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0.プロローグ
夜の闇を切り裂くように、激しく、そしてどこか泣き出すように切ない三味線の音が響いていた。
硝煙の匂いと、微かな血の香りが混ざり合う、ここは狂乱の京都。
「お前の手は、いつも冷たいな」
そう言って、私の凍えた指先を大きな掌で包み込んだ彼は、悪戯っぽく、けれど酷く愛おしそうな目で私を見つめた。
その手の熱さに、胸の奥がぎゅっと締め付けられる。
人の命を奪うことしか知らなかった私の手に、彼は初めて「温もり」という名の免罪符をくれた人だった。
不敵な微笑み、燃えるような情熱を宿した瞳。
どうして私たちは、こんな激動の時代に出会ってしまったのだろう。
どうして私は、彼をこれほどまでに愛してしまったのだろう。
たとえこの恋が、時代の波に呑まれて消えゆく運命だとしても、私はこの手を離したくないと願ってしまう。だから、この命のすべてを懸けて、私はあなたと、そして自らの運命を、切り開いてみせる。
*この物語はフィクションです。登場する内容や事件はすべて作者の想像・妄想・希望であり、史実とは異なります。
*IFストーリーとなりますので、ご注意ください。




