世界が終わった日 序章エピローグ 前編
あらすじです。もう一度確認しておきたいという方は御覧ください
気がついたら、虚空に「今なら☆5確定召喚10連ガチャ!無料!」と書かれた表示が出ていた主人公。ステータスというよくわからないものを幸運度に極振りし、好奇心からそのガチャをひいてみる。すると、星5が6個も出現。そのうち4個はどうやら神様らしい。そしてテレビをふと見てみると、ファンタジーに出てくるようなモンスターが人間を襲っているという。自己紹介を終えたら、モンスターを倒すように言われ、倒しに行く。が、そこで嫌悪感、罪悪感が突如として溢れ出し、ゴブリンを倒すのにも精一杯だった。
が、なんとか仲間の助けもあり、ゴブリンを討伐できるようになって___3ヶ月。いつものようにゴブリンやスライムを倒しに言っているとドラゴンに乗った謎の騎士が現れる。圧倒的な実力差で主人公は殺される
が、騎士に誤解だということをわかってもらい、蘇生してもらう。そして情勢を聞く。
どうやらこの騎士は自分たちに協力的なのだなと感じた主人公は同盟を提案し相手も快く承認。そして家に戻る最中に圧倒的な魔力を感じる。急いでそこに向かう。
そこではリヴァイアサンが息絶えそうになっていた。急いで初級だが回復魔法を使い、一命を取り留める。その後、リヴァイアサンと仲間が発しているものっぽい魔力跡をたどり、サタン、ティアナ……と順番に会っていったが、樹海にて上級モンスターのドラゴン、オーク、ゴブリンと遭遇。その3体を難なく倒した……かと思われたが、全然そんなことなく、何度でも復活し、追い詰められるが、絶刀【斬】が絶刀【果】に進化し、ゴブリンを仕留めることで倒した……が、味方は倒れていて、そのゴブリンたちは姿を変えられた残りの三人(ヘファイストス、ゼウス、オーディン)だった。瀕死の状態のときに現れたのはシルクハットを被った謎の男だった。彼からこの世界と、サンドネレラで起こっていることの説明をする。
俺たちはブラックホールのような禍々しい見た目をした時空の裂け目のようなものに入った。それから出たあと、真っ直ぐ道なりに歩くと神々しい聖堂が待っており、中央には巨大な女神の像があった。両手を広げ、太陽を一身に受けようとしているかのような姿はRPGやこの手の小説では馴染みのあるものだろう。
周りを見回してみて気づいたが、かなり手の込んだ装飾が施されている。見たこともないような素材が使われているようだし(おそらく異世界の高級素材の名だろう知らんが)惜しむことなくダイヤやルビー、エメラルドやサファイア等がふんだんに使われているし、模様などもどこか幾何学的模様のような不思議な雰囲気を纏うものだ。
奥を見てみると玉座があった。それは西日の斜め日を受けると周囲に圧倒的なオーラを放つ。まるでもうすでに誰かが座っているかのような_____
「やぁ、随分と来るのが早かったね。僕はもうちょっと休んでくるかなと思っていたんだけれど……」
「あんたの話がつまんなかったら寝る。それだけさ」
俺は奥の玉座にいるであろう人物にぶっきらぼうにそう伝えた。すると、苦笑が聞こえた。そして一応客席に案内される。ふかふかなクッションで出来たソファが睡魔を誘う。まるでそれは死への誘いのように感じ戦慄を覚えた。
刹那前までは一切感知に引っかからなかった気配が、オーラが今は全身にひしひしと伝わっているのを感じる。まるで面接の瞬間のようなプレッシャーがかかる。
地球にいたら体験することはないであろうプレッシャーが帰って地球を懐かしく感じさせる。というかここも地球なのだろうか。などとどうでもいい考えが脳裏をよぎる。なんでここまで余裕なのだろうか。いつも自分はどれだけ緊張していてもいつもこんなにどうでもいい思考ばっかりだ。
客席に案内されたが、そいつは玉座に座ったままだ。西日が顔を完全に隠しているため顔を確認することは出来ない。
「さて、僕は長ったらしい話が嫌いでね。前置きとかそういうのはあんまり好きじゃないんだ。だからなるべく簡単に端折って言わせてもらうよ」
「そのほうが助かる」
玉座からそいつが立ち上がる。立ち上がる瞬間を凝視していたがやはり顔は見えない。結界かなにかだろう。そのままそいつは他の窓よりは一回り大きい窓に向かっていく。窓際にもたれかかり、沈黙を破った。
「結論から言うと、このままだと君に全人類……異世界人も、地球人も、神も全員敵対することになってしまう」
♢♦♢♦♢♦
ただ。静寂。
ただ。沈黙
ただ。虚無
そんな空間で私は生きる。何もない。果てしない。最後に動いたのはいつだろうか。
喉の乾きなど一万年前に忘れた。空腹も、愛も、友情も、道徳も、そして感情も……
