28 癒やしが必要
本日も三話更新します。
1話目です。
「ちょ、ちょー子さぁーん」
私は半べそになって事務所に駆け込んだ。
「あれ? 早かったですね。無理でした?」
ちょう子さんは一瞬がっかりした顔を見せたけど、
「無理言ってごめんなさい。大丈夫ですか?」
と私を心配してくれる。
「あ、あんなにいるなんてぇ。確かになんにもされなかったし、勝手におやつに集まってきましたけど。ちょっと怖かったですぅ」
ぐずぐずベソをかきつつ、ごちゃっとハムが入ったカゴを掲げて見せる。
「おおっ!」
ちょう子さんの瞳が輝いた。
「ちょっと待って下さいね」
事務所の陰に移動したちょう子さんが何やらブツブツ唱えると、一瞬だけちょう子さんの体に光が纏わり付いたように見えた。
近づいてきたちょう子さんはカゴを受け取ると、ハムの数を数え出す。
「一、二、三……十六匹! この短時間で十六匹! すごいです、ななさん! さすがです!」
大興奮のご機嫌で事務所の奥の方へ入っていって、どこかにカゴを片付けてきたらしい。続いてサクサクと事務処理をしていく。
「依頼達成。十六匹で八Gの報酬ですね。本当にありがとうございました。現金でお支払いしますか?」
ちょう子さんはキラキラした笑顔だけど、私はまだ涙目だ。
「うううぅ、貯めといて下さい。そして、お茶を買います! 前のと、リラックスできる今日のやつ! 両方下さい。今の私には必要です!」
「ああ、精神的にキツかったですか……。ごめんなさい」
ちょう子さんが申し訳なさそうにペコリと頭を下げた。
「明日からは無理そうですね。大丈夫、今日頑張ってくださっただけで十分です。頑張らせすぎちゃいましたね、すみません」
項垂れてしょんぼりしてしまっている。
私はふんすと鼻息を荒くした。
「明日も受けますよ! 今日は予想外の大軍にビビっちゃっただけです。明日はちゃんと心構えして向かいますからいけます! やったろうじゃないですか。この短時間で八千円ですよ? こんな美味しい仕事、やらないでどうする私! ……でも、今日はここまでで。明日は気合入れて来ますから、今日は帰ってまるに癒やされてきます」
普段より強気な私の態度に、ちょう子さんは余計に心配そうにしてたけど、彼女もキリッと顔付きを引き締めた。
「わかりました! お願いします。この仕事はななさんにしかできないと言っても過言では無いです。心がすり減った時には全力でサポートさせていただきますので、無理のない範囲で頑張って下さい」
私たちはガッチリと握手を交わす。
「早速ですが、今注文されたお茶は明日でないと届きませんので、私のお茶をお分けします。今日はこれを飲んで、まるちゃんとゆっくり休んで下さい」
あ、そうだった!
「ちょー子さぁーん、ありがとーっ」
ガバッとちょう子さんに抱き付くと、着痩せするタイプのようで、思った以上に豊満なお胸に顔が埋まってしまう。
よしよし、と頭を撫でてくれるちょう子さんに一頻り甘え、分けてもらったお茶をいただいてまるの待つ我が家へと一時退散したのだった。
誰かに甘えたのって久しぶりだなぁ。
お読みいただきありがとうございます。
報酬十五分で八千円
プラスぱふぱふ……
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続きは12時に更新します。
引き続きお楽しみ下さい。




