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D・H  作者: ララ
120/137

二日前

「さーて焔、そろそろいくよ!」



アリスが俺を手招きする。




「おう!!」




俺は小走りでアリスのとこへいった。




アリスの横には拓斗がいた。




「あ…気をつけてな」



拓斗が寂しそうな羨ましそうな微妙な顔をした。




「おう…!」



俺が返事をすると拓斗は笑顔になった。




「母さん泣かせるなよ!」



そういってバシーンと拓斗は俺の背中を叩く。




「いってーなっ!!」



背中をさすりながら怒鳴り返したけど腹はたたなかった。



拓斗らしくないなって思ったけどあえて追求しなかった。



気持ちわかるから。



寂しいよな。



自分はもう母さんと世界を守るまであわないのに他人の俺が会いに行くんだから。



ごめんな?



でも俺も拓斗の母さん大事だからさ。




だから見逃して?




ね?





皆に手を振って俺はアリスと拓斗の母さんのとこへ向かった。




空き地につくとアリスが再確認するかのように、ここに来る前にいってたことをもう一回俺にいった。




「いい?焔。ちゃーんと12時になったら帰ってきてね?今は朝の7時だから、あと5時間あるから十分でしょ?私12時にまたここくるからね〜!」




12時というと丁度昼頃らしい。



アリスがここに来る前にこのことを俺に言った時拓斗は俺に「12時までに帰らなきゃならないなんてシンデレラみたいだな」って言ってた。



シンデレラが何なのか知らないけど多分人の名前。



シンデレラも大事な人に12時までしか会えなかったのかな?



アリスは十分だって言うけど実際全然たりないね。



俺は無限の時間がほしいよ。



っていうか「時間」なんて観念でくぎられるのって好きじゃない。



でもその決められた「時間」ってやつはこの世を生きる俺たちにとって大事なものなんだ。



うん。




なんか久しぶりによく考えたな〜俺。



もう拓斗の家の前だし。



え〜っと…このチャイムってーのをまず押さなきゃな。



手をのばしてチャイムをおすと「ピンポーン」という音が鳴り響いた。



「はーい」



中から拓斗の母さんの声が聞こえる。




がちゃって音と一緒に拓斗の母さんがひょこっと顔をだした。




「いらっしゃい。焔君」




「こんにちは…」




なんだか照れくさい。



ちなみに今日俺が来ることは拓斗が伝えていてくれてたのでおばさんは驚かない。




家に入ると拓斗の家のにおいがした。



当たり前なんだけどさー。



リビングに行くと拓斗の母さんお手製のクッキーとかが置いてあった。



俺の大好物!




「焔君のためにつくってみたの」



おばさんはふふっと笑って俺に座るように薦めた。




「嬉しいよ!ありがと」



俺も笑顔で席に座る。





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