表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
2/8

第02話:殺人事件発生! 現場は桜田門駅!

 桜田門駅のホームへやって来た京子と滝川。

 待ち合わせ用の椅子に遺体が腰をかけている。

 鑑識の報告によると、死亡推定時刻は午前八時半前後で、死因は心臓マヒである。

 遺体の足下には缶が置いてある。

「鑑識さん、これ調べた?」

「その缶の中に残ってるジュースからヘレブリンが検出されました」

 ヘレブリンとは、服用すると心臓マヒを起こす毒薬だ。

「ヘレブリン、ですか?」

「キンポウゲ科のクリスマスローズから採取出来ます」

「そうですか。缶から指紋は?」

「三種類の指紋が検出されました。一つは業者の。もう一つは被害者、もう一つは犯人のものかと。現在、データベースで照合中です」

「身元は?」

加山かやま 守男もりお、三十歳。職業は事件記者です」

「……………………」

「山上さん、あれに何か映ってるんじゃないですか?」

 滝川がそう言ってホームに取り付けてあるカメラを指差す。

「行ってみましょう」

 京子と滝川は駅員室へ移動し、カメラの映像を確認した。

 映像には、缶を加山に渡す何者かの姿が映っている。

「顔、映らないかしら」

 二人はしばながめるが、映像に不審者の顔が映ることはなかった。

「どうもありがとう」

 京子はそう言って、滝川と共に駅員室を出た。

「収穫なかったですね」

「そうね。交友関係でも洗ってみようかしら?」

 京子と滝川は加山の交友関係の洗い出しを始めた。

 加山の勤める会社で話を伺う。

「か、加山が死んだ!?」

 驚き戸惑うのは、加山の上司で、名を上松うえまつ 洋一よういち

「どうやら毒殺のようです」

「毒殺!?」

「それでお訊ねしたいのですが、最近彼に何か変わった様子はございませんでしたか?」

「あいつは人柄もいいし、人を恨んだり恨まれたりはしませんでしたからね……。特に変わったところはありませんでしたよ」

「そうですか。では、貴方は今朝八時半ごろ、どこにいましたか?」

「俺を疑ってるんですか? 俺は車で出勤中でしたよ」

「それを証明出来る方はいますか?」

「……………………」

 答えられない。

「そうですか」

滝川くん、お暇しましょう──そう言って京子は滝川とその場を後にする刹那、わざとボールペンを落とした。

「落としましたよ」

 上松がボールペンを拾い、追い掛けて来て京子に渡した。

「ああ、どうも」

 会社を出る京子と滝川。

「山上さん、あいつ怪しいですよ?」

「疑わしきものは罰せずよ」

(確かに滝川の言う通りだ。だが証拠がない)

 二人は警視庁に戻る。

「あ、私、鑑識寄って行くわ」

 京子は滝川と別れ、鑑識を訪れた。

「猫田さん」

 鑑識の猫田ねこた 十三じゅうぞうに声をかける京子。

 猫田は晴男の親友である。

「ああ、山上警部」

「俺だよ、猫田」

「はい?」

「如月 晴男」

「え!?」

 驚く猫田。

「俺、どうやら死んじまったらしい。で、今この子の体を借りて喋ってる」

「本当に晴男なのか?」

「そうだよ」

「そんなことある訳ないだろ」

「俺も否定してたけど、どうやら霊は存在するみたいだぜ」

「じゃあ訊くが、俺の別れた女房の名は?」

篠崎しのざき 絵里子えりこ。あだ名はえりちゃん」

「そ、そんなことって……!」

「それより、これ調べてくれよ」

 京子はボールペーンを取り出した。

「缶についてた指紋が採取出来るかどうか」

「分かった。直ぐに取りかかるよ。何か分かったら連絡する」

 京子は鑑識を出ると、捜査一課に戻った。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
このランキングタグは表示できません。
ランキングタグに使用できない文字列が含まれるため、非表示にしています。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