↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
PR
3/8

第03話:もう一人の上松

 捜査一課で会議中、京子の携帯が鳴る。

「すみません」

 京子は部屋を出て電話に応答した。

「晴男、鑑識の猫田だ」

「何だ?」

「指紋が一致したぞ」

「そうか」

 電話を切る。

 そこへ滝川が出て来る。

「山上さん、事件です」

「場所は?」

「上松さんの自宅です」

「上松さんの? まさか、被害者が?」

「ええ」

「行きましょう」

 二人は上松の自宅へ向かう。

 上松はパソコンの前に座り、毒を飲んで亡くなっていた。

 パソコンの画面には遺書と思しき文面が表示されている。

 加山を殺したのは私だ。死んで償う。

「青酸カリか。苦しかったろうに……」

「本当に自殺かしら」

「山上さんは他殺だとお思いで?」

「恐らくね」

鑑識さん──と、京子。「これ、指紋の採取お願いね」

「分かりました」

 鑑識がキーボードから指紋の採取を始める。

「山上警部!」

 部下の刑事が二枚の免許証を持って来た。

 顔写真の部分に上松と同じ顔が写っており、名前の箇所には灰島(はいじま) 哲生(てつお)と書かれているものと、もう一枚には上松の名が表記されていた。

「これって同じ顔ですよね?」

「そうね……。取り敢えず、周辺で聞き込み」

「了解」

 部下の刑事が聞き込みに向かった。

 現場には鑑識を除き、京子と滝川が残った。

「我々はどうします?」

「灰島さんを捜してみましょう?」

 京子と滝川は灰島を捜しに行った。



 その夜、灰島はホストクラブで働いていた。

 そこへ京子がやって来る。

「いらっしゃいませ!」

 京子が店員に警察手帳を見せる。

「灰島さんを呼んでもらえますか?」

「刑事さんが何か?」

「ちょっとね」

 店員が灰島を呼んだ。

「何すか?」

「こちらの刑事さんが話があるんだと」

「刑事?」

 京子は灰島にも手帳を見せた。

「灰島 哲生さんですね?」

「ああ、そうだけど」

 京子は灰島に上松の写真を見せる。

「洋一さん。貴方の双子の弟さんです」

「洋一がどうかしたんすか?」

「毒を飲んで亡くなりました」

「え!?」

「司法解剖の結果、洋一さんが亡くなったのは今日の午後五時頃だそうです。その時間の前後、貴方はどちらに?」

「俺はここへ来る途中でしたよ」

「そうですか」

「刑事さんは俺を疑ってるんすか?」

「いや、形式的な質問なんで」

「そうすか。もういいすか? 忙しいんすよ」

「すみません。では、最後に一つだけ。貴方は最近、洋一さんの自宅を訪ねたことは?」

「いいえ、ありませんけど」

「変ですねえ……。被害者の自宅には貴方の免許証がありましたよ?」

「そ、それは……」

「灰島さん?」

「すみません。もう仕事に戻らないと」

 灰島は走り去った。

 京子は店を出た。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
このランキングタグは表示できません。
ランキングタグに使用できない文字列が含まれるため、非表示にしています。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。