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紙人形の式神が次に反応を示した部屋は、真ん中に囲炉裏のある少し狭い部屋だった。家具や収納スペースもあまり無く、隠れられる場所は一見した所殆ど無さそうだった。
「晴支、何か怪しい気配とか術とか感じるか?」
壮吾の問いに、僕は部屋の中を見廻しながら答える。
「う~ん・・・ぱっと見た感じでは特に危険な妖気とかは感じないよ。」
部屋の中を一通り見て、触って調べてみるが、やはり唐傘小僧はこの部屋には居ないみたいだ。此処の捜索は止めて別の部屋に移動しようとした時―
「ん?」
囲炉裏の隅に一瞬キラリと光る物が見えて、僕は思わず立ち止まる。
「晴支、どうしたの」
囲炉裏の方を見つめてじっと立つ僕に、ハクが近付きながら不思議そうに声を掛ける。
「囲炉裏の隅に、何か落ちてる。」
近付いて手に取ってみると、それは小さな勾玉だった。
「!?それ、唐傘小僧が御守りにしてる勾玉だよ!」
拾った勾玉をまじまじと見つめていると、一つ目小僧が後ろから声を掛けてきた。
「他にも何か手掛かりが残っていないでしょうか?」
神崎さんが部屋の中をきょろきょろと見廻し、唐傘小僧に繋がる物が他に無いか探す。彼女の言葉に僕達ももう1度部屋の中を調べ直してみるが、中々それらしい物は見つからない。だが、僕には少し気になることがあった。
「この部屋の周囲を・・・今妖気に囲まれた。特に危ない感じはしないけど・・・。」
僕の一言に、その場に居た全員の緊張が高まっていく。その場に立ち止まり暫し様子を窺っていると、突然部屋の障子に目がびっしりと映った。目が沢山映し出された障子は、ケタケタと笑い声を挙げ始める。
「ひぃっ!?目ん玉一杯で何か怖い!一体何が起こってるの?」
楓君が眉を顰め問い掛ける。
「これは“目々連”っていう妖だよ。この妖は人を驚かせるだけで、特に害は無いよ。」
危険な妖ではないと知り、楓君達は徐々に警戒を解いていく。
「目々連、此処に妖が来た筈なんだけど・・・知っていることがあったら教えてくれないかな?」
僕の問い掛けに答えることは無く、目々連はより一層大きな声で笑い声を挙げる。目々連の笑い声が響く中、唐傘小僧の持ち物等が他に無いか見てみたが、特に見つからなかった。
「他の部屋に移動したのかもしれない。」
僕達はこの部屋の調査を止め、次の部屋に向かって行った。




