始める。そして今度は前よりも速く視界がブラックアウトし始めていった。
「『ヴァイジテッド』!」
魔法の構築スピード、魔力の量、そして魔力の質。全てにおいて私が勝っている……はずなのに。押されている。
「くっ……『ヴァイジテッド』!……『ヴァイジテッド』!……」
耳鳴りが永続的になっている。視界のブラックアウトも徐々に進んできている。
「ふふっ、なんで私が押し負けているのか、不思議ですよねぇ、なんでか、そう思いますよねぇ?」
ねっとりと鼓膜にへばりつくかのように彼女の声は残る。その言葉も何故か甘美に感じる。
「あなたはもう洗脳されているんです、つまり本来の力の1割も発揮することが出来ない……私が手加減をしても勝ててしまう……ふふっ、なんて愚か。しかもそれに気づかないなんて……」
何を言っているのかを理解できない。甘美な感覚が私を包み込む。暗闇はいつの間にか白銀の空間へと変わっていて___
「さあ、堕ちて。快楽に。私のもとに。全てを捨てて、嫌なことを捨てて」
耳元でそんな声が聞こえた。一文字一文字が耳に残る。不思議と耳鳴りがなっていても聞こえる。
考えることを放棄した私は睡魔のように誘ってくる誘惑に身を預けた___
それが最悪の結果へとつながることとなる___
♢♦♢♦♢♦
「洗脳魔術……?」
「そんなもん、存在すんのか?」
俺とサタンが尋ねる。
「ああ、一応ね。僕が管理する『古代魔術』のうちの一つで、それを使って地球を侵略しようとしてきている」
「んな……お前が管理しているんだったらお前が対策できるんじゃねえのか!?」
サタンが食って掛かる。
「そうだ。本当なら干渉できるはずなのに……地球の特殊な機械がそれを拒んでいる」
「?どういうことだ」
「あいつらは魔法を誰でも構築できるように加工し、それを……銃に刻み込んだんだ」
「銃!?」
「そうだ、誰でもトリガーを引くだけで人を操れる……これが非常に厄介極まりない。魔法になら干渉できるんだが、あれは魔法じゃなく魔術なんだ」
「魔術……何かを触媒として発動する魔法……だったか」
「そう。だから対処のしようがないんだ。だから今どうにかゲートを塞ぎ込んで対策している」
その銃弾に当たったらアウト……無茶振りがすぎるだろう。
「あとどのくらい持ちそうなんだ?」
「……持ってあと3日……かな」
彼は苦虫を噛み潰したような顔をしつつ、言う。
3日……せめてあと二週間ほどならばどこかの星に転移するとか方法を取ることが出来たんだが……
「3日……ですか」
リヴァイアサンのつぶやきが場に静寂をもたらす。その一言はとても重い。
一瞬、この場にいる全員の力を使えば壊滅させることができるのではないか。そう考えた。
だが、それは人を殺すことになり、決して出来ないだろうと思い直す。
万事休すとはこのことだ。どうしたらいいか、俺たちは思案に耽けていた。
だが、そんな時間も神は与えてくれないらしい。
突如として一番大きい窓ガラス、つまり男が立っていた後ろの空間が大きく歪んだ。歪な黒い形をしている。
「これは……!!」
誰かがそう、叫んだ。すると、漆黒に染まり、取り込んだものを無に返しそうな、歪みから大量のモンスターと鎧を着た人間。そして絶大な魔力を放つ少女が出てきた。
全員臨戦態勢を取る。片手を空中に掲げるとその手にはもう絶刀【果】が握られている。
が、次の瞬間、強烈な圧が俺たちを襲い、気づいたら地面に這いつくばっていた。臨戦態勢を整えていたにも関わらず。
モンスターがこちらを見ているのがわかる。つまりあのモンスタの能力だろう。
「何者だ」
サタンが、どすの利いた声で問う。サタンは目でころしてやろうという思いが伝わるほど殺意を視線に乗せている。
「私達はサンドネレラの王から直接命令を受け、地球にやってきた……そうね、「征服部隊」とでもいいましょうか……征服する際、あなた達の存在が邪魔なのです、なので、動かないでくださいね」
「いやだ、と言ったら?」
俺がそう、問う。帰ってきた答えは
「殺します」
一言。シンプルで最もわかりやすい殺意。
だが、今アイツらに無防備に突っ込んでいっても態勢が不利な上に数の暴力で殴られ終わるだけだろう。
「ちなみに目的は何なんだ」
そう、問う。すると淡々と答えが返ってくる。
「あなたの拘束、あわよくばあなたのそのアーティファクトや神々を邪神様に献上しようかと」
俺はこの答えを聞いていくるか疑問が出てきた。
1つ目は殺すと言ったにも関わらず献上すると言った点
2つ目は邪神という存在
3つ目は連れて行くでも首を差し出すでも、奴隷にするでもない献上という表現を用いたこと
どういうことだ、生贄として使われるのだろうか、ただ生贄を捧げる儀式?のときにこんなにもたくさんの軍勢がいるとは思えない、そのときに反旗を翻すとするか
「わかった。平伏する」
俺がそう、言った瞬間に
鈍い衝撃が走った。思わないところからの力に横転する。
何が起こったのか分からず見てみると
先程もまで囚われていたはずのゼウスがつい先程まで自分がいたところに膝立ちでいる。
「ぅ゙……ヵ、はッ……!」
一拍おいて、大量の血がびちゃびちゃと飛び散る。
眼の前で起きていることが理解できない。どういうことだ、なんで俺は撃たれた?なんでゼウスが俺をかばっている…?
