ヴァルキリーの樹海
3回もデータが消失しました。やる気が無くなる……
もしかしたら書いたつもりで書いていないものがあるかもしれないので、随時更新していきたいです(願望)
(やはりか。そうだとは思ってはいたが)
リヴァイアサンの両親のことはある程度、聞いている。が、結構前の話なので正直あまり覚えていない。
「私の両親のこと、もうちょっと詳しく説明しますね」
「あ、ああ。前に色々あったが、あのときは非常事態だったからあまり詳しく聞かなかったしな」
「……私の母は神です。水刃龍ヴァオラルテルス。そして父は……ただの一般の人間。そしてその間に生まれたのが、双子である私と兄……神の子と人間の子です。私はたくさんの才能を持ち合わせているのに対し兄は本当にごく普通の人間で、神の遺伝は一切受けていませんでした。ですがそんな兄とはすごく仲がよく、ずっと一緒に遊んでいました。……あの日のことが起きるまでは」
「あの日のこと……」
リヴァイアサンは見るからに辛そうだった。それはそうだ……
「私のちからを欲した人間たちに、私の兄が……捕まったのです」
リヴァイアサンが強すぎたせいで、人間たちはその力を欲する。当時神だということを隠し人間界で生活していたようだが、隠すにも限度があり、ついに兄が捕らえられたのだという。そして、助けに行った頃にはあちこちに傷を負い、倒れていたという。その時にはすでに、息絶えていたということだ。
このときなにかが切れた感覚がしたそうで、その後のことは覚えていないらしい。気づいたら、神界に戻っており、そこからは自由に生きたのだという。兄のことを殺した人間たちがどうなったかも覚えていないし、月日は5年も経っていた。なのに記憶すら、感情すら覚えなかった自分は、人間と、他の生物と関わってはいけないと直感したらしい。
それからオーディンに出会い、人間と関わることを思い出すらしい。が、どうしても兄をなくした喪失感というのは消えなかったという。
そう語り終えたとき、リヴァイアサンは嗚咽とともに泣き崩れた。これは悲しみではない。悲痛に悲しむような声ではなく、どこか、謝罪の念が含まれているように感じ_どれほど長い間、リヴァイアサンが兄を捜索してきたかを想像し、_彼女の涙は俺には重すぎた。普段見せる落ち着いていて、頼りがいのあるリヴァイアサンではなかった。風に吹かれてどこかに飛んでいってしまいそうな、そんな儚さを含むリヴァイアサンを俺はただ眺めることしかできなかった。彼女を気遣うことはできない。なぜなら俺は彼女のすべてを知らないから。かければいい言葉を知らないから。
彼女は平気そうにしていたが内心では本当に辛かったのだろう。自分のせいで兄と、両親が殺されてしまったのだから。もっとうまく立ち振る舞えば気づかれなかったのかもしれないのに。と後悔し続けていたはずなのに、それに気づけなかった俺は……何もする資格がない。
ただただ俺は彼女の感情の全てを見ているしかなかった。
「お兄様……ごめんなさい……!私の、私の……ッせいで……っ……兄様の夢を……大切な…っ……夢を……!」
あいつは今もどこかで見ているのだろう。感情の全てを。そしてどうすればいいのか悩むのだろう。今すぐにでも彼女に抱きついてやりたいのだろうが、口ぶりからしてリヴァイアサンとの直接的な接触は避けなければならないのだろう。もう、見ることができずに見ていないのだろうか。それとも……ただただ、何もすることができずに俺のように彼女の謝罪を聞きながら……涙を流しているのだろうか。
目頭が熱くなる。思わず溢れそうになる涙を抑えようとしたが止められなかった。こんな、奇跡を目の当たりにして_奇跡が起きているのに、会えないなんて、_こんな、もどかしいことがあるだろうか。これを見て、涙せずに要られる人間はいるのだろうか。
♢♦♢♦♢♦
「ん……むにゅぅ……すー……すー……zzz」
泣きつかれたのだろうか。眼の前には5人の美女と一人の悪魔が寝ている。特にリヴァイアサンは死んだように深い睡眠を取っているようだ。俺は純粋無垢な寝顔を眺めながら思った。
俺は何をしたいのだろう。
別に今の俺は特別何かをしたいというわけではない。単純にこの世界で生きれれば別にいいのだ。だからこそ、最近思い始めていることがある。俺が彼女らを拘束していいのだろうか。俺のつまらない生活に彼女らを付き合わせる必要はあるのだろうか。
幸い、竜神の防具に、絶刀“果”、エクスカリバーが俺にはある。ある程度自立もできるだろうし、ガチャスキルを持っているから狙われるかもしれないらしいが、それは異世界騎士連合?だったかが守ってくれるはずだ。
彼女たちからしたら俺にはただただ召喚されたから従っているだけ。なのだろう。別に特に気にすることもないなぜなら縛ることができないから。
