1999年7月某日
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転生したら無双して、ハーレムが出来て、悠々自適に暮らしていける。そんな事を思ったことがある人もいるだろう。……世の中そんなに甘くはない。転生しても、それが過去の日本だったら? 先行投資で儲けることが出来る。そう、俺は最初そう思った。けど、歴史が違っていたらどうする? 具体的には、第二次世界大戦が1961年に終わっていて、日本が戦勝国になっていたらどうする? どうもこうも無い。予測が出来ない。
その事に気が付いたのは5歳くらいの時だったかな。日付を見て、テレビを見て、あれ? これは? ってなった時。普通にカラーのテレビがあることに疑問を持っていなかった。けど、おかしくないか? 終戦から結構経ってからテレビがカラーになったよな? 何でこの時代にカラーなんだろう。そう思った時には既に遅かった。駄目だ。日本は日本でも、全然歴史が違う。そう思って、小学校に入学するまでに色々と調べた。
そして気付く。何故か、世界の国が60か国くらいになっていることに。社会の教科書には、知らない偉人の名前がずらり。知っている人も居たけど。織田信長とか。ただ、豊臣秀吉も居なければ、徳川家康も居ない。というか、首都が京都になっている。本能寺の変という文字は見当たらなかった。明智光秀は? 謀反しなかったの? というか、大東亜共栄圏が完成しているんだけど。シベリアまで日本の領土なんだけど? どうなっているんだよ。
幸いなことに、国語、算数、理科は変わらない。だから社会だけどうにかすれば何とかなる。そう思って必死に勉強したさ。義務教育は中学まで。何とか必死に食らいついていけば良いだろうと思っていた矢先に始まった、第三次世界大戦。1974年、フランスが共産革命を起こし、ソ連とドイツを挟み撃ちにしたところから始まった。戦時体制になり、勉強どころではなくなる。俺はというと、高校を卒業したら、親に勧められ、就職をすることに。当然のように、戦時中だからドブラック。給料は良かったけど、休みなんて無い。鉄鋼関連企業に休みなんて当然のようにない。有給は20日あるが、休めば体罰を喰らわされ、風邪を引いていても、解熱剤を無理やりにでも飲まされて働かされた。
そんな中、日米英の同盟が、共産圏に対して勝利したという報告があった。これでブラック労働ともおさらばできると、そう思っていた。中東をめぐって、イギリスと中国が内政干渉紛いの事をやりつつ情勢が不安に。当然のように、インドはイギリス領で、中国は何故かアフリカ大陸を統一しているというハチャメチャぶりである。イギリスと同盟を組んでいるので、当然のように中東に武器輸出をしており、鉄鋼関連企業の俺たちはというと、結局銃弾を作る会社へと転身。当然のように毎日何万発という銃弾を消費している中東に輸出しなければならない。
そんなこんなと超絶ブラック企業で務めていたら、1996年。日本国内の共産主義者が一斉蜂起。当然のように内戦に突入した。銃弾を作る我が企業は、帝国陸軍が護衛する中、必死になって銃弾を作っていた。いつか死ぬんじゃないか。そう思っていたのもつかの間。1997年には、共産主義者の親玉が暗殺され、自爆テロが各地で勃発。1998年には何事も無かったかのように、普通に生活していた。
要は慣れだ。何時の世の中も戦争だよ。そう諦めきった俺は、結局ブラック企業を辞めるに辞められず、1999年を迎えた。そして7月某日。エアコンが壊れたのか、クソ暑いマンションの一室で目が覚めた。……まだ4時じゃないか。25時に帰ってきて、即寝たから、まだ3時間しか寝ていない。出勤は7時なので、5時半までは寝ていられる。1時間半も損したじゃないかと思いつつ、2度寝をしようとした。
「何2度寝を決めようとしてるさ! さっさと起きるのさ!」
怒鳴る女性の声。……俺は35歳になるまで独身なんだが? 会社のおばちゃんが来るには早過ぎる時間だ。……寝過ごして、会社のおばちゃんが叩き起こしに来るのは10時ごろ。しかも、そんな声でもなかった。もっと若い、そんな声がした。
「……誰だ?」
「誰だはないさ! あたしはあたしさ!」
いや、答えないと解らないんだが。……昨日、鍵をかけ忘れたか? しかし、何でこの家に?
「世界の危機さ! さっさと起きて、地球を救いに行くのさ!」
訳が解らん。ついこの間、内戦が落ち着いたばかりじゃないか。……まさか、第四次世界大戦!?
「第四次世界大戦が起きたのか!? 何処で!? 今度の同盟国は何処だ!?」
「それどころじゃないのさ! 世界が壊れたのさ! 地球の危機さ!」
そう叫んだ俺に回答したのは、ちょっとボロ臭い、黄色のパーカーを着た、銀髪の女だった。……本当に誰だ?
今作は文字数制限なしで書こうと思っているので、長かったり短かったりします。ご了承ください。




