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D・H  作者: ララ
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皆と皆の気持ちと決意と

森の中へ入ると悠里を思い出す。



海を見ていても悠里を思い出す。



ここにいると基本的に悠里を思い出す。



ウミは常に悠里のことを考える。



ついさっきまでは。



悠太が余計なことを言った所為で(そしてした所為で)今はアリスのことばかり頭に浮かぶ。



今さら何話せばいいんだ…。



裏切ったのは僕なのに。



アリスの言うことを聞こうとしないで行動して…



世界を滅ぼそうとして悠里を巻き込んだ。



そしてそれが間違いだと気付いて…



それでもずっと意地はってアリスと会話しようと思わなかった。



というかできなかった。




なんていったって気まずい。




そう。




気まずいんだ。





むこうは平然としてるけど一応僕ら喧嘩別れしたんだし…。




それに昔と違ってアリスには拓斗や悠太とかのたくさんの仲間がいる。




もう僕なんかいらないんじゃないかな。



多分いらないだろう。



そうこう考えてるうちに果物が沢山なってる所(悠里は楽園と呼んでた)の近くまできてしまった。




人のいる気配。



勿論その正体はアリスなんだけど。



僕は足を前へ踏み出す。



そしてアリスに近づく。



アリスが僕に気付いた。



一瞬驚いた顔をした。



そしてまじめな顔。






久しぶりのまともな会話がはじまる。




君と僕の二人。



幼馴染どうしの。



それはアリスのお茶会なんて気楽なものじゃないかもね。




「何か言いたいことがあるんでしょ?」



アリスが僕に向かってにこっと笑った。



まるですべてを悟ったような微笑。




「そうなのかも…」



それに対して僕は曖昧な態度。



だって僕はまだわからない。



何を話したらいいのか。




「…私から話していい?」




「…うん」





「ウミ…あんたって馬鹿!最低!!私の忠告聞かないで勝手なことばっかして世界滅ぼそうとしたり人巻き込んで本当最低!!!馬鹿みたい!!!馬鹿よ馬鹿!!ばーか!!!」



アリスが息切れしてる。



僕はすごく驚いてる。



声も大きいし迫力満点。



そして耳が痛いよその話。




「…馬鹿だよ」



これしかいえない。



自分が愚かだったことはよく分かってるよ。



「わかってんのね。気まずかったでしょ?私に会いにくるの。誰かに言われてきたの?」



本当にアリスは鋭い。



昔から。




「悠太だよ…」




「悠太…?あの子意外としっかりしてるっていうか…。ねぇウミは私に言いたいことないの?」




僕…?




言うことなんか一つしかないじゃないか。



でもその言葉は言いたくない。



そんなの僕が悪いってわかってるけど…でも言いたくないんだ。




ごめんねなんて。





「ただいま」



でてきた言葉がこれ。



僕はアリスのとこにまた戻らせていただきます。



昔みたいに。



わかってくれたかな?




「…!!!」




アリスが一瞬涙をこらえてるようにみえた。



そうしたら次の瞬間アリスは僕に抱きついた!!!




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