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第356話 再会②

「レサントル様、も……申し訳ありません」


 ペトラは咎めることなく、すぐにレサントルへ頭を下げて畏まる。

 不服そうに煙草を咥えながら、レサントルはペトラを無視して突き飛ばされたシェーナの手を取る。


「おっと、護衛対象である君に傷でも付けたらミール様に叱られてしまう」


 まるで腫物を扱うようにシェーナを座らせると、レサントル自らもシェーナの横に座って見せる。


「怖い思いをさせて悪いねぇ。さっきの君の疑問だが、私なら君を完璧に護衛できたよ」


 この女神がどれくらい偉くて強いのか、自信満々に答えるレサントルに対してシェーナは心底どうでもよかった。

 明確に分かったのはプライドが高く、ペトラの代わりに派遣されていたら上手く付き合っていられたか疑問であることだ。


「ロスロの連中、異大陸のヒュムリス王国、ガフェーナを占拠している軍産複合体の連中を殲滅できた。そこにいる出来損ないや君を襲ったスクリットとは格が違うのだよ。お前もそう思うだろう?」


「ええ……レサントル様の仰る通りです」


 同意を求めるレサントルにミュースはあくまで眼前の女神機嫌を損ねないように肯定する。

 シェーナは横目で豪快に笑い飛ばしながら語るレサントルを自意識過剰な女神だなと思いながら、頭を下げたままのペトラに、これ以上怒りの矛先が向けられて責められるのは不本意なので、余計な事は言わずに耳を貸すだけにする。


「まあまあ、シェーナさんもお疲れのようですし、そろそろ部屋で休ませてもよろしいですかね?」


「おっと、私とした事が余計なお喋りが過ぎたな。今はゆっくり休むといい」


 見兼ねた理恵が間に入り、この場を上手く収める。

 レサントルはシェーナを労ってゆっくり立ち上がり、人差し指をクイクイっとペトラに向けると、灰皿を持ってこさせる。

慌てて灰皿を提供するペトラに感謝も述べず、咥えていた煙草を灰皿に捨てるとレサントルは通信機のような物を取り出す。


『ヒュムリスの状況は?』


『我々の警告を無視、予定通り殲滅を開始』


『よろしい。我々の警告を無視すればどうなるか身を以って体感してもらおう。殲滅後はハルセンティス大陸の掃除と事態の収拾。任務遂行を最優先とする』


『了解』


 通信機での会話はさらに続いたが、ペトラとミュースに連れられてシェーナは部屋を後にした。


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