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「ふわぁ・・・。何か今日は色々あったから、1日があっという間だった気がするな。」
宿泊訓練1日目の夕方、談話室でお喋りしていると、仁が眠たそうに大きな欠伸をした。
「今日は、僕達の所為で危険な目に遭わせてしまって・・・御免ね、3人共。」
「面倒なトラブルに巻き込んじまって・・・皆、御免な。」
僕と壮吾が頭を下げ謝罪すると、3人は「気にするな。」と笑顔で答えてくれた。
「2人を襲ったあのでかい獣・・・あれ一体何だったんだ?よく見えなかったんだよな・・・。」
直人の問いに、僕達は「くっ、熊だったよ!」と誤魔化した。
「そっか。2人も災難だったよな・・・。あんな大きな熊に襲われて・・・。」
「どうやって逃げて来たんだ?」
不思議そうに問い掛ける仁と直人に、僕達は顔を見合わせ苦笑する。
「あ~・・・こうガッと掴んで、ズドォンッとやって、ピューッと逃げて来たんよっ!!」
あたふたとしながらジェスチャー付きの独特な言い回しの説明をする壮吾。彼の説明に、直人達は「そ・・・そうか・・・。大変だったんだな。」と少し戸惑いの表情を見せながら一言呟いた。
「でも・・・皆無事で、本当に良かったです。」
神崎さんが優しく微笑みながら述べた言葉に、「そうだね。」と僕達は頷いた。
「晴支と壮吾は山から落ちたのに軽傷で済んで・・・本当に良かった。」
「あの時は本当に吃驚したし、焦ったよ!」
直人達に苦笑され、「心配かけて御免。」と僕と壮吾は謝った。
「そういえば、この後の予定って何だったっけ?」
壮吾が予定表を探しながら問い掛ける。
「確か、夕食の後にキャンプファイヤー・・・だったと思うけど。」
「“燃えろよ燃えよ”と、“今日の日はさようなら”と、“遠き山に日は落ちて”の3曲を歌うんでしたよね。」
僕と神崎さんが「楽しみだね。」と笑い合っているのに対し、壮吾達は「う・・・歌・・・。」と呟きながら、怖いものでも見る様な目で僕の方にちらりと視線を向ける。
その日の夜のキャンプファイヤーで、その場の全員にトラウマを残す程の恐ろしい歌声が轟いた事は、言うまでもない。