そう思っていた。感情も全て忘れ去ったと思っていた。だが、感情というのはなかなかに消えない。白に黒を混ぜても灰色になるように、濁りつつもそれが私を苦しめる。
こんな何もないところに閉じ込められ、精神が壊れていないだけまだマシな方だろう。永遠と閉じ込められ、声を上げたくても喉が言うことを聞かない。何をしても無駄なことは分かりきっている。何をしても無駄だと。わかると行動をする意味を見いだせず。先も見えず。左も、右も、上も、したも、後ろも……なにもない。前に進むことも許されず、後退することも許されず。ただただ止まることしか許されない
ただただなにもない日々を機械的に過ごす。こんなことならこの世から死んでいなくなりたい。私が何をしたのだろうか。
そんな思考をした自分に驚く。こんな事を考えたのは随分と昔だったからだ。
一万年という長い年月を毎日無意味に生きてきた。友も、家族も、誰もいない孤独な___
遠くに目を向けたその時、突如降り注ぐ白い光。思わずめを瞑る。白色で、明るくて、それでいて清らかな光が私のもとに届く。
「だ、大丈夫ですか!?天界騎士団です!わかります____」
か___かれの口がそうなぞらえた途端、動きを止めた。顔が苦痛によって大きく歪む。そのまま脱力し、前に倒れる。彼の手入れの行き届いた防具が光となり、静かにむさんする。聖剣であろう剣は手を離れてカランっと音を立てて地面に落下する。
一瞬に起きた出来事に一切反応できていない。何が起きていたのかさえもわからない。
その後とてつもない魔のオーラが届く。かなり上位の神である私でも吐き気を促すほどの強いオーラ。眼の前で息絶えている騎士はこれで死んでしまったことなど一目瞭然。まだ全く姿を見ることが出来ないけれど……私よりも……強い?
「やはり、私のオーラを当てるだけで絶命してしまうようですねぇ……実に軟弱。脆いです」
いつの間にかいる眼の前の少女がつぶやく。見たところ天使のような彼女だが、魔族特有の黒いオーラを発している。堕天使だろうか
一万年前にもいた。天界から何らかの理由で追放された天使のことを堕天使と呼び、大体の物は天使のオーラによって守られていた魔力の侵蝕が地上の濃すぎる魔力濃度により加速し、魔力を取り込みすぎることで命を落とすこととなるが、稀に生き残り、その力を取り込む天使がいる。それが彼女だろう。
可憐な少女はフリルのスカートをふわりとたなびかせると、その後絶大な魔力を放出した。ブォンと音を立てて魔力が空気を覆う。その魔力は天界を一瞬で覆い尽くし、暗黒へと変貌させる。空を見上げると、黒月が空を舞っていた。それに一筋の影を落としているのは……羽が漆黒へと変貌したあの堕天使だ
規格外。私が一番最初に思ったのはそれだ。アイツもこのことは把握していないだろう。聖騎士さえも彼女の魔力を補足できなかったところを見ると常日頃魔力の放出を防いでいるようだ。
つまりこの天界は終りを迎えたということだ。この濃すぎる魔力濃度でじわじわと住民たちは蝕まれ、最悪の場合……魔物にでもなるかもしれない。
吐き気が込み上げてくる。流石に元全能神だからか、即死ではないが、10分……5分後には死に至るだろう。
「こんにちは。元全能神さま?気分はどうですか?」
「……非常に気分が悪い。封印から開放された直後なんだ。丁寧に扱ってほしい」
彼女は口ぶりや動作からかなり上級の天使だったと推測することができる。つまり私の力が目的。騎士は適当にブラックホールに囚われた住民がいるなどと言っておけばいいだろう。
つまり彼女は私を殺すことはためらうはずだ。非常に反抗的な目を向ける。
それを見ると彼女は何を思ったのか魔力の放出を止めた。彼女の漆黒の羽は純白の綺麗な白銀へと戻っていた。世界は再び明るい日差しで満たされている。彼女は天使のほほえみと表現するのがふさわしいであろう、笑みを浮かべた。柔和な笑顔は周りの人を引き付けそうである。
「そうですか。申し訳ございません。私、いかんせん魔力の調節が苦手なもので……」
嘘だ。普通魔力は徐々に放出されていて、100%のうち5%はそれによってなくなる。だがそれも集中により極力放出しないように調整できる。
しかし彼女は別物だ。全く魔力を放たずこの私でさえ天使だと思っていたんだから。というか一切気配を感知させなかった。
だが、そんなことをしてまで私をどうしたいんだ……?私の中にこんな疑問がふと出てきた。だが、それは彼女の口から語られた。
「まあ、私の話はいいとして……あなたへ問います。……邪神になりませんか?」
テスト期間でした。学年一位取りました(数学、国語)




