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EVOLVE〜エヴォルブ〜 Season6 ― 氷の輪郭 ―  作者: 柊梟環
EVOLVE〜エヴォルブ〜Season6 ― 氷の輪郭 ―
13/14

第13章 やさしい記録 ― ぽかぽかノート ―

記録とは、

心が動いた証。

夕暮れのアークシステムズ。

オフィスの窓から射し込むオレンジの光が、

キーボードの上でゆらゆらと揺れていた。


なぎがモニターをのぞき込みながら言った。

「今日の青葉さん、なんか違いましたね。

 声もやわらかくて、空気がぽかぽかしてました。」


しゅうが椅子を少し傾け、コーヒーを一口飲む。

「うん。

 “人”って、ほんの少し光を受けるだけで変わるんだ。

 それを俺たちは“設計”って形で届けてる。」


その言葉に凪は照れたように笑い、

「柊先輩って、やっぱりカッコいいですよね〜!」

「柊はいつでもカッコイイですからね〜」

「……だろ?」

「あ~また始まった〜」

 

小さな笑い声がオフィスに溶けたころ、

リモート画面の中であかり永峰ながみねが映る。


「青葉さん、少しずつ変わってるね。」あかりが言った。

「うん。きっと“完璧”の鎧を少し脱げたんだと思う。」永峰が頷く。


柊はその言葉を聞いて、

「人が変わるって、きっと“欠けた部分を受け入れる”ことなんだな。」

そう呟いた。


たまきは、静かにモニターを見つめながら微笑んだ。

「欠けたままでも、ちゃんと光は入ってきますから。」


その一言に、オフィスの空気がやさしく沈んだ。


会議が終わり、夜の街が静かに色を変えはじめる。

環は自分のデスクに戻り、

引き出しから一冊のノートを取り出した。


淡い桜色の表紙。

“ぽかぽかノート”と手書きで書かれている。


ページを開き、

今日の出来事を静かに綴る。



◇◇◇



---


 > 青葉澪さん――

 > 強くて美しい人。

 > だけど本当は、やさしさを胸にしまい込んでいた人。

 > 今日、少しだけそれがこぼれた。

 > きっと新しい光のはじまり。


---


ペンを置いた環は、そっと笑みを浮かべた。

窓の外には、夜の灯りがやさしく瞬いている。

それはまるで、

今日生まれた“ぽかぽか”の光が街を照らしているかのようだった。

欠けたままでも、光は入る。

ぽかぽかは、今日も誰かに引き継がれていく。


――EVOLVEは、まだ続く。

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