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EVOLVE〜エヴォルブ〜 Season6 ― 氷の輪郭 ―  作者: 柊梟環
EVOLVE〜エヴォルブ〜Season6 ― 氷の輪郭 ―
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第13章 やさしい記録 ― ぽかぽかノート ―

記録とは、

心が動いた証。

夕暮れのアークシステムズ。


オフィスの窓から射し込むオレンジの光が、

キーボードの上でゆらゆらと揺れていた。


(なぎ)がモニターをのぞき込みながら言った。


「今日の青葉(あおば)さん、なんか違いましたね。

 声もやわらかくて、空気がぽかぽかしてました。」


(しゅう)が椅子を少し傾け、コーヒーをひと口飲む。


「うん。

 “人”って、ほんの少し光を受けるだけで変わるんだ。

 それを俺たちは“設計”って形で届けてる。」


その言葉に(なぎ)は照れたように笑い、


「柊先輩って、やっぱりカッコいいですよね〜!」


「柊はいつでもカッコイイですからね〜」


「……だろ?」


「あ~また始まった〜」

 

小さな笑い声がオフィスに溶けたころ、

リモート画面の中で(あかり)永峰(ながみね)が映る。


「青葉さん、少しずつ変わってるね。」


(あかり)が言った。


「うん。きっと“完璧”の鎧を少し脱げたんだと思う。」


永峰(ながみね)が頷く。


(しゅう)はその言葉を聞いて、


「人が変わるって、きっと“欠けた部分を受け入れる”ことなんだな。」

そう呟いた。


(たまき)は、静かにモニターを見つめながら微笑んだ。


「欠けたままでも、ちゃんと光は入ってきますから。」


そのひと言に、オフィスの空気がやさしく沈んだ。


会議が終わり、夜の街が静かに色を変えはじめる。


(たまき)は自分のデスクに戻り、

引き出しから一冊のノートを取り出した。


淡い桜色の表紙。

“ぽかぽかノート”と手書きで書かれている。


ページを開き、

今日の出来事を静かに綴る。



□□□


 青葉(あおば)(みお)さん――

 強くて美しい人。

 だけど本当は、やさしさを胸にしまい込んでいた人。

 今日、少しだけそれがこぼれた。

 きっと新しい光のはじまり。


□□□



ペンを置いた(たまき)は、そっと笑みを浮かべた。

窓の外には、夜の灯りがやさしく瞬いている。

それはまるで、

今日生まれた“ぽかぽか”の光が街を照らしているかのようだった。

欠けたままでも、光は入る。

ぽかぽかは、今日も誰かに引き継がれていく。


――EVOLVEは、まだ続く。

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