だが、リヴァイアサンは違う。俺を好きに思ってくれていて。俺を慕ってくれていて。俺についてきてくれていて。俺が今まで自由の時間を設けなかったから5ヶ月ほど兄を捜索する時間を取ることができなかった。
もう、あんなリヴァイアサンの顔を見たくない。宙ぶらりんになっている返事に……真摯に返したい。俺には好きな人がいる。だが、そんなことを今言ったら本当に彼女の心は砕け散ってしまう。いつ言えばいいのだろうか。いつまで俺は彼女を呪縛し続けるのだろうか。姫が呪縛から開放されるのは……いつになるのだろうか
♢♦♢♦♢♦
「……っ、……ぉ、こ、……ここ、は?」
「私は_確か、ゴブリンの攻撃に_」
「むにゅぁ……ぁれ?……ゴブリンたちは?」
「わ、私達……幻覚を……見せられていた……よう、です」
「そうね……非常に不覚。ただ、私にバレずに魔法を撃ってくるなんて、腐っても迷宮ね」
寝ていた神様たちが起き出す。全員傷は全快しているようだ。
一応状況を伝えておいた。リヴァイアサンの兄のこと、幻覚のことに、騎士団のこと、そしてこの世界の事。
魔力を持った生物がこちらにいすぎると、サンドネレラと地球が融合するかもしれないらしい。イクシュトリートアはそれを止めるため俺に協力を求めてきた。
仕方ない、乗ってやろう。アイツには恩がある。
だが、とりあえずこの蒸し々した空間から出るために、奥に進んだ。
地形把握スキルはもう使えるようになったようで、かなり探索が速く済んだ。モンスターも出てきたが普通の雑魚だった(A級モンスター)
1時間半ほどだろうか、歩くと遺跡のような場所にたどり着いた。ちょっと小さいそこら編の洞窟と同じようなただの空洞に見えるが、神聖な結界が張り巡らされている。こいつがダンジョンの最新部か
躊躇することなく結界内に入っていく。なにか体に干渉するような結界を張れるのは闇属性魔法だ。光属性のこの結界は何もすることができない。だから守る結界なのだろう。
洞窟内は単純な作りだった。ただの一本道が続くだけ。だが、途中で自分のものではない記憶がフラッシュバックしてきた
眼の前で大切な人が殺される。何度も、何度も。繰り返し繰り返し、それを楽しむかのように何度もいたぶるように________!!!!
なんだろうかこの気持ちは。この張り裂けそうな胸の痛みと。底が知れない深く、昏い悲しみと。世界が灰色一色で覆われたかのようなこの絶望感
他人の記憶なのに______親近感を覚える。
残酷なことをされているから同情をしているのか。
否。
何故か胸を押しつぶすようなこの圧迫感。今すぐにでも呼吸が止まってしまいそうで_______
息ができない。苦しい。浅く息を吐く。吸うことができない。全身の筋肉がこわばって酸素を摂取するのを拒むような_______
「くっ、人間にだけ効く精神攻撃!?……ヴァヴィリアント!」
ゼウスが魔法を唱えると筋肉のこわばりがなくなっていくのを感じた。そしていくらか気持ちが楽になった。
「予想としてはかなりいい線をいっている。さらに彼の精神の異常を見つけられるほどの優れた精度の鑑定眼、そして仲間を気にかける優しさ______合格だ。これは彼女たちに魔法を預けていいだろう」
深呼吸を繰り返していると、唐突に声が頭上から聞こえてくる。
男の声。低く、それでいて不思議とはっきりとした声は俗に言うイケボに分類されるだろう。
「ここは、『ヴァルキリーの樹海』。ここの試練の目的は『信頼』そして『絆』君たちはそれを十分に満たしていると考え、合格にした」
続いてどうやら迷宮をクリアしたらしいことを伝えてくる。姿は見えない。魔力の感知にも引っかかっていないし、第一ゼウスが気づくはずだ。
つまりこいつは神以上のちからの持ち主……
大人しく聞いたほうが良さそうだ。
「君たちには正しくこの魔法を扱ってもらうために、今から、邪神がとっている蛮行を知ってもらいたいと考えている。準備が出来たら言ってくれ。私が全てを……説明しよう」
声の主はそれだけをいうと音声を切った。どうやら本当に説明する気で、危害を加える危険性はなさそうだ。
蛮行に邪神。聞きたいことは山ほどあるが……説明を聞くとしよう
「とりあえず説明を聞こう、そうしないと状況把握が出来ない」
「そうだな、主に賛成だぜ」
「そうね。私もそれがいいと思うわ」
「わ、私は……なんでも」
「邪神……について気になりますしね」
「そうね!聞いてみましょ!」
「では、行きましょうか」
リヴァイアサンが指をさす。その先にはオレンジ色に輝く時空門があった。アイツが起動したものだろう。
俺たちは全員でそのリングを通り抜けた。
高評価お願いします(泣)