どさっと音を立てて倒れ込むゼウス。
「ここは戦場だから、油断したら待っているのは…死ですよ」
騎士が笑顔を絶やさないまま銃口をこちらに向けつつそう呟く
自分の体は動かなかった。ゴブリンとの死闘を繰り広げたのに、数々のピンチに陥っていたのに。こんな時にだけ自分の体は動かない。
動け!動け!そう念じても
動かない
「ぅっ……痛い……私が作ったものに…自分で……やられるなんて……コフッ…!」
ゼウスが、そう、最後の力を振り絞って、いう。
「ぜうす……!?な、なんで……俺なんかをかばって……!」
「決まってるでしょ……私は、あなたの……ことが……大……大…………」
彼女の目から透明な清き雫があふれる
「すき……だ、から……」
抱きしめていたぬくもりが徐々に消え去っていくのを感じた。遠くに行ってしまうのを感じた。回復魔法を発動したがもう、無意味のようだ。
また動かなかった。なんでだろうか。なんでこんなに自分は仲間の犠牲を平気で無駄にできるのだろうか
動け。動けよ。
動け
動け動け
動け動け動け動け動け動け動け動け動け動け!!!!
「では、恋人さんと一緒に、死んでください」
ただ必死に力を入れる。動けと、ただ願う。弾丸が俺に向かって一直線に死を運んできている。
「うぁぁあああああ!!!!あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙!!!」
俺が雄叫びを上げた瞬間
どくん、となにかが波打ったように感じた。その不思議な波は銃弾の勢いを相殺する。からんっという音が響く。
「え!?そんな、あり得ない!」
「あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙!!ゼウスを、ゼウスを返せ!!」
ものすごい勢いで大地を蹴り、刹那居合一閃を繰り出す。
「くっ!」
対して騎士は馬鹿力をうまい具合に銃弾を当てて力を相殺し、銃身で剣を受け止めている。両者の拮抗状態が生まれる。
「はぁぁぁあああ!!」
「うぉぉぉおおお!!」
ものすごい勢いで、刀が空間を切り、ものすごい勢いで、銃弾が時間を越えて着弾する。
誰も動けない。動いた瞬間に二度と体と頭が再開を果たすことが出来ないのは日を見るより明らか。
ドォンと遠くでそんな銃声が聞こえた、と思った瞬間にものすごい衝撃が絶刀【果】と俺を襲う。それに対して、垂直に剣を振ることで斬撃を生み出す。からんと音を立てて真ん中で割れた銃弾が地面を転がる。刹那体を180°回転させて銃弾を受け止める。
神経がどんどん削れていく。0.1ミリの斬撃のズレが死を招く。死神の鎌がすぐとなりを通過しているような状態。だがそれは相手も同じなはずだ。
このままでは埒が明かない。そうお互いが考えたとき___
「転移っ……『ヴェルバースト』!」
突如体が青白い光によって包み込まれた。銃声が立て続けに聞こえる。そのまま視界もホワイトアウトしていき___
語彙力の消失
12/20 内容の大幅改変




