29 ネズミ駆除人
本日2話目です。
「ふっふっふっ。私にはまるとちょう子さんという二大癒しがついている。お前らなんぞ恐るるに足らず!」
おやつ効果抜群で、ハムが三十匹以上詰め込まれた捕獲カゴに、さらに手近にいた数匹を放り込んで、手慣れた様子でササッと倉庫から抜け出す私。
すでにプロのネズミ駆除人の様相を呈しちゃってるんじゃない?
小さい生き物がうじゃうじゃと集まって蠢いている様は、最初こそぞぞそっと背筋を寒くしたものだけど、数を熟していくうちに人は慣れるものである。
もう何度となく倉庫と事務所を往復している今となっては、可愛いハムちゃんのちょいキモな集団もターゲットにしか見えず、単純作業をサクサクと消化している状態に過ぎなかった。
「ちょー子さーん、次、持ってきましたー」
「はーい、ななさんありがとう。……三十六、三十七、今回は三十八匹ですね。やー、大漁、大漁!」
受け取るちょう子さんの方も慣れた様子で、流れ作業のように捕獲数を数えては処理していく。
最後にお茶を出してくれるまでが一連の流れだ。
「それにしても多いですよね。捕まえても捕まえても出てくるもん」
「ネズミ系はねー。繁殖力が高くて。しかも小さくてすばしっこいでしょ? 捕獲で完全に駆除するのは難しいんですよねー」
二人でずずっとお茶をすすりながら、ゆるーく話をする。
「じゃあ、またすぐ増えちゃうんですか?」
「いえいえ。いくら何でも毎日増え続ける訳じゃないんで。今回は依頼を受けてくれる人がいなくて、何カ月も放置しちゃったんですよ。百や二百じゃきかないかもとは思ってましたけど、これほどとはねぇ……」
ちょう子さんが苦虫をかみつぶしたような顔をした。
私は今朝からずっとハムを捕まえ続けている。
カゴとおやつを持って昨日の要領で捕獲すると事務所に戻り、お茶と無駄話で精神の回復をはかって再度突入。一時間に二回ほどの乱獲を繰り返している。
途中でお昼休憩を挟み、午前三時間、午後三時間。
最初はさすがにビビったり躊躇したりで捕獲数も少な目だったけど、今では毎回三十匹以上のハムを捕まえられている。
今もゆったりとちょう子さんと話しながら十五分ほど休憩をとり、
「よっしゃ、もう一回行ってきますね。今日はこれで終わりにしようかな」
「はい、ずいぶん頑張っていただきましたからね。清算の準備をしてお待ちしてますので、ラスト頑張って下さい!」
胸の前で握りこぶしを作ったちょう子さんに応援されて、立ち上がる。
私はまた同じ作業をするべく倉庫に向かうのだった。
お読みいただきありがとうございます。
はむちゅたあの掴み取り詰め放題
ななは楽しそうにやってますが、私はあまりやりたくありません。ので、さらっと終わらせようと思います。
続きは19時に更新します。
引き続きお楽しみ下さい。




