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犬をなでるだけの簡単なお仕事です  作者: maochoko
第二章 犬をなでるだけの簡単なお仕事
22/94

22 大型犬は大変


本日2話目です。





 急な配置換え? に少しばかり戸惑った私は、まずはみんなを観察するところから、と近くにあったベンチに腰掛けた。


 元気に走り回っているわんこたちをニヨニヨしながら目で追っていると、一匹のラブラドールレトリーバーらしき子がこちらを見ている。


 試しに「おいで」と声を掛けてみると、クリーム色の体をゆったり跳ねさせて、優しそうな瞳の大きなお顔が近付いてくる。


「こんにちは」


 静かに寄ってくるその子に挨拶したら、物怖じせず私の膝にアゴを乗せてきた。

 けっこうずっしりとした重みが膝にかかる。

 頭を撫でると目を細めて嬉しそう。


 カードを首にかざすと、『ラブ♀ 9歳 人懐っこく優しい。子供好き。焼き芋が好き。聞き分けが良い』などの情報が現れる。


 ……名前まんまだね。

 私の名付けも人のこと言えないけど。


 首に腕を回し、首から背中へとワシワシ撫で回す。


 顔や体を擦り付けてくるので、さらにガシガシと撫で回す。


 大きな尻尾がブンブンと振れる。尻尾力もなかなかに強い。


 ちょっと取っ組み合いのような呈で一頻りじゃれ合うと、今度はゴロンとひっくり返ってお腹を見せたので、お腹も優しく擦ってあげた。お腹を撫でられるのが好きな子みたい。


 よーし、よし。よーし、よし。


 なんやかんやたっぷり五分以上も撫で回してあげたので、すっかり満足してくれたようでまた走り出していった。

 うん、良い仕事した!


 残された私は涎でベトベトになってしまっていたけど。……これはちょっとひどい有様。


 このままではいられないので壁際のインターホンに向かい、


「すみませんがタオルを借りれませんか?」


 おずおずとお願いしてみる。


「すぐに参ります」


 急ぎタオルを持ってきてくれたメイドさんは、私の様子に呆れ顔だ。


「涎まみれでも楽しそうなご様子で何よりですけれど。大型犬のペースにのせられていたら体力が持ちませんよ。どうか、うんざりして足が遠のいてしまうことのないよう()()()()()! 触れ合ってあげて下さい」


 スタート直後に釘を刺されたね。

 うん、体力にはまだ自信が無いので言うことを聞いた方が良さそうだ。


 メイドさんはキリリと「手洗い場はこちらにございますので」と水道を案内してくれて戻っていった。でも、後ろ姿の肩が小刻みに揺れている。


 余計なお手間をお掛けしました。すみません。目の前で笑ってくれても構いませんよ。




 とは言え、元気な甘えん坊たちは入れ替わり立ち替わりに私の元へやって来てはじゃれついてくる。


 初日ということもあって、午前中はまだ様子見している子たちも多かったんだけど、お昼休憩をいただいた後に戻った時には、「あ! 帰ってきた!」ってなもんで、犬まみれになる程に集ってきてた。キャーッモテ期?

 それでも、いきなり飛び付いてきたりするほどのやんちゃな子はいなかったのが幸いだったと思う。

 大型犬に体当たりを食らってたら、私では簡単にはねられて倒れてしまったことだろう。




 そんな訳で、一匹につき一回三分まで、と自分ルールを決めて、休み休みお相手することにした。

 あんまりしんどい時は三十分程の長休みも入れながら、なんとか一日を乗り切った。




 明日はお休みにしておいて良かった。

 久々にぐったりくるまで働いた。

 大きい子のモフリ心地はまた格別だったので、心地よい疲れだけどね。





お読みいただきありがとうございます。


大型犬と遊ぶとよだれまみれになるのは仕方ないと思います。

かわいい&もふもふは正義! と思っていただけましたら応援よろしくお願いします。


おかげ様でアクセスも増えていて嬉しくて跳ねちゃいます。


明日も頑張るぞ!


引き続きお楽しみいただけましたら嬉しいです。



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